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規制と文化

さて、本日はひょんなことから大手スーパーに行ったのだが、売れ線のコーナーにはレバ刺し風と銘打ったコンニャクの加工品が所狭しと並べられていた。ご存知の通りお上のお達しによって今月からユッケに続いてレバ刺しの提供が禁止されることになり、先月末は駆け込み需要で店も消費者もそこそこの盛り上がりを見せていた。

ところでこのレバ刺しほど大衆路線ではないが、米でもカリフォルニア州では「フォアグラ」の販売と製造を禁止する州法が今月から施行されている。動物愛護団体が喜びそうなネタだが、こんなフォアグラ路線と同類のモノとしては「フカヒレ」もペニンシュラあたりでは今年から既に提供を停止している。

とはいえこの手はインサイダーと一緒で無くなることはなく、一般的には加熱設備ひとつあれば焼きモノとしてユッケでもレバーでも何でも出せるし、こと一般以外でもカネを落とす一部の上客にはフォアグラだろうがフカヒレだろうがその手の名店なら要望を満たしてあげるのが暗黙の了解だろうか。

その辺は兎も角もこの手の基準とは何だろう?食も文化だけにこの辺はいろいろと深い問題のような気がする。


各々の行方

先月は度々LME(ロンドン金属取引所)について触れたが、その常識を超える破格の買収額と共に取引形態を巡ってもいろいろと憶測が先行している模様だ。まあこの辺は、常連中心に馴染みばかりが集っていた店をオーナーチェンジで広く一般に開放といったところだろうが、当の香港取引所は2015年1月まではLMEの既存の取引形態を維持するとしているもののまだまだ思惑が出てきそうだ。

さて、LMEと比較するに何ともローカルな話題だが取引形態といえば先週末の日経紙で「コメ先物市場の灯を消すな」と題した社説が業界モノとしてやはり目に留まった。鳴り物入りで登場したコメも関西に移り板寄せの道を歩んでゆくことになるワケだが、この先行きを憂慮する関係者は少なくない。

しかしコメだけを関西商取に映すその特異な移管形態もあって主管取引所での取引にこだわる農水省の市場監督権限へのしがみ付きと対で、一向に市場活性化策を講じないその姿に苦言を呈していたがこれはもうコメ登場以前から誰もが思っていたことで改めてこう真面目?に指摘されているのを見ると苦笑を禁じえない。

総合取引所関連法案でコメ先物は例外となり総合取引所が誕生してもこのコメ先物は加わらないことになったが、果たして来年の今頃はこの総合取引所、またこのコメの本上場の適否を巡ってどんな論議が紙面を賑わせているのだろうか。


GOING CONCERN 

さて、昨日まで株式市場では主力銘柄が気迷いだっただけにそれぞれ事情がある材料株の乱舞が目立っているが、そんな中に上場廃止が決定したセラーテムテクノロジーもあり今週は日計り勢のオモチャになっていた。同社の絡みでは当欄で一昨年から怪しいと指摘し今年の春先にも触れた事があったが果たしての退場という感じ。

さて、こんな裏上場モノでなくとも昨今の厳しい事情を反映し上場組でも所謂監査人が認めたイエローカード的企業群はまだまだ多い。今月初旬には東京商工リサーチが恒例の継続企業の前提に注記が付いた企業の集計を出していたが、今回は11年9月中間期の42社から2社減少となっており、うち12月12年3月期からの新規組は6社、残りは11年9月中間期からの継続組となった。

新規組の中では今年パンクしたエルピーダ関連が出てくるのは当然なところとして、業界からも上記の継続組に1社、そして今回発表された新規組に1社入っており他にも業界大手が筆頭株主となっている企業も登場したところが興味深い。一昔前と違って近年は再編の嵐で不採算部門への見直しが顕著、上記の通り大手が筆頭株主でもウカウカしている場合ではないということか。


期待先行

さて本日は移動中に東京スカイツリーの前を通ったのだが、ココが開業してからはや1ヵ月一寸経過した。先に書いた東京の新商業施設は何れも順調らしいがこのスカイツリーも先に東武鉄道では、展望台や付設する大型商業施設への来場者数が既に年間目標の2割弱にあたる550万人を超えたと発表している。

本体はもとより付設の東京ソラマチでも売上げが当初予想を上回る店舗が目立ち、サンリオ雑貨店は計画比で2.7倍、サンエー・インターナショナルが手がける婦人衣料品店も1.5倍で推移すると日経紙に出ていたが、当初期待された地元商店街は客が増えるどころか減ってしまったとも彼方此方報道されている。

この辺はロコとそうでないものとでその対象者へのビジネス形態が元から全く異なるところも起因しているのだろうが、肩透かしなのは関連株式も同様、筆頭の東武鉄道は開業後に年初来安値を更新し併設のソラマチ関連の株価低迷もまた然り、まさに本命は取れないといういい事例だが寧ろ商店街をスルーし浅草への流れを買うなら松屋あたりは好需給もあって本日も元気がいい。ちなみに5月の東京の百貨店売上高は前年同期比2.1%増、この松屋浅草店では同月の入店客数が19%増えている模様だが、今後もこの辺の流れには注視しておきたい。


またも英国の老舗が

本日の株式市場は円の高止まりから3日続落と弱い展開であったが、そんな中でもあの加藤氏関連モノで取り上げられたルックが暴騰、そうなると連想ゲームで筆頭株主のレナウンなんぞは低位の値頃もあって当然の人気再燃からこちらも揃って急騰となっていた。

さてこのレナウンといえば先週末の日経紙消費面にはお客様各位として、「日本のアクアスキュータムの大切なお客様が、ブランドの事業展開について、ご心配されていることから、わたくしが皆様にメッセージをお送りすることが必要であると考えました。」と事業展開が順調に進んでいる旨の広告が最高経営責任者名で載せてあった。

ご存知、「アクアキュータム」が経営破綻し法的管理の手続きに入ったと報じられたのはつい最近のことであったが、誰でも知っているトレンチの名門が経営破綻などまさに寝耳に水の話であった。しかし同じ英国系老舗ブランドの破綻では今も記憶に新しい2009年の「ウェッジウッド」もあったなと思い出すし、この2009年にはフランスのクリスチャン・ラクロワの債務不履行もまた記憶に新しいが、こんな事例を見るにつけブランドを襲う販売不振の世界共通の猛威を感じざるを得ない。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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