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一億枚達成

昨日に大証が発表したところによると、今年1月からの合計取引高が同日段階で1億61万5,331単位に達し、平成19年から3年連続で1億単位を超えた模様。

この1億単位といえば昨年の9月上旬にもこの辺に触れた事があり、当時9月に1億単位超えとなった時は一昨年よりも3ヶ月早くこれを更新した旨をコメントしたものだが、今年の場合は半月早くこの1億単位を達成した事になる。

同所としてはジャスダックとヘラクレスの市場統合を目先に、この主力のデリバティブについては新売買システム導入を平成23年の1-3月期に24時間取引も絡めて視野に入れており、この辺の絡みではTOCOMのOMXと同システムなだけに提携に関しても思惑が募るところか。

このデリバティブ取引増加の恩恵で先の3月期営業収益、最終利益共に上方修正から増配とした大証だが、配当といえば数年前は数百億円にも上る大量の利益余剰金を炙り出そうとしてあの村上ファンドが大量保有報告を出しストップ高に沸いていた頃がはや懐かしい感じがする。


自己否定と空洞化

本日もオフィス街の食事処などはまだ休みのところも多く、雑踏が戻る前の束の間の閑散具合が心地よい。さて、週末の日経紙には上場する7取引員の4-6月期決算が週末に出揃い、うち6社が減収、全社が経常赤字になった旨が出ていたがこうした決算表もなにかこう恒常化してきた感もある。

取引所総売買高の右肩下がりのグラフも彼方此方で見せられ06、07年度などマーケットを機能・維持・継続する為の最低限の流動性を確保するか否かのデッド・ラインに入ってきたと散々云われた物だが、更に蝋燭のようなグラフのバーが溶けてゆく中を取引所としては粛々と自己都合の迷走を繰り返している。

企業としてもスリム化はもう限界で、これ以上の縮小は収益を上げなければならない営利企業として不可能なレベルと云う悲痛な叫びが彼方此方に聞こえてもう久しいが、これとて意外?にも業界としての形が残ったまま各方面で存在が継続されているという妙な均衡がある点が別な部分で凄い。

同紙には収益確保、地道な取組と枝葉模索の動きが一部載っていたが、経営もキレイゴトを言っている向きは商売下手と業界に蔓延していた時代がはや懐かしい。専業の枠でディールに活路を見出したい処もあるがこちらも純資産額規制の壁が立ちはだかる向きあり、まあゆくゆくはこれも自己資本規制比率へと言葉を変えてゆくのかもだが、昨日の日経紙一面「新たな利益・開拓急ぐ」の所「自己否定の覚悟」というのが載っていたが、次なるステージを見据えてこの辺を受け入れられる向きがはたして如何ほど居るであろうか。


政策としてのバブル

さて、お盆休みで夏枯れといわれる割にはそこそこ商いも出来て本日は反発している日経平均株価であるが、今週は連日年初来高値を更新する展開で心理的なフシ目に過ぎないながら昨年10月以来の10,500円乗せとかで市場は沸いていた。

強弱間対立もありチキンレース論も一部に出ているが、依然として前に挙げた主力の環境関連などは連日に亘り高水準の商いを保っている。そうそう環境関連と云えばその設定当日に挙げた投信の一つ、「野村RCMグリーンテクノロジーファンド」は先月末で残高は560億円に上った模様、また春先から日興コーディアル証券が売り出した「日興グリーン・ニューディール・ファンド」の残高は同じく7月末で約1,000億円にのぼり販売上限を引上げるまでになっている。

当欄では6月に「次は環境バブルか」として触れた件が、先週末の日経夕刊では90年代末のエコファンドブームを振り返り警鐘を鳴らす指摘で一部載っていたが、国策の一つとして煽っている場合は少なくとも初動に乗った向きを回転させてあげないと目的のバブルも醸造しないわけで、危機の収束の次の立ち直りではこれらの構築から膨張の繰り返し作業は必須ともいえるか。

前にも挙げた金融界の起死回生も絡めて、人とカネが存在する限り演出があればバブルが膨張してゆくのは不可避なわけで、そのテーマが大きいほど政策としての魅力も大きく着々と仕込みが行われることで修復作業は進行してゆくし、そうしたうちはEXITはこと一般には見えないのものだ。


無いもの強請りの継続性

本日の日経紙一面には大手商社が希少金属、エコカー用確保と出ていたが、レアメタル含む所謂レア・アースは現状世界生産の97%を中国が占めている。一国に偏向という点では南アが生産する白金のそれ以上にものぼるが、バッテリーなどの二次電池の用で不可欠なもので現在代替可能な物が存在しなくその依存度が脅威ともなっている。

しかしこのエコカー、最近では街中で一般に限らずタクシーから公用車まで本当によく走っているが、直近では新型プリウスに注文が殺到したとえ休日稼動してのフル生産体制を取ったとしても今からの注文分は補助金の対象期限までに納車が間に合わない云々が問題になったばかり。尚、これに関しては当の経産省も補助金対象期間の延長は考えていないという。

一部で懸念されるのは、足元で上記の政府支援を刈り取る形で待機消費者群が前倒しで購入しているパタ−ンであれば、この支援がストップしまた一巡感の出たところで販売ペースを維持出来るかどうかが未知数ともいわれる点やその利益率の問題とか。

全体で見ればエコカーなど今年の6月に一度触れた通り技術革新の分野で大きなウネリを創造してゆくだろうが、個別では上記のように基材の一国依存体質、また以前書いた税制の変化に伴う舵取り、個々の収益構造含め各々のその舵取りが今後注目されてゆく事になるか。


広告と世相

昨日は電通の09年4-6月期連結決算が発表されたが、企業広告の急減が直撃し営業利益が70.9%減少の13億円と大幅な減収減益となっていた。それもそのはず報道されているもので、昨今の景気悪化の影響で昨年の国内総広告費は前年比で約5%ほど減って5年ぶりに減少したとか。

そういえば電車に乗っても心なしかスペースが目立つように感じた時期もあったが、以前に読売紙が報じていたところによるとこのうち交通広告費は前年比で約4%減ったとの事、なんでも07年まで5年連続で増加していたが中吊り広告の減少が響いた結果6年ぶりに減少に転じたらしい。

ところで広告は世相を反映するものが多いというが、昨年面白いなと思ったのは大手塾の広告にあった某中学の入試問題で「原油価格の高騰が続けば生活にどんな影響が出るか、またそれに対してあなたはどのような対策を講じるのか具体的に説明しなさい」といった旨が出ていたのを思いだすが、商品総値上げを逆手に取る形でチケットの値下げを断行しましたというシアターあり、株が暗かった年末には?蕪?の絵を挿して「株の時代は終った・・・牛の時代が始まった」というようなモノも・・

しかし入試まで模範解答でエコに関連付けが為される等、より世相を問う件に変遷しつつあるモノもあって面白い。現状、各方面の復活期になる過程で今年はどんなモノが出て来るであろうか?


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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