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それぞれの想い

さてメダルを獲得した選手の帰国も始まったが、個人的に明け暮れた時期もあったという事でオリンピックは毎回特に体操が気になってしまう。今週は種目別決勝の跳馬で白井選手が伸身ユルチェンコ3回半ひねりという新技を初披露し銅メダルを獲得、初の五輪をいい形で締め括った。

この跳馬ではルーマニアのドラグレスク選手が本家本元の技を披露し白井選手と同点を獲得したが、ルーマニアといえばもう一つ、女子は団体出場を逃すなどコマネチ時代からは想像も出来ないような事態となっている中で、一度は引退し云われ無き誹謗中傷の波に晒されつつも国を背負って独り個人で出場したポヌル選手の精神をやはり称えたい。

また、今年も種目別では白井選手のみならず各選手共に果敢に新技を出してきたのが印象的であった。跳馬では白井選手を上回るDスコア7.00の表示が点ったウクライナのラジビロフ選手は前方3回宙返りに挑戦、鉄棒では離れ業で神の領域のゾンダーランド選手は今年は今一つであったが、代わりにブレットシュナイダー選手がH難度のコバチ2回ひねりを出してきた。

しかし冒頭の跳馬で金メダルを取ったのは世界選手権2連覇中の北朝鮮のリ・セグァン選手だったが、表彰式で国旗に敬礼し国家を謳うその姿が非常に印象的であった。また個人総合で内村選手と互角の闘志で演じたウクライナのベルニャエフ選手も劣悪な環境下においても祖国を捨てず国を背負って平行棒の金メダルを獲得。神業の裏に各々の深い想いを垣間見た今回のオリンピックであった。


黎明期市場

昨日の日経紙マーケット面には「仮想通貨活況FXから流入」と題して、ビットコインの国内取引高が2016年1〜6月期に4,300億円、7月は単月で2,000億円を突破し、それぞれ前年同期比で約50倍に増えるなど活況を呈している旨が載っていた。

周知の通り5月には仮想通貨取引所を登録制とする改正資金決済法が成立したという事もあって、個人のみならず法人までその範囲を広げてビジネスとしての伸びしろも先月の当欄では取り上げたが、三菱東京UFJが米コインベースとの提携を発表するなど一部メガバンクも低金利環境下ならではの活路を見出し始めている。

彼らがブロックチェーンへと枝葉も視野に入れるなか川下でも個人のトレードを取り巻く環境もまた乱立状態を呈しているが、過去の軌跡を見ても軌道に乗るか否かは信用の裏付けとリクイディティが要、黎明期をどう育てるかが今後の成功の是非にもかかわってこようか。


ガバナンスコード

昨日記の通り夏枯れ相場で今週は軟調な日経平均だが、そんな中においても連結業績見通し上方修正やらJPモルガンの目標株価引き上げやらで東芝が逆行高している。この東芝といえば株価はさておき、本日の日経紙「真相深層」では同社を巡る会計不祥事での検察と監視委員会の不協和音が取り上げられていた。

東芝や三菱自等の東証一部の名門ではなるほどそれに絡む各所も政治的背景が色濃くなってくるものだが、新興企業も常に何かしら紙面を飾っており今月は1日に株の損失回避目的で業績予想公表前に情報を親族らに伝えたとして、証券取引等監視委員会が金融商品取引法違反で東証マザーズ上場「ALBERT」の前会長を東京地検に刑事告発している。

また4日には、ジャスダック上場で宅配サイト「出前館」を運営する「夢の街創造委員会」の株価を不正に吊り上げたとして金融商品取引法違反の罪に問われた同社創業者の初公判も東京地裁で行われていた。コーポレートガバナンスの重要性が云われてなお不祥事の芽が摘めぬ事例が多いが、コード云々以前にもっと本質的な部分の問題を見逃しているような気がしないでもない。


NTトレード

本日の日経平均は夏季休暇入りで市場参加者が少ないなか円高が進んだ事で小反落となったが、ザラバではプラス圏に浮上する場面もあった。この辺はやはり日銀によるETF買い入れ期待が背景となっているワケだが、この件に関して先週末の日経紙には「日銀の買い副作用」と題して株価の歪みにも言及していた。

今月に入ってからはNT倍率の拡大が取り沙汰されるようになっていたものだが、先週末の段階で12.78倍と1999年3月以来の高さとITバブル期以来の高水準にまでなっている。こうした変化に目敏いのは短期筋で、ETF買い入れ倍増決定をテコに日銀トレードともいわれる裁定取引が横行しこれらが更に拡大を助長させているスパイラルに陥っている部分もある。

NT倍率云々より予てより言われてきたものに個々の浮動株に対する日銀の保有比率があるが、大株主にまで発展すればなにより企業統治への影響も無視出来ない。また機械的吸い上げで市場では板が薄くなり当然高寄与度銘柄の一角など高PER現象を創り出す構図となっているが、デフレ脱却の大義名分で何所まで副作用に目を瞑るのか今後もオペが注視されるところ。


体操NIPPON

本日も朝から体操男子が12年ぶりに団体で金メダル獲得の嬉しいニュースが舞い込むなど、リオデジャネイロオリンピックが熱い展開となっている。予選で4位と苦しいスタートとなったものの、これだけ加藤選手を除いた他選手のミスが目立ってなおトップとのギャップはそう無かったところに妙な安心感が残っていたものだが、果たしての3大会ぶり団体での金である。

しかし体操技術も日進月歩で予選では鉄棒の屈伸コバチで内村選手が落下したが、決勝ではキッチリ決めてきた。こんな一面を取ってもつくづくオランダのゾンダーランド選手がロンドンで見せたカッシーナ・コバチ・コールマン(と記憶しているが・・)の連続離れ業は当に神業の領域と改めて思ったが、ホップターンのバリエーション含め年々進化が著しい。

しかし改めて思い返すに採点も10点満点など今となっては懐かしい。技術の急速な進歩と使用器具の変化もあって加点限度を撤廃せざるを得なくなってはや10年、限られた中で如何に高難度を詰められるかを競う機械的一面が多くなり本来の魅せる演技からの距離間も感じられる近年であったが、今回の日本勢は原点の「美しい体操」を世界に再認識させたのは間違いのないところだろう。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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