529ページ目

デフレ慣れ

さて、今週は金融緩和策が好感され株式市場も漸く一頃の資金が戻ってきたかにも感じるが、やはり金融緩和期待で真っ先に物色されたのは金融、不動産、ノンバンクといったところが目立った。

さてこんなところから、風が吹けば桶屋が・・ではないが斯様に金融緩和歓迎で株式活況ともなると富裕層消費の追い風になるとの読みとして、今週の日経紙マーケット面のチャート&データでは競売大手の米サザビーズなど高額消費株が反発している旨が出ていた。先に世界最大の高級ブランドグループ、モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトンが出した決算も過去最高を記録してはいたが、ここから更なる追い風ということになるか。

ところで上記の日経紙マーケット面チャート&データではこの高額消費銘柄と共に節約銘柄も載っていたが、海外では高額消費銘柄が節約銘柄よりはるかに上昇率が高いのに対し日本では依然としてデフレ銘柄の上昇率が高額消費銘柄よりも高くなっている。なるほどファーストリテイリングも昨日には年初来高値を更新していたし、トリドールも先週年初来高値を取ったばかりである。

依然としてデフレ銘柄は有望と見る向きが多いのはすっかりデフレに飼いならされてしまっているからなのか、この辺はこれだけ日本株式が最後尾で出遅れていても一寸上がってくるとすかさず空売りを浴びる傾向等からもそれが窺える。上記のファーストリテイリングも恒常的に逆日歩を発生させており、この辺も上げの原動力になっている構図というのもまた面白いところだ。


半官半民の処理法

さて、ここ大手紙の紙面を飾っているのは東京電力の公的管理に向けた最終攻防の件か。周知の通り1兆円の公的資金を資本注入する前提として、国が三分の二以上の議決権を得る事を視野に東電の経営権を掌握する是非が議論されているが、この辺を巡っては各所賛否両論が喧しい。

目下のところ経団連会長の「国有化はとんでもない勘違い」としているのに対し、経産相は経産相で「ならば経団連でカネを集めろ」と火花を散らし応酬、同友会代表などは「経産相の言い分も分かる」とやや政府側擁護の発言だが、最終的には期間を区切ってとの選択も已む無しとの声もある。

しかし、この東電もある意味こんな状況に及んでとんだ魔女狩りに使われてしまった感もある。確かに既得権益の絡んだ天下りのいうまでもなく悪しき巣窟企業だが、国が太鼓判を押した施設で事故が起こりそもそもこれまでの認可の経緯を考慮すれば、全てを既に経営破たんしている企業に押し付けるのは上記の経団連会長が言う「とんでもない勘違い」というのもあながち間違いといえなくもない。

株価の方も政府をバックにした支援の出方を巡って思惑で一喜一憂しているがこの手ではある部分エルピーダも然り、流動性相場が戻りつつあるマーケットでは暫くこれらをエサにオモチャにされそうな気配である。


バレンタインのアノマリー

本日は毎年恒例の「バレンタインデー」、今年も昨年に続いて平日であったがこの日が来ると何故か連想するのが春一番、まあ今年は立春を過ぎても寒さ厳しく下手すれば「ホワイトデー」あたりにズレ込みそうな気配で何時になるやらという感じだが、観測しなかった年を除けばほぼ一年おきのサイクルで当っているから面白いものだ。

さてチョコレートのほうは、今年も老舗百貨店など日本初登場となるロンドンの「ココマヤ」など投入したりで各社趣向を凝らしており、サブのジェラート系も買い物疲れで一服するレディのツボを刺激するブランドが近年増えてきたなとつくづく。傾向として昨年までは自分への褒美という色彩が強かったようだが、今年は昨年の世相を表す漢字「絆」などから身近な人向けの需要が多いとも聞く。

そうそう、春一番ではないがアノマリーといえばもう一つ、昨年も書いたがバレンタインデーには日経平均が上昇するというのがある。ちなみに昨年も上昇し約9ヵ月半ぶりとなる高値水準で取引を終了、そして本日もお約束の上昇を見せ、これまた昨年9/1以来5ヵ月半ぶりの高値で引けている。

アノマリー狂など、本日の引けは必ず高くなるとの信念で前場のマイナス圏はすべて買いだと冗談なのか本気なのか先物を漁っていたが、まあ結果オーライという感じか。一時の甘さを味わえただろうが、さて来年もまたアノマリーは健在だろうか。


使える商品

先週末の海外相場はメタル等全般弱かったものの、本日のTOCOMは金が小甘く緩む一方で、白金はしっかりで推移していた。さて、この白金といえば先週末の日経紙商品面には「白金、3ヶ月ぶり高値」として白金の国際価格が南アのストで騰勢を強めている旨が載っていた。また、最後の方には金と白金が昨年から一頃200ドル強の価格差となっていたものが、上記の通りここ最近の白金の上昇で現状70ドル程度まで縮まっている旨も書かれていた。

PGM系は昔からストラドルなどでよく多用されたものだが、トリプルAの急減やら何やら想定外が頻繁に起こるようになった昨今、アノマリーに期待を抱いての安易なエントリーで股裂きの憂き目に遭った向きも多いのではないかとも思うが、やはり基本的に主要株式指標を良く見ている向きはこのストラドルでも低リスクでそこそこおいしく利を収めているのが見受けられる。

先月も半ば頃の日経紙に「商品、強まる株価連動」と出ていたが、商品先物以外でも米株が12,000ドルの大台に乗って揉み合いのなか尚年初来安値を這い蹲っていたプラチナ系ETF等は国内で然程活況となっていないのが奏功?して暫くは美味しい拾い場を提供してくれていたものだし、例えば主力の自動車株の急激な戻り局面でも金法の売りを睨んでショートで臨む向きも居たと思うが、こんな時でもヘッジでこうしたETF系を使えば思惑違いの担がれ場面でも怪我が少なくて済むというもの。

金融商品の性格が濃くなってきて既に数年のコモディティーでは斯様に取引の多様化もあり格段に使える場面が多くなってきている。もう一つ、プラチナといえば主要非鉄金属を上場している上海先物取引所で、プラチナ先物の年内の取り扱い開始に向けて調査を進めている件も報じられておりこちらの方も併せて注目しておきたいところ。


東穀取の茶番と株主不満

さて、今週業界モノで報道が目立ったところではやはり迷走を極める東京穀物商品取引所の件だろうか?先月あたりから解散を含めた報道が目立つようになったが、もうここ数年散々茶番を見せられてきた側にしてみれば然程驚きもなく、寧ろ同所を取り巻く環境を鑑みれば自然な流れと見る向きは多い。

東穀取といえば毎月8日はコメ先物市場の日ということで、昨日の日経紙には「東京穀物商品取引所はコメ先物市場を通じて、日本の農業を支えていきます。」などと仰々しい広告が出ていたが、その数ページ後の商品欄には「コメ先物 浮上せず」、「東穀取、存続問題に」というタイトルで上場後半年のコメ先物の不振が書かれていた。なんとも絶妙なタイミングで載せてきたものだが、この二つを見た投機家ははてどう感じるだろうか?

昨年秋口には「週間ダイヤモンド」にて東穀取の社長が上場後早々に萎んできたコメ先物市場の言い訳として「〜10月になって限月が6本揃ってからが本番と考えて欲しい〜」としていたが、年も明けた本日の日中取引の出来高はちなみにたったの169枚であった。上場時に目標としていたのは5,000枚というが、今時粉飾企業でもこんな大風呂敷を広げるのは躊躇われるだろうし兎に角すごい感覚である。

ともあれその去就には「あらゆる選択肢を排除しない」としているものの、この日経紙記事の直ぐ下には、東工取と東穀取との間では「まったく接触ない」とも書いてある。この辺はご存知東工取は「日本取引所」にブラ下がるデリバティブ系に統合する路線で歩んでいるが、こんな記事を目にするとイヤでも関西商取が消去法で出てくるワケでこの期に及んでまだ?と呆れる感は増すばかり。皆に期待された大型商品であったが、天下り陣の既得権益の具にされていたとしたらそれこそかわいそうな商品、今後も同所の去就が厳しく注目されることになろう。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

カテゴリー

アーカイブ

2026

2

1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28