312ページ目   雑記

時の重要性

本日も日経平均は続伸、個別の値上がり率上位には建設中心に低位株のオンパレードであったが、建設ポストでなくとも一緒になって上がっているものの中にはちょっと前まで継続企業の前提に注記が付いた企業も散見される。

ところで2013年4月〜6月期の財務諸表にこの事業活動の継続にリスクがあると注記した3月期決算の上場企業は28社であり、あのリーマン・ショック後の2009年3月期の三分の一の水準にまで減少していた旨が先月の日経紙に載っていた。

ゴーイングコンサーンといえば東京商工リサーチの発表が恒例であるが、約一年前にこれを取り上げた際に業界大手が筆頭株主でもウカウカしている場合ではないとしたところも業界再編の流れの中で出資が決まったり、本業の赤字続きで危機だったところも昨今の不動産市況の回復で思わぬ固定資産売却益が転がり込んだりと改めて気運の大切さを感じざるを得ない。


五輪ご祝儀

さて先週09/03付けの日経紙「春秋」では飛ばない豚はただの豚との書き出しで、引退を決めた宮崎監督の1992年に公開した映画「虹の豚」を取り上げていたが、週末の金曜ロードSHOWでは同監督引退を受けてこの作品が急遽放映された。

スタジオジブリといえばちょうど1か月前にも「バルス!で一回転」のタイトルで取り上げたようにもう度々取り上げているが、この放映時にはショートで常勝というのがアノマリー。果たしてというか今回も雇用統計を受けた直後に円は急伸し、またもお祭り参加組は労せずに一回転となった格好。

ただ株式の方は2020年五輪が東京に決定したことで本日の日経平均は往って来いの急反発、週末のマドリードやや優勢との報で先駆したオリンピック関連は建設や不動産中心に一斉に急反落となったが、これら一転して本日はストップ高混じえる急騰で先週末が絶好の押し目であった格好になった。

しかし前場に急騰したものを見るにここまで拡大解釈でオリンピックに絡める物色意欲が残っていたのには一寸意外、売買代金も21営業日ぶりに節目の2兆円を上回ることになったが皮算用のこれら関連銘柄の宴が一巡した後が要、各方面への実質的な波及効果がどの程度浸透するか真価が問われるのはこれからである。


廃れゆく定番

さて、昨日の日経紙経済面には「相次ぐ新ファンド」として2012年の1年間で投信が246本増えて、投信のファンド本数が今年2月には初めて4,000本を突破した旨が載っていた。全体の運用残高がそれほど増えないのにこの手の新ファンドが相次いだ結果、1本あたりの運用残高は昨年末で5年前に比べてほぼ半減したという。

この中で短期志向の個人投資家も多く、投信がなかなか長期マネーの受け皿として定着しないとの一文もあったが、自らの短期志向はともかく長年投信といえば回転売買が定番の営業スタイルに君臨していたのは否めないところ。これに加え、仕切り・不抜けが一人前にこなせて初めて前線の仲間入りが許されるというものだった。

一頃のそんなスタイルもさすがに廃れてきたが、直近では金融庁の新指針においてこの回転売買は市場発展になじまないと明記されこの指針に基づき金融機関の商品・販売体制を点検するとしている。今ではコードナンバーと共に、もう上記のような言葉も知らない新人も多くなったと思うが、NISA開始も後押しとなり漸く長期視点に真剣に取り組む片鱗が見えてきたといったところか。


楽園の賞味期限

今週の日経紙一面には「Tax ウォーズ」として、激しさを増している国や企業の税をめぐる攻防の様が連載されている。本日は企業の二重課税問題など取り上げていたが、やはり業界的にこれら絡みで思い浮かぶのは昨日マネーの楽園として挙げていたヘッジファンドとその拠点のタックスヘイブンだろうか。

良質な筋はいうまでもないが、英領ケイマンなどこれまで金融事件となった舞台では頻繁にその名が登場する。なんといってもそれこそタックヘイブンで登録も容易に済ますことが出来る簡素さだからこれを利用しない手はない。ちょっとスキルのあるアレンジャーなどは最盛期にはこうした手続きまで代行?しその分のコミッションもほぼ言い値で掠め取っていたものだ。

今や監督局も改革が動き出し、米国のFATCA法も次期適用になるなど最近はいろいろと変更点も出てきたが、これまでキレイなカネから上記のような黒いカネまで魑魅魍魎の資金を誘致してきた地は今なお楽園にかわりはないといったところか。


質との両立

今週は身内を迎えに成田空港まで行ってきたが、滑走路を眺めていると昔よく使ったエアラインの懐かしい機体が目に留まる。そんななかでもちょっと前まで見たことがなかった特異なカラーの機体も目に飛び込んできたが、これら所謂LCCの類である。

近年台頭めざましいLCCだが、日本では拠点となる空港がこの成田含めて2箇所しかなくこうした空港成約等が壁になり、また最近では合弁で複数のLCCを手掛けるANAが経営を巡る路線の対立からこのうちアジア最大のLCCであるエアアジアの合弁事業を解消するなどまだまだ根付いているとはいえないものがある。

上記の合弁解消はサービスという部分において両者が歩み寄れなかった部分が大きかったのだが、確かにサービス面で日本は他と一線を画すものがある。今では搭乗手続き等はセルフサービスでカウンター脇に何台も設置してある機械でさっさと済ませる事が出来るが、これとて常に案内の女性が常駐し最後まで自ら機械に触れず終いで済ます事が出来るのは日本くらいだろう。

そんな一方で最近では羽田空港跡地など国家戦略特区構想が浮上した経緯があったが、同空港の発着枠見直しとか国を挙げての議論のなかでこのLCCの位置付けも徐々に明確になってくるだろうか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

カテゴリー

アーカイブ

2025

9

1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30