485ページ目

似て異なる用語

今週はIPOが2社あったが、うち本日は(キャリアリンク)がマザーズに新規上場、公開価格はブックビルディングの不調から仮条件上限で決まらなかったものの、寄りは差し引き130万株の買いものから始まり結局、公開価格の2倍以上の値の買気配のまま初値形成を明日以降に持ち越すこととなった。

週明けに上場したもう一社の(ありがとうサービス)も公開価格が仮条件下限で決定していたことで初値が注目されていたが、蓋を開けてみれば11.3%上鞘でスタート、初日から2日連続でストップ高と破竹の勢いから上場3日目で公募価格倍増達成となった。需給が全てといったところだが、今月の第一弾に刺激された部分は小さくないだろう。

ところでIPOといえば、先月には「親引け規制」の緩和が為されている。もともと幹事証券等が企業が指定する法人や個人等に優先的に公募株等を売ることは禁じられていたものの、この規制緩和によって払い込みからある一定期間の保有等条件付きで一部これが可能になる事となる。

株式関係の規制緩和といえばこんな低迷下で今や随分と盛んになってきた1994年の一部自社株買い解禁、続いて2001年にはこれに絡んで金庫株制度も解禁になってより機動的なものになった経緯がある。IPOはその業態や知名度でムラがあるのは否めないものの、この辺はまたこれでIPO活性化に繋がるかどうか注目される。

余談ながらこの「親引け」なるもの、同じ金融系で証券と商品共にこの言葉が存在するが商品の場合、渡し物のあった売り方がカバーして途転等に使うなど一寸意味が違ってくる。他にも「仕切り」なる言語があるがこれも商品では通常は手仕舞いの意だが、証券の場合今では化石になってしまった悪しき営業形態を指すなど両者でまったく違った意味になってくるものが存在するから面白い。


CBも投機熱

本日の日経平均は欧州の経済指標を控えてその不透明感から引き続き手控えムードが漂っていたが、中身は個人が手掛け易い低位の材料株群が大賑わい。なかでも代わる代わり接近説が出ては消えるシャープは、本日は米インテルやクアルコムとの資本提携観測が浮上し6,000万株に迫る大商いとなっていた。

こうなってくると貸借に絡んだ需給合戦になってくるが、同様に熱くなったのはCB市場もまた然り。大手家電モノは総じてメッタ売りに遭っていたのが、このシャープは一転して本日は雲の上のような転換価格のCBが前場段階でストップ高まで買われるなど異常な様相となっている。

東電のときもそうであったが巨額赤字を出した大手家電の影響で社債市場は直近まで通常の光景とは違ったものとなり、特に低格付け債へは殆ど食指が動くような状況ではなくなり、逆に利回りが異例の低さの物でも高格付け債へはあぶれた資金が可也集まってくるという。ジャンク物にも一定のリクディティーがある米など見るにこの辺やはり構造の違いを感じる。


ETFの伸び代

昨日は金についてETFランキング等にも触れてみたが、このETFといえば今月アタマの日経紙の夕刊一面でこのETFの9月末における世界純資産残高が約145兆円と2011年末比で21%増えて過去最高となった旨が載っていた。

手数料の割安さや指数リンクなど分かり易い値動きや商品性が好まれている模様だが、国内でも東京証券取引所など全国の証券取引所が先に初めてこのETFの保有分布状況を公表しており、それによれば7月末時点の株主に相当する受益者数は36万5,614人、うち個人が全体の98.3%を占めているという構図となっていた。

昨日一寸挙げた10月度のETFランキングでは1位がNEXTシリーズの日経平均レバレッジ、そして2、3、4位とオーソドックスな指数モノが並び、5位にはTOPIXブル2倍、6位にはVIX、そしてコモディティものと続いていたが、1位のレバレッジや5位の2倍など共に今年の春先に上場したニュータイプもので、最近ではこの手の人気も上がってきているのが窺えこの辺もまだ伸び代が期待出来るか。


遅ればせながら

さて、週末には楽天証券など先月度の各種ランキングを発表しているが、ETFではベスト10のなかにコモディティ系が2つ入ってきており、やはりというか三菱UFJ信託の純金およびSPDRとその何れもがゴールドとなっていた。

ところでこの金といえば先週の日経紙には「年金マネーは金を目指す」として、信託銀行が企業年金向け商品に金を組み込んだり、厚生年金基金の一部も金の運用を開始するなど日本の年金が金に食指の旨が載っていた。上記のSPDRが年金専門誌に広告を出し、もう一つの三菱UFJ信託も企業年金向けの商品ラインナップに「金投資」を加える等の動きがある模様だ。

株価の低迷で年金の運用難は既に彼方此方で報道され、斯様な事情から先のAIJのようなモノにまで引っ掛かるオマケ付きだが、そんな事も背景にあって本邦も漸く重い腰を挙げたような格好か。一方で米など公金運用に関しては流石に機動的で、金運用をしているものではテキサス州教職員退職年金基金や、テキサス大学基金が金先物の玉を現引きの話などは昨年の当欄でも既にコメントしている。

先にNY金先物は、米雇用統計の改善傾向等で金融緩和期待が一段と後退し約2ヶ月ぶり安値まで一服、米大統領選で共和党のロムニー候補が勝利すればドル高政策から更に金価格の下落に繋がるとされていたが、果たしてオバマ氏の再選が決まり再度金を始めとした国際商品の押し上げ圧力が掛かるとの見方も台頭してきた。これから金融緩和や中国景気を睨んで乱高下も予想されるが、今後どの程度裾野の広がりが見られるかこの辺も興味深い。


世論よりも

今週は周知の通り米大統領選は即日開票の結果、民主党のオバマ大統領が激戦州の大半を制した共和党のロムニー候補を破って再選となった。下馬評でギリギリの接戦も一部言われていたものの果たしてのオバマ氏勝利で米株式は300ドル超の急落、所謂「ねじれ」が確定し、年末に期限が来る「財政の壁」問題への対応遅れを懸念した売り物が膨らんだ格好だ。

ところで今回の米大統領選、今週初めにはアイオワ大が運営するIEMではオバマ氏が75%とロムニー氏の25%を大きく引き離す数値が出ており、こちらでは既に今回の結果を織り込む動きが確定していた模様だ。

斯様にこの電子市場は世論調査よりも実際の結果との乖離が少ないとかねてから言われておりユニークながら侮れない存在である。導入部分がシンプルならバイナリーオプションではないが、政治への非感心層への啓蒙もこんな導入手段で間口が広がるかもしれない可能性も秘めておりこの辺は日本もまだまだ勉強する余地があるのではないか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

カテゴリー

アーカイブ

2025

9

1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30