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作った奴が儲かる

さて先週末に入ってきた報に、証券取引等監視委員会が日東電工株を相場操縦したとして、香港の資産運用会社アイレオン・アセットマネジメントに課徴金納付命令を出すよう金融庁に正式勧告した旨があった。確か同アセットは某中堅で自己のトレーダーだった人物が仲間と立ち上げたと記憶するが、4年弱で80%を回すなどなかなかのパフォーマンスと報じられていたのも思い出す。

ところでこれは昨年9月に起きた事件?だが、この時の引け間際の暴騰劇はこの日一番の話題になっておりいまでも鮮明に思い出される。なにせ新興市場なら兎も角も東証一部の225種採用銘柄が、引けの1分そこそこというかほんの数十秒の間に1,000円近く暴騰した相場はこれまで見た事が無くけっこう衝撃であった。

果たして翌日26日は売り気配からスタートし寄付が750円安!この事情を知っている向きなら、先ず買いで取りストップ高で途転カラ売りと引けと寄付きだけのわずか数十分の間で往復タダ貰いの利益を得ることが出来たワケで、こんな芸当が出来るアルゴの恐ろしさと共にこれで証券取引等監視委員会のお咎めも何もなかったら不正天国だなとも思ったりしたものだが、果たしてというか忘れた頃にこんな形で表面化したか。

これと同じ手口?では過去に日興ソロモン・スミス・バーニーが某大手損保と結んだETFの設定を行った際に不正を働き行政処分を受けた経緯があり、以後証券会社も引け値保障を受けるのを避ける向きが大半であったものだが、アレンジャー系は魑魅魍魎、EB債では末端の個人がやられたが同じ金融畑でファンドに拠出している最終投資家も引け値保障でこんな仕打ちに。今回の課徴金は約4.3億円とされているが売買益は100億円以上とか、やはり金融界は狐と狸、魑魅魍魎である。


仏具か隠れ蓑か

さて昨日も挙げたように、このところの原油価格下落等で金などの国際相場が下落基調となっていたが、金はファンドのカバーや国内事情では円安から1年8ヶ月ぶりの上げ幅を記録するなどボラタイルな展開になっている。ところでこの金といえば先週末の日経夕刊一面には「金の仏具、非課税で脚光」と題し、来る来年1月の相続増税を控え貴金属店や仏具店で非課税財産である仏具として金製仏鈴などを買い求める動きが出ている旨が載っていた。

既にこの辺の現象は昨年7月に三越で開催されていた「大黄金展」にて売れ筋としては仏具が一番とのスタッフの弁から当然相続絡みかといった旨を当欄で書いていたのを思い出すが、同紙によれば田中貴金属ジュエリーでは10月の金製仏鈴の販売額が前年同月比で約25%伸び、他の貴金属店や仏具店でも仏像など金製仏具の売り上げが9月以降前年比で2〜3割増えたところが多いとの事で、あらためてやはりという感じだ。

とはいえ同紙では数百万円の仏鈴など高額な仏具なら、これが投資商品とみなされる可能性もあると指摘している。先の大黄金展でその大きさ毎にりん棒を変えながら音色を聞かせてもらったおりんは、それこそ1,000万の大台に絡む物であったがこれらは国税から見れば投資商品になるという事か。ここ数年で目一杯この手に変えてきた向きが多いのは想像に難くはないが、立場変われば見解相違の例がまた今後も多発しそうだ。


闇マーケット

先月末あたりから原油価格の下落やドル相場上昇の影響で金や銅などの下落が顕著になっていたが昨日の日経紙商品面でも「金や銅、一段と値下がり」と題して原油安やドル高でこれらが値下がりし、特にLMEの銅地金価格は1日に1トン6,230ドルまで下げて約4年半ぶりの安値を更新した旨が出ていた。

直近でこそドル高で国際相場は斯様に下落顕著と喧伝されてはいるものの、一方では先の急激な円安時にはこんな非鉄金属など大手非鉄各社は先月には建値を約10ヶ月ぶりの高値に引き上げるなどしていた経緯があり、最高純度の銅は先月中旬には3年7ヶ月ぶりの高値を記録したという。

そうなると思いもよらぬ犯罪の類も増えてくるというもので、これに絡んでは秋口以降にエアコンの室外機が盗まれる被害が急増しているという報もあった。室外機の銅は最高純度の9割の値がつく事もあるといい、非正規の業者主体でマーケットが構築されているらしいが先の赤サンゴも然り、いやはや泥臭くも何所にでも目敏い輩が居るものである。


アノマリーと期待

さて、米格付け会社のムーディーズによる日本国債の格下げの報を受けて株式市場は朝方こそ幅広い銘柄に売りが広がったものの、先物から買いが先行し終わってみれば3日続伸と依然として年初来高値更新が連日続いている。

誰が見ても年末高コースのレールに乗っている気がするが、この辺は本日の日経紙マーケット面にも「なるか3年連続年末高」と題して上記の日本国債格下げや衆院選の行方など不安を残すなかで史上初となる3年連続年末高の可能性について書かれており、カギとなるのは大型株や原油価格動向という。

確かにこの辺はNY DOWと共にもうアノマリーとして後半戦開始以来話題にされてきた事だが、事実ここ10年の11月末の株価と12月末の株価比では、日経平均が9勝1敗、NY DOWでは昨年まで5連勝中となっている。年初来高値更新の時期を併せれば日経平均が25日以降7回、NY DOWは25日以降5回となっており、自ずと期待も高まろうというもの。

昨年の大納会には首相が出席し、「午の尻下がりなんてジンクスは忘れてください。来年はウマくいきます。来年もアベノミクスは買いです!」と頼もしいスピーチがあったが、このシナリオ通りにコトがはこぶのかどうか大納会まで要注目である。


首位逆転劇

さて先週末の日経紙総合面には、「第一生命、日生抜き首位」と題して先週出揃った主要生命保険会社の2014年4-9月期決算において、売上高に当たる保険料収入で第一生命保険が日本生命保険を上回り、半期ベースで初めて首位になった旨が載っていた。

日生は戦後ほぼ一貫して首位の座を維持してきたものだが、4年前に業界初の上場を果たした第一生命にとっては悲願だっただろうか。ところで同日の企業面には「全日空、日航と相乗り難色」として経営不振のスカイマークを巡るJALとの共同支援にANAが応じない方針とも出ていたが、この両者も今年は航空会社の実力を測る指標の輸送能力を表す「座席キロ」でANAが86年の国際線定期便就航以来初めてJALを上回り、続けて売上高に直結する「旅客キロ」もJALを抜く逆転劇が見られた。

株式市場でもしばしば大手間で価格、時価総額の逆転劇が見られるが、近年では短期で解消されると見られていた逆鞘がそのまま定着している例も少なくない。大手間でもますます下剋上が彼方此方で鮮明になる時代になってきたか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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