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ランチトレード

さて大証が「J-GATE」を稼動させ昼休みを廃止してから2週間が経過しようとしている。大証によれば、最初の週に売買された従来の昼休み時間帯のデリバティブ商品は5営業日合計で22万2,627単位とこの間に総出来高の7.4%にとどまった模様。

この昼休み廃止に関しては2/8付けの日経紙「まちかど」欄で、「ランチトレード」に期待として証券会社が会社員などの個人投資家が昼食時間中に携帯電話などで売買する「ランチタイムトレード」を当て込んでいる旨が書かれていた。昼休み中に先物が取引されれば、中国・上海市場などの動きを反映し易くなり後場の現物株も先物の影響を受け、現物・先物とも注文が増えるとの皮算用があるらしい。

しかしここ最近のマーケットは中東情勢を睨んでボラが出てきたとはいえ、まだまだ海外頼みで先物は独自でのトレンドを描きにくくなっているのは否めないところ。そんな事情で裁定抜きもより狭くなっているところへ、一般の個人がランチタイムに飛び込んで小遣い稼ぎをするのは容易ではあるまい。

それでもなんとか先物を知って貰おうと個人へ応援キャンペーンの類は各社いろいろと工夫している。一部の証券会社は期間限定で昼食時間帯の売買手数料ゼロを検討したり、キャッシュバックあり、ロスカット口座を導入したりと顧客争奪戦が活発になっているが、これが奏功して本当にリクイディティの一端を担うようになったらそこからが真の商機であると思う。


ご当地ETF登場

本日は、名証などが東海地域の主要50社の株価指数に連動するETF「MAXIS S&P東海上場投信」通称・東海ETFを上場した。このETFについては3日に当欄でも一寸触れたが、生憎の悪地合の中での登場とあって寄り天となってしまったものの、ブランド力のある自動車関連など含むだけあって売買代金は8億6千万円となかなかの商いを集めた。

地域貢献を謳い文句に「ご当地ファンド」なるものはこの中部地区でもトヨタグループファンドなどを始めとし全国に幾つもあったが、対象企業の所在地を限定し、地元企業の株価に連動するという所謂「ご当地ETF」というのは日本では初めてのタイプか。

さて名証といえば、先週末の日経紙「まちかど」欄で低迷続きの名古屋銘柄がにわかに活況との件が出ていた。昨年一年間の名証指数は10%安に沈んでいたが、ここにきてトヨタが業績予想を上方修正し自動車関連銘柄が買われたことが背景となり名証一部地元株指数は昨年末から14%上昇し、福岡(7%)、札幌(6%)を上回る伸びという。03年4月から07年7月の株高局面でも名証指数は2.6倍と日経平均の2.4倍を上回り、景気回復が鮮明になるほど、名古屋銘柄は上振れるという。

最近では数あるETFの中でも、コモディティーものなど突飛高したり息の長い上げ相場を演出しているものも出てきており上記の件と絡めなかなか侮れない部分がある。このETFは上記「ご当地ファンド」のように地銀などの販売網が存在しないだけにどの程度盛り上がるか未知数だが、ご当地モノの今後を示す試金石となるか注目したい。


拡大する再編の波

さて一週間前の月曜日には、週末にかけて入ってきたNYSE(ニューヨーク証券取引所)を擁するNYSEユーロネクストと欧州大手のドイツ取引所の合併協議の件を取り上げたが、先週末にはPTS(私設取引システム)大手の米BATS・グローバル・マーケッツが同業の欧州最大手チャイエックス・ヨーロッパを買収するとの報が飛び込んできた。

ところでこの上記のチャイエックスといえば、当欄でも昨年触れた通りで野村ホールディングスが34%出資している。国内を見れば同所の1月の売買代金が2,100億円と前月比で2倍に増えており、このPTS自体は7社合計でも5,300億円と前月比24%増と3ヶ月連続で過去最高を更新している。

今思えば当初でこそ数年前の出始めには限られた参加者の中でリクイディティーリスクなどが指摘されていたものだが、着実に伸びつつあるなと。国内だけ見ても上記の通り売買代金が過去最高を記録したとはいえ、この7社合計でも市場全体の株式売買の2%程度に過ぎないことから今後の伸びしろは大きいとされ、今後海外を後追いする可能性も出てきた。

ところで国内はさて置き、もともと今回のNYSEとドイツ取引所の合併の背景には近年の規制緩和からこうした新興の電子取引システムが台頭し、NYSEの上場銘柄が他市場で売買されるケースが目立ってきたことも一因。本来のマザーマーケットがデリバティブ等に軸足を移し始めたのを商機と見て一気に攻勢をかけてきたという感じで、こうした新興勢力と既存の取引所との覇権争いが活発になる中でこのPTSにも再編の波が広がってきた気配である。


J−GATE稼動

さて、今週の新しいものとしては大証の新売買システム「J−GATE」が稼動の運びとなり、併せて昼休みも廃止となっている。この「J−GATE」は注文処理の所要時間が従来の20分の1まで短縮、1秒間の処理件数が従来の15倍となる12,000件となる。初日の廃止した昼休みの時間帯の売買高は18,826枚であった模様だが、一部証券会社の中にはシステム不具合から障害が出た模様だ。

今回変わった取引ルールとしては、既にTOCOMなどではお馴染みな(FAS)・(FAK)・(FOK)などの執行条件が付加されるほか、ミニの限月増加、OPの呼値縮小等があるが、寄り前や引けの付け合せも変更になった。従来の発注時間の早さによって優先度に差が付かないルールから、新システムは発注が早いほど約定し易い時間優先原則を導入、当然高性能システムを擁する大手証券などが有利になるワケで、中堅証券などは大証での自己売買から撤退するとの声も聞かれる。

先月に中堅証券上場6社が発表した2010年4-12月期決算速報では、最終損益は4社が赤字、2社が前年同期比で大幅減益であると報じられている。黒字の2社でも純利益がそれぞれ大幅減となっており、膨大なITコスト対策もまた新たな悩みの種か。

一方、個人としても東証のアローヘッド稼動後の弊害?と同様に1ティック狙いのトレードは困難になろうか。上記執行条件の(FAK)や(FOK)等の入り具合では瞬時に板の景色が様変わりするであろうし、初日のイブニングなど見ていても一部では板がスカスカになる局面があり思わぬ値が出ないとは限らないだろう。

今回の新システムは立会場時代の名残ともいえる複雑な取引ルールを撤廃、グローバル標準の新売買システムのメリット拡大が謳い文句だが、今後も昼休み廃止に続いて夏場にはデリバティブのイブニングも現行から更に延長が予定されている。更なる攻めのサービス戦略が奏功することになるかどうか今後も引続き注目してゆきたい。


対日M&A

さて、今週に内閣府が発表した2010年の日本のGDP実額は、年間を通じて初めて中国の名目GDPを下回った。1968年以来、日本は米国に次ぐ世界第2位の経済規模を保ってきたが、とうとうその座を中国に明け渡した格好になった。

このGDPは既に大方予想されていた事だが済成長はやはり著しい。GDP逆転だけでなく斯様な背景で拡張するチャイナマネーも近年日本株投資の他、企業買収等へ振り向けられている。年末には中国系と見られる2つの投資ファンドが、日本の所謂「01銘柄」等を始めとした一部上場85社で10位以内の大株主となっていた事が判明している。

また中国企業による日本企業のM&Aも増加、平成22年の件数は年末の段階で前年度比約42%増の37件、ここ4年で2.2倍になった旨が報じられている。これに関連した件では2/12付け日経紙夕刊一面で、中国の大手会計事務所「信永中和」が日本に会計監査の拠点を設置する旨が報じられていたが、こうした中国系の監査法人が国内に設置されるのは初めてという。

日本企業の対中投資等のサポートもあるだろうが、この辺の動きは当然上記のような対日M&Aを睨んでのものだろう。積極化するチャイナマネーの旺盛な海外投資意欲を受けて、この手のグローバルな会計ネットワークが今後広がる可能性があると同紙では指摘しているが、ファンドの動向等併せてますます目が離せない。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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