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対応機敏

さて、本日の日経紙マネー&インベストメントには「夜間投資家 そろり増加」と題して、時差の関係で日本時間深夜に大きなニュースが飛び出た際に機動的に対応できる場としてデリバティブ市場を中心としたさまざまな夜間取引市場に取り組む投資家像も載っていた。

確かにここ最近見ていても、ナイトセッションがスタート以降もけっこう先物やオプションなどボラタイルな展開が継続されている事も多くなってきたなと感じる。PTSなども一部リクイディティーの薄い銘柄が突飛な値を付ける場面がいまだあるものの、日中賑わった銘柄がその地合いをここでも引き継ぐケースが定着してきた。

他にCFD等も出ていたが、昨今の原油急落で先々月に一寸取り上げたワラントも依然として活況が続いている模様で、ちなみにこの時ゴールドマンが引き下げた2015年第1・四半期の原油価格予想価格をも現在は大きく割り込んできている。そんなワケで二束三文だった遠めのプットもいまや大化けしているが、いずれにしても昨今はあらゆる原資産のデリバティブが本当に手軽に出来るようになったなとつくづく。


今年の漢字2014

さて年の世相を1字で表す恒例の「今年の漢字」だが、今年は「税」に決定となった。けっこう意外?なところに落ち着いたなという感もあるが、消費税が8%となり家計の負担が増した事、税金の使い方を決める国会議員はじめとしその他県議まで政治とカネ問題が取り沙汰された事が選ばれた理由とか。

ところで昨年の今頃は個人的に2007年に続いての「偽」になるのではないかなとも思ったものだが、今年もけっこうインチキな出来事ばかりだったような気がしないでもない。事実3位には「嘘」という字が選ばれていたが、この辺はけっこう普遍的なものなのかもしれないなと。

今年選ばれた税だが大義名分では違うといは言いつつもこれに絡めて解散総選挙も高支持率のうちに恙無く?通過したものの投票率は50%そこそこで戦後最低だった前回選をも下回ったという。虚無感漂う感が強いなかこの年の瀬に外的要因から市場も荒れてきたがさて今後の舵取りは如何に。


次の視点

さて、先週末の日経紙には「自社株買い、規模が拡大」と題して、2014年の1社あたり平均金額(取得枠ベース)は約90億円と昨年より8割増えて、06年の水準を抜いて過去最高になるなど主要企業中心に上場企業の自社株買い規模が拡大している旨が載っていた。

増配に自社株買いを組み合せた株主配分強化がこの1年の株高の原動力にもなっているとも書いているが、このパターンは直近ではキャノンがまさにそれと思い浮かぶ。先週末に3期ぶりの増配を発表したが、此処は自社株買いも発行済み株式数の2割に迫る勢いの2億株以上をかれこれ実施済みである。

かつて自社株買いといえば同紙にも書いてあるように株価を下支えする狙いも多かったが、昨今のROEブーム?もあって初の自社株買いを実施する企業も出てきた上に買い入れた自社株を対価としてのM&A等も視野に入れた積極策が取れる前向きなものもあるなどここ数年で変遷しつつある。

しかし冒頭の通り数多くの企業に紛れ、上記のキャノンも増配かと普通に流しそうなものだが実に此処は26年間もの間増配を続けており、株主優待に目を移せばその実施率も今秋は上場企業の3割を超えて過去最高更新という報もある。NISAも絡め長期保有を促すIRも活発化しつつある。


所有権は何処に

今週の産経紙にて先月に韓国の窃盗団によって対馬の仏像が盗まれた件を取り上げた記事を見かけたが、同じ対馬の仏像の盗難といえば2012年この対馬市から盗まれた仏像2体が盗まれ湖南国に持ち込まれた件で、韓国政府が管理している仏像の返還を改めて直近でも文部科学相が韓国文化体育観光相に要請している。

それに対して韓国側はで韓国から日本に持ち出された文化財も議論する機関の設置提案という驚きの論点すり替えの返事であったというが、これで思い出すのが2009年2月にクリスティーズがパリで競売にかけた中国清朝の離宮「円明園」から英仏連合軍に略奪されたとの噂話もあった十二支像のうちのウサギとネズミのブロンズ像を落札した中国人が「中国人としての責任を果たしただけで金を払うつもりはない」とした件を思い出す。

もともとこのオークションに出されたものは中国に所有権があるとして競売差し止め請求していたものが受け入れられなかった経緯があるといい、この件では中国外務省も「中国に所有権があるのは間違いない」として返還を要求している。過去にはサル・ウシなどの像を中国系企業が落札して中国に戻した経緯があったが、このパリでの競売は金は払わんという事で話題に。

こうした文化財や美術品に関しては締結された条約も含め、まずそれら対象物がわたった経緯が正当な商取引によるものかそうでないものかという背景で大きく変わってくると思うのだが、まあ其々いろいろと国民のカラーが出るものと改めて感じさせられる。


値下げ競争から一転

本日の日経紙には「吉野家、牛丼値上げ」と題して昨日吉野家ホールディングスが牛丼など25商品を17日から値上げすると発表した旨が出ていた。ここ近年の原材料高騰に円安の追い打ちもあって値上げ自体は前から喧伝されていたが、果たしてというかその上げ幅は約3割にもなった。

ここ数年は衣類、靴、家具などと並んでこの牛丼もまさに値下げ競争の中心的役割?を果たしていたものだが、業界の盟主が値上げの先鞭をつけたことで外食系は他社も追随の動きと今度は真逆の値上げ競争の様相になる可能性も出てきた。

そういえば昨年の6月にこの牛丼を取り上げた際のタイトルは、「デフレでは勝ち組も」であった。長年にわたるデフレ蔓延のなかでこれら確固たるものを築いてきたが、家具のニトリなどいち早くオンライン通販事業を上手く強化しこの円安進行下でも上半期の売り上げは予想外?な好調となっており、旧デフレ勝ち組は今後政策の変化にどれだけ柔軟に対応できるかが焦点となってこようか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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