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CDSに見る日本のレピュテーション

本日の株式市場では今日24日の米公聴会に社長が出席するトヨタが続落となっていたのが目立った。なんでもこの公聴会、宣誓証言で偽りの答弁が発覚した場合、偽証罪に問われることもあるというから穏やかでない。誠心誠意お話したいと日本を発った社長だが、謝罪の文化が違うだけに日本流では通用しなさそうな雰囲気もある。

このトヨタ、CDS市場では今月に入ってからプレミアムが100ポイントを超え、こうした問題を受けてかなど代表的指数の値が昨年のあのドバイ・ショック以来の高水準に達している。ちなみに本日も同社のそれはワイド化し、再度の100ポイント超えを示現である。

しかし上記の通り、キャッシュリッチと長年言われてきたトヨタが100ポイント超えのプレミアムでは実に日本のソブリンをも上回るという異常事態?この日本ソブリンとて件のPIIGS財政悪化に対する危機感が強まった影響でワイド化してきたものだが、日本の象徴ともいわれている代表企業が、いまやリコールの嵐では共倒れという感もある。

週末だったか日経の大機小機で、このグローバル企業であるトヨタのリコール問題や日本航空の破綻やらで日本のレピュテーションが急速に傷付きつつある旨が書いてあった記憶があるが、CDS市場からもこうした負の連鎖が起きており日経平均との絡みにおいても日本、そしてその代表企業の行方が注目される。


SOと平成の脱税王

さて、平成22年3月期決算から一億円以上の報酬を受け取った上場企業役員の個人名と金額の公表を義務付ける金融庁の方針に経済界が反発を強めているらしいが、この報酬額の中にはSO(ストックオプション)なども当然含まれてくる。

ところでこのSOだが、最近特に目立つのはこれで得た所得の申告漏れやら隠蔽やらといった事が明るみになる事例である。ここ一週間でもクレディ・スイスの社員や元部長から始まって、医薬品のジョンソン・エンド・ジョンソンの元代表、また昨日の日経紙にはシティバンクの元幹部がこれで脱税と在日外資系がゾロゾロ出て来る。

問題になった外資系でなくとも日本企業でもSOといえば全株主にSOを付与した企業があったり、業界でもFX会社がこれを付与している企業が幾つか、そういえば商品取引員でも取締役にこれを付与したところが数年前にあったなとも思い出すものだ。

SO行使の税金に関しては証券外務員試験でもよく出題される事例だが、この連中あちこちのPBに飛ばし巧みに遣り繰りした努力も買うが、それを掴んだ国税もなかなか手強いなと。折しも今は確定申告の真っ最中、しかしまあこの確定申告を呼び掛ける一国の首相は贈与税不払い問題で国会追求され、また某幹事長も然り、まったくこれでは税金を真面目に収めるのもバカバカしくなってくるというものだ。


メダルと株価(冬季編)

さて、バンクーバーオリンピックもほぼ中盤、宴酣で連日その活躍ぶりが報道されているが、先週の日経紙マーケット面の「まちがど」ではメダリストとなった選手が所属する企業の株価が商いを伴って上昇した旨が載っていた。

また、メダルの獲得数が増えるほど五輪期間中の日経平均株価の上昇率が高まる経験則もあるとの解説が載っていたが、この辺はたしか先の北京オリンピックの際に当欄でも外資系証券が出したメダル獲得数と相関性が高い旨のリポートに触れた事を思い出す。

今回は前出の外資系証券ではなく、行動ファイナンス理論でいろいろ事例を挙げる大和CMあたりのを見てみると、東証再開以来の計測でメダル0個の時の開催期間騰落率は平均で−1.01%、1個では0.77%、そして2〜3個では4.42%となるほど上昇率が高まる結果となっている。と、ここまではよいがそれ以上のメダル獲得では逆にマイナスとなっており、これについてはバブル崩壊後の金融システム不安等の材料が大き過ぎたとの解説であった。

同リポートでは日本人選手の活躍が国民に勇気や自信を与え、人々の心理にポジティブに作用するとの事だが、まあ物は云い様というかサンプルの取り方如何か。今回はいろいろケチが付く場面も見掛けるが、団長としては過去最多であった長野を越える目標と抱負を語っている。前回は金一個が光っていたが、さて今回は如何なる結果になりますか。


融合への一歩

今週は特に業界モノで気になったイベント?といえば、週明けに(国内金先物価格連動型上場投信)と(日経・東工取白金指数上場投信)がはれて大証に新規上場した件だろうか。これらのETF、国内の商品市場に直接連動するモノとしては初めてとなり金ETFはみずほ投信投資顧問、白金指数ETFの方は野村アセットマネジメントの設定というもの。

注目の初日売買代金はその出来高から算出して金ETFが約460万円、白金指数ETFは約1,000万円と静かな滑り出しとなったが、これで一般向けには視覚的に馴染み易い取引値のものが大証内でも現物と先物二本が並ぶ事となり、東証まで見ると金関連では全部で4本、白金関連も複数並ぶ事となり、選択肢が広がった分、人気の優劣も出てこようか。

ところでこの(NEXT FUNDS)の類では、コモディティーと同じカテゴリーに並ぶ野村アセットマネジメントが設定したBRICSなど新興国の通貨連動型もあったが、これらはちょうど今週でヒッソリと上場廃止になっている。要の機関投資家が旨みの乏しさから見切りをつけリンク債手当てに支障が出てきたのが理由と見られるが、怪しげな新興企業?の如く上場して実質一年強で償還となるスピード上場廃止である。

まあ、ロクなリクイディティーも無い上場商品を何時までもダラダラと上場させておく何処かよりも遥かにマシだが、そうした事例も踏まえてこうした初物もそんな事態にならぬよう願うばかり。

それどころかこの手の初物は他の先物商品まで道が開けるかの試金石。兎にも角にも今後はどれだけ資金を呼び込み、またリクイディティを確保できるかに架かっているといえようか。


相次ぐ破談

昨日は三井住友銀行に触れたが、この三井といえば昨年の9月には「互いの温度差」として、三井住友FGと大和証が合弁解消へ向かった件を書いたものだが、こうした金融系の破談報道では直近で新生銀行とあおぞら銀行もなにやら縁談に暗雲漂う旨の報道がなされている。もう一つ直近で縁談がマルになって紙面を賑わせていたのが金融系ではないが、キリンとサントリーの経営統合を断念するとした?婚約解消?報道である。

上記の三井住友FGと大和証の時も、三井住友FGが日興の事業を買収した段階で早々に彼らは別れると囁かれていたものだが、この件も統合比率やら透明性やらの前段階であまりにも相違があるその企業風土ゆえ、年末あたりから関係者の間では既に破談状態である旨が囁かれていたが果たしてかなという感じか。

今回のケースではよくある弱者同士とか呑込み型というパターンではなく、共に勝ち組同士の縁談であり、メジャーを睨んでという観点からもケースとして期待されていただけにまたも外資勢との競争力格差拡大が懸念され残念でもある。

さてこれで国内の勝ち組同士の縁談話がもうなくなってしまうのか否かだが、マーケットのパイを鑑みた場合縮小懸念が燻るなかで選択肢として再編は不可欠、何れまた興味のある婚約話が舞い込むかもしれずこの辺に期待したいところ。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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