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レジェンド復活?

週明けの日経平均は英国のEU(欧州連合)離脱問題への警戒感の高まりや円高から大幅に3日続落となった。これとは対照的に金価格はこの英国のEU(欧州連合)離脱を巡る懸念から1週間で相場の上げ幅は5%に達し、国際価格の指標となるニューヨーク市場先物相場は約3週間ぶりの高値まで上昇してきている。

この金といえば先週は著名投資家のジョージ・ソロス氏のソロス・ファンド・マネジメントが株式を売却する一方で金都金鉱会社の株式を購入したとの一部海外紙の報道が伝わり、当日前場の株式市場では別子こと住友金属鉱山株が日経平均への寄与度トップに躍り出る場面もあった。

とはいえ証券各社では総じて慎重、みずほ証券は買い推奨継続しているものの大和証券はJOCに関連する追加損失計上リスク等から目標価格を引き下げ、UBS証券はPERやROEなどが同業他社より割高として投資判断をニュートラルからセルに格下げしており、早速本日の下げで往って来いとなっている。

結局、不透明な金属市況をどれだけ織り込んでいるかというところだろうが、この辺の個別株はともかくもレジェンドプレーヤーの復活は何かを意味しているや否や。今後EU離脱を巡る英国国民投票含めた数々の政治イベントを控えこの辺の思惑は一段と募りそうである。


二強

今週の日経紙・一目均衡では「規制が呼んだ先物活況」と題したものがあったが、新興国の需要拡大が牽引した資源ブームが終わり原油相場は急落したものの、相場環境の激変に関係なくCME(シカゴ・マーカンタイル取引所)やICE(インターコンチネンタル取引所)など欧米の原油先物売買は急増を続けている旨が書かれていた。

言うまでもなく上記二強は世界首位を争う存在となっているが、NYMEXを買収したCMEは規制を切っ掛けに店頭デリバティブが取引所先物に移行する先物化を商機とし24時間売買システムのグローベックスが売り、ICEは欧米アジアに広がるグローバルな取引網と精算拠点を展開し500超の原油関連商品を上場する電子売買特化が売りである。

そうした背景もあって同紙によれば昨年の両者の売買高は原油相場が史上最高値を記録した2008年を9割も上回り、今年も先月までCMEが前年同期比で34%増、ICEが同17%増加と相場に左右されがちな本邦とは状況を異にしている。

そんなワケで昨今デリバティブが価格を形成する近年において、商社などサイバーで先駆する両者無しに取引は成り立たないのが現実。翻って東京市場、上記の状況にあるとはいえETN組成が奏功しその間接効果が寄与しているが規模拡大に今後どう向き合ってゆくのか欧米を見据えつつ課題は山積みである。


消えゆく種目

さて、運動会も一巡といった今日この頃ある待合室でママ友らしきが運動会議論に花を咲かせているのに居合わせたが、やはり近年話題になっている「ピラミッド」などの所謂組体操に関していろいろ思うところがある模様だった。

この組体操といえばやはり運動会の終盤に行われる花形種目のイメージが強いものだが、周知の通り危険性が問われ今年の都内では組体操を外し集団のマスゲームに変更する学校が急増した模様。達成感や連帯感を養う教育効果は保てますよといったところだが、当の児童や父兄も賛否両論が尽きない。

しかし素朴な疑問ではるか昔からあったこの組体操だが、危険性が謳われるなら何故今までこれほどまでに世間が騒がなかったのだろうか?近年の児童がこれに対応出来ないほど体が付いてこれなくなったのか、はたまた責任問題が厳しく問われるようになった昨今の学校側の防衛姿勢なのか、そのうち騎馬戦までもがターゲットにされるのかどうか波及が気になるところである。


シルク再興

さて、昨日の日経紙には「絹の街再興 市民が紡ぐ」と題して世界遺産の富岡製糸場がある群馬県富岡市で、市民にカイコを育ててもらう取り組みが始まった旨の記事があったが、将来的には生産者を確保しその生産量が落ち込む富岡シルクの存続につなげたい考えという。

希望者には飼育キットを無料で配布するとしているが、養蚕業が戦後に再度のピークを迎える頃など小学校の夏休みの宿題にもカイコを育てて自由研究の課題にもしたものだったのが思い出される。それがいつしか新興国に押されかつて上場していた前橋乾繭や横浜生糸も消えてしまったのもまた感慨深い。

シルクといえば当欄でもちょうど一年前に取り上げた際の末尾に「富岡製糸場が日本の近代化遺産で初の世界遺産登録となった。衰退してしまった養蚕農家も、こうした将来の私達の生活をも変える可能性を秘めている技術応用をもってもう一度世界遺産と共に立て直す大きなキッカケになるかもしれなく今後も期待したいところだ。」と書いていたが、こうした取り組みも一助に繋がるのかどうか今後も見守りたいところ。


日銀REIT

先週末の日経紙マーケット面には「さえぬ日銀大株主銘柄」と題して、ここ横這いの続いている東証REIT指数を横目に日銀が発行済み投資口の5%以上を保有する12銘柄の値動きが精彩を欠いている旨が載っていた。

一般的にREITは創設初期の投資口価格の低い時期からエントリーする向きの配当期待商品色が強いが、日銀のそれはETFよろしく残存購入枠の解釈で足元を見られ易く下支え効果が効いていないという側面や、やはり当欄でも度々指摘してきた吸い上げによるリクイディティーの問題が背景にもなっているようだ。

来週には日銀金融政策決定会合を控えはたして更なるマイナス金利拡大があるや否やだが、長期国債利回りに過去のスプレッド水準を上乗せして求めた期待利回りをベースにしても伸び悩み感が否めない点も一部で指摘されてきているだけに、これまで同様の軌跡となるかどうか上記含めてこの辺は不透明である。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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