317ページ目   雑記

中国版サブプライム

日曜日の日経紙一面には、「影の銀行、高利回り理財商品」として、中国の高利回り理財商品の2013年3月末の残高が約130兆円に達していることが明らかにされた旨が載っていたが、なにぶん中国のディスクロだけに外資の格付け機関が弾いた数値等では実情は更に大きなものとの試算も出ている。

この理財商品なるもの、銀行の通常の預金・融資とは別ルートで資金を集めるシャドーバンキング(所謂影の銀行)の代表的存在であるが、新聞等で挙がった各種試算では建設コストでみた中国住宅市場の価値はGDPの300〜400%、中央政府を除いた借入額の対GDP比は昨年210%、数年前は150%前後であったことを考えれば可也膨張しており何れも警戒水準を超過しているのは明白。

官製金融がのさばり市場金利が浸透しないなかで拡大してきたバブルの芽を象徴するような構図になってきたが、過去日本のバブル崩壊、そして米国のサブプライムと世界経済を震撼させてき前例があるだけにそれら踏まえた当局の舵取り、そして過剰な信用創造がどういったランディングになるのか興味深いところ。


株主総会変遷

さて、本日は3月期決算企業の株主総会のピークで全国で多くの企業が一斉に開催のはこびとなった。昨今時代の流れと共に異質な総会活動も影を潜めてきているのも背景に近年分散化も進んできており、フットワークの軽い向きは彼方此方に参加する機会も可也増えてきたようだ。

そんな訳で出席者が過去最多となった企業も幾つかあったが、今年はガバナンスをめぐる株主意識の高まりで社外取締役制度の導入の動きなど顕著、一方でタイミング悪く直近でひと騒動起こしたところや、アベノミクス効果もカンフル剤にならず株価低迷が継続しているところはなかなか厳しい指摘が飛んでいた模様。

議決権行使も先月あたりまで各社からいろいろと通知が届いていたが、ちなみに野村の調査ではこれを行使するとした個人の割合は昨年より5%上昇の44%となったという。斯様に上記の通り黒い総会活動からファンド系の台頭、そして彼らの衰退から近年個人の台頭が目立つようになったがこの一頃鳴りを潜めていたファンド系も徐々に復活しつつある。

一昔前の最前列近辺を社員株主で固めたり、社長ならぬ脇役員が淡々と纏めるシャンシャン総会などある意味この時期の風物詩だったものだが、株主総会も時世其の時々のカラーが色濃く出て面白い。何れにせよ今週月曜日に書いた長期投資家誘致も株主との対話がキーになってくるだけに総会も益々重要性が増してこようか。


アジアの暑い夏

今日は医師をしている友人の奥様がバースデーということで、そのお祝いの前に皆で韓国料理なんぞで腹ごなししたのだが料理を待っている間にコリアンタウン含めいろいろとこの国に因んだ話が出た。韓国といえばこのところ、昨日も一寸触れたFRB議長の量的緩和縮小への言及から債券市場等が混乱している。

マーケットの混乱といえば、週明けの上海総合指数も5.3%安となり約4年ぶりの安値を記録したが、韓国の金融マーケットには既に大量のチャイナマネーが流入しており、中国がいよいよヤバイという事になればレパトリの動きも相俟ってこれら外国マネーも我先に流出という事態になれば世界的にも影響が出てこよう。

上海総合指数同様に韓国総合指数も弱含み連日の年初来安値を更新しているが、KTB証券やSK証券等は従来の予想値を相次いで下方修正したものの、早くもこの一部予想下限をも割り込む事態となっている。そういえば日本との間で結んだ通貨スワップ期限の一部はいよいよ来月早々にも到来するが、この辺も含めて何かと今年は暑い夏になりそうだ。


輸出国健在

さて、先週のFOMC後の会見でFRB議長が量的緩和縮小に言及、具体的見通しが嫌気され今年最大の下げ幅を記録した株式相場と共に急落しているのが周知の通り金相場。昨晩も力なく反落し、この3日間でざっと100ドルの下落を演じている。

まあ下落は別に直近で始まったワケではなく、年初から見れば随分と値位置も変わってきたものだが、こんな状況下でも依然変わっていないなと思ったのは金の輸出傾向で、この間つまり今年1月から4月の金輸出入量は実に約56トンの輸出超過になっている。

ちょうど一週間前の火曜日の当欄では「粛々と積み増し」として、新興国を中心とした世界の中央銀行の金買い意欲が依然として衰えていない旨を書いたが、本邦勢はこれらとは対照的に依然我が道をゆくといったところか。2年ほど前に金は歴史的に国力のある国に動くと書いたが、さて今後どういった構図になりますか。


その違いが判りますか?

さて、昨日のマックに続いてもう一つ今週は食の話題として港区内の4つのプリンスホテルが、チリ産牛肉のローストビーフを国産としたり、ハンガリー産のフォワグラをフランス産と表示するなどの実際の食材とは異なるメニュー表示をしていたと発表していた件があった。

この手では直近でもディズニーシーのミラコスタでブラックタイガーを車海老とし、またアンバサダーホテルでは国産鳥を地鶏としていた問題が発覚したばかり。こう立て続けに出てくると直ぐに記憶が蘇るのが2007年に続出した食の偽装ラッシュか。幾つも出た中で大阪の船場吉兆など九州産牛肉を但馬牛と謳って販売したり、地鶏が実はブロイラーだったりと名門なだけに話題になったものだ。

これと前後して秋田の比内鶏や名古屋の名古屋コーチン、また魚沼産コシヒカリまでいろいろな表示偽装が発覚してきたが、思うにどれだけの消費者が明らかに味の違いを感じ疑問を呈しただろうか?あのミシュランガイドでさえ二つ星を与えたヒルトンのトゥエンティ・ワンも山形産牛を前沢牛としていた産地偽造が発覚して結果店は消滅に至っている。

偽装自体決していい事ではなく、現場との間で情報が共有されていない意思疎通の無さに因んだ問題は他企業も反面教師にすべきだが、つまるところこういった件が特に取り沙汰されるのはやはり繊細な日本人の特異なブランド志向という背景がベースにあるからだろうなとつくづく。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

カテゴリー

アーカイブ

2025

9

1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30