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NEO納豆

本日のTBS系「マツコの知らない世界」では納豆が取り上げられていたが、確かに最近では納豆も趣向を凝らしたものが増えてきたように感じる。番組中でも老舗の塩麹の納豆、流行りのSNS映えしそうな女性プロデュースの納豆バター、昔JALのCAからよくいただいたドライなっとうを彷彿させる乾燥納豆等々いろいろ紹介されていた。

実際にこんなバラエティー番組で取り上げられるくらいであるから売れ行きの方も好調となっており、全国納豆協同組合連合会によると昨年の市場規模は過去最高の約2,140億円となり、食べる頻度が増えた人は25%、7割が豊富な栄養を理由に挙げているという旨を日経紙でも見かけた事がある。

またぞろフードファディズムなのかその手とは異質なものなのか、この手の健康食品ブームというとかつては紅茶キノコから始まり、寒天、ヨーグルト、チョコレート、そしてこの納豆もかつては盛り上がった時期があったが斯様なサイクルはいまだ形を変えて続いている。


買収さまざま

さて先週の日経紙にはSGX(シンガポール取引所)が値動きの大きいレバレッジ型のデリバティブを上場し、また昨年買収した英バルチック海運取引所もテコに海運関連の新規デリバティブ商品の開発も進めている旨の記事を見掛けたが、最近またぞろ取引所関係の記事を同紙で目にする機会が多くなってきた。

上記のSGXは英バルチック海運取引所を買収、そして同じアジア勢では香港取引所が英のLME(ロンドン金属取引所)を買収しているが、こちらの方はLMEの売買低迷が足を引っ張る格好で約2000億円を投じた割に買収効果が思うように上がっていない旨も見掛けた。

アジア勢といえばもう一つ、CHX(米シカゴ証券取引所)の買収に向け意欲を燃やしていた中国の重慶財信企業集団率いる中国投資家グループであったが、議会メンバーから反対意見が上がりその行方が注目されていた件でSEC(米証券取引員会)はこの買収についての承認採決を延期する旨の発表で中国資本による初の米取引所買収は阻止された格好になった。

斯様な買収劇の背景にはアジア経済の成長が続くなかで各々取引所間の競争が激化している事があるが中には当初描いていた青写真通りに事が進まぬケースや、やはり規制当局の壁が高く立ちはだかり国を越えた合併など一筋縄ではゆかぬケースなど依然として多いのが現状である。


寿命ある株式

さて、今週は先週起きた個人の価値を仮想株式として売買する「VALU」を巡る騒動が週初から話題になっていた。事は著名ユーチューバーがツイッター上で意味深なリップサービスを表明、仮想株式が急騰したところでこのユーチューバーはじめ取り巻きの関係者連中がこれに合せ保有仮想株を売り抜け、優待を仄めかすコメントも消去し抜け殻となった仮想株は暴落の憂き目に遭ったというもの。

このVALU、約2ヵ月ほど前から始まっているサービスだが、例えばアーティストなど資金が必要な個人が自身の価値を売る事で資金調達が可能となり、出資者もこの人物から優待を受けたりまた有名になるに連れ価値も上昇し、インカムゲインだけでなくキャピタルゲインも得られるというなるほど双方にマッチしたサービスである。

とはいえこれまた黎明期に付き物の上記のような事件も勃発するワケで、一昔前の株式詐欺で広義で篭脱けの類ともいえこれが株式だったら間違いなく犯罪となるところだが、如何せんVALUはビットコインを使う仮想株式と金商法の対象でない為に相場操縦やインサイダー取引を規制出来ないところが抜け穴となっている。

近年のテクノロジーの進化でビットコインなども含めて今迄想像出来なかったようなサービスや商品が出現してきているが、今回のようなわずか1週間以内で起きた事件も踏まえ早急な利用者保護の為のルール作りが社会を変えてゆく前に必要になる最優先課題となってくるのではないだろうか。


寄付失速

本日の日経紙総合面には「ふるさと納税バブル崩壊」と題して、総務省が高額返礼品で獲得に走っていた話題を呼んだ自治体に対して待ったをかけた効果が出て一時の過熱感が一服するなど転機を迎えているさまが書いてあった。

この手の記事では必ずといっていいほど登場する宮崎県都城市であるが先月は前年同期の三分の一に失速したという。かつてトップが寄付額の9割ぐらいの返礼品でもよいと思っている旨の発言をTVで見た事があったが、お上の御達しが出ると逸早くこれまでの半分にカットするなど聞き分けがよかったのは意外でもあった。

そういった一方で還元率5割を誇る草津温泉や北海道の人口減対策の為の還元率5割の航空券、またモノでは志摩の真珠や福岡の家具、山形のノートパソコンなどはこの御達しをそのまま受け入れるつもりはないとしているところは筋が通っていて気持ちがよい。改めて資産性や高額なモノとの一括りでおふれを出してしまう愚策が浮き彫りになるいというもの。

現状ではふるさと納税バブルに踊った自治体の寄付額減少のみがクローズアップされているが、前にも記したように納税に対する返礼品バブルに乗って受注を捌くべくマンパワー不足から雇用を増やし、また設備投資も拡大させてきた関連の中小企業の問題も今後出てくる可能性もないわけではないか。


PCR7年ぶり高水準

本日も日経平均は北朝鮮情勢など外部環境の不透明感が続いての続落となりこれで5日続落となったものの、ジリジリとした下値切り下げ型で売られ過ぎ感が意識され辛い形での調整となっている。こうした北朝鮮を巡る地政学リスクはCDS市場でも重荷になっており、代表的指数であるアイ・トラックス・ジャパンは約4ヵ月ぶり水準まで上昇した旨が今日の日経紙にも載っていた。

為替も当然ながらこの辺の影響を受けており4月以来の108円台を舐めに行く場面も見られるようになったが、日米金利差への感応度合も前回の下落局面から高まっている旨を指摘する向きもあり、シカゴの通貨先物の円ショートポジションの大きさからその巻き戻しを警戒する向きも多い。

斯様な不透明感を背景に先週末のプット・コール・レシオは先週末に1.41と約7年ぶりの高水準となった旨が日経紙にも出ていたが、プットの買い手は国内生保や海外年金系等の模様でまたETFでもインバース型の売買が増加してきている様を見るにまた今月あたまに見られた下落への備え的なものが窺える。


夏の長雨

さて今年もお盆が終って街中にはいつもの人混みが戻ってきたが、先週末も関東地方各地を雷雨が襲い花火大会など中止に追い込まれたり、停電も発生した模様で今年は40年ぶりとなる記録的な長雨を背景にレジャー関連が冷や水を浴びせられる憂き目に遭っている光景が各地で見られる年となった。

上記のイベント関係のみならず都内の家族向けのプールなど閑散模様が目立ち、大手処はいずれも今月一番の掻き入れ期間の来場者数が前年同期比で軒並み30%〜40%減少となった模様。斯様な明暗は株価にも表れ東京サマーランドを擁する東京都競馬の株価は今月に入ってから軟調推移が続く一方で、対照的に屋内レジャーの位置付けを持つ東映は先週には年初来高値を更新してきている。

レジャーのみならず今後は野菜等の高騰も気になるところでやはり当然のことながら暑い時期には暑く、寒い時期には寒くなければ経済効果も望めないというものだが、年を追うごとに予測不能な天候事情が多くなる様を見るにつけ天候デリバティブ関連の商品開発は商機でもありもっと選択肢が増加して然るべきであると思う次第。


目的別アンティーク

さて、今週あたまの日経紙には「希少コイン 人気の怪」と題して、値上がり益の期待やはたまた取引記録が残らず第三者から見えにくいという特殊性からの資産隠し等も含め100年以上前に欧州などで発行されたアンティークコインの人気が高まっている旨の記事があった。

アンティークの並びで値上がり益の部分に焦点を当てて論じれば同じステージに挙がってくるものとしてはアートや自動車、ワイン等も応分のパフォーマンスを上げ注目されてきてはいるものの、こと資産を補足されたくない向きに以前から安定した人気なのが上記のアンティークコイン、そして切手の類だろうか。

いずれも足跡が付き難く売買実態が見え難い上に何と言っても運ぶのが容易な点がひと際存在意義を際立たせているというものだが、それにしても週明けに取り上げたビットコインが最新通貨ならその対をゆく格好のアンティークコイン、デジタル通貨が代替資産人気で暴騰する一方でこうした現物資産なる対極通貨が同時人気を博しているさまは一見カオスのようだがその実今の時世を如実に表しているか。


GIの行方

さて、パスタ等に使う粉チーズが切れてしまい近所の某スーパーでブラブラと物色していたら、暫く目にしなかったお気に入りのパルミジャーノの粉チーズが入荷しておりつい余計に買ってしまった。これは所謂よく見るパルメザンの類とは全く違い、知人の家で出逢って以降他のものはなかなか受け入れ難くなっている。

ところで以前の当欄で日欧EPA締結について書いた事があったが、このパルメザンチーズなどすっかり商品名として定着してしまっているものの、中身はといえばアメリカ製という事でゆくゆくはこの名前も使用するのが危うくなるという事になる。イタリアのパルミジャーノに限らずフランスのカマンベールもまた然り。

そ互いの市場で「〜風」「〜スタイル」といった表記で売られる類似品を排除という事になると、それこそレストランのメニュー表記にまでケチがつきそうだが、欧州では神戸ビーフを謳う偽物肉が出回る現状を見るにつけ何とも複雑なところ。今秋に最終案を固めるという事だが米などの出方含め今後の関係協議会等の動きにも注目しておきたい。


IPOならぬICO

昨日は4,000ドルを超えた仮想通貨ビットコインについて触れたが、昨日の日経紙には「仮想コインで資金調達急造」と題して、企業が株ではなく独自の仮想コインを新規発行して個人投資家など買い手を募るICO(イニシャル・コイン・オファリング)と呼ぶ資金調達が欧米アジアで急増している旨が載っていた。

ICOで発行するコインに価値を持たせる仕組みは発行企業によって千差万別だが、SECなどは先月に同コインは条件によっては有価証券に該当し投資家保護を念頭に規制対象にすると宣言、シンガポール中央銀行もこれに続いて同様の声明を発表している模様だ。

このICOに関してはテックビューロ社がブロックチェーンの新プラットフォームであるCOMSAの開発にあたり10月2日からICOが行われる予定。このテックビューロは非上場ながら、COMSAを使ったICOとしては東証二部に上場しているプレミアムウォーターホールディングスもこの後に上場企業初のIOCを実施する予定となっている。

これを好感して同社株は今月の上旬には二日連続のストップ高を演じて年初来高値を更新していたが、斯様な資金調達も相場に影響を与えるに充分な材料となり得るのを証明した格好になっている。


有事の受け皿の幅

先週からまたぞろ挑発合戦が繰り広げられる展開になっている米朝関係の緊迫化を嫌気して連休明け本日の日経平均は大幅に4日続落となったが、為替の方もCFTCの円の売り持ち高が約2年ぶりとなるなか、安全資産とされる円がNY市場では一時108円台まで大幅高する場面もあった。

ところでこうしたリスク回避による資金逃避の受け皿になっているのは何も上記の円に限った事ではなくビットコインもまた然り、つい先月には処理改善策を巡る対立による分裂騒動が嫌気され一時は2,000ドル台割れまで売られたビットコインであったが、昨日未明には初めて遂に4,000ドルの大台を超えてきている。

投資家層の広がりを考慮すれば今や時価総額も600億ドルを突破してきているこの市場に株式や債券等から有事の代替資産として資金が流入してくるのも頷けるが、有事に反応する定番の金でさえ上昇したといはいえ約5%そこそこ、一方のビットコインは100%ともはや先の価格逆転の話題が遠い昔のようにも思えてくる。


二部の池に鯨

本日の日経紙一面には「東芝決算 限定付き適正」と題して、昨日にPWCあらた監査法人が東芝の2017年3月期の有価証券報告書につく監査意見について「限定付き適正」とする方針を示した事が明らかになり、これで一先ずは決算の監査を巡っての同社株の上場廃止懸念は一先ずのところ後退という形になった。

ところで東芝といえば今月に入ってからポストは二部に指定替えとなっているが、東証二部創設以前から上場していた歴史を持つ同社からすれば債務超過の背景があるとはいえ屈辱だろう。同じ一部6000番台の主力を担っていたシャープも都落ちしたものの鴻海のメスが入り一部復帰を目指しているが、過去10年程度を見てみれば一部に復帰出来たのはオリコしか見当たらないのが現状。

また二部の特性上、その不釣り合いなボディーが入って来た事で上記のシャープと東芝の二社だけでその時価総額は二部市場の3割を占めるに至り、刻み値も変更になる事も併せ指数そのものが今後歪んでくる可能性も否めない。上記の報を受けて本日の同社株は寄り直後こそ大幅続伸となったものの、あと値を削り引けでは小幅続伸にとどまった様は債務超過含め同社株にまだまだ燻る懸念を如実に表していると言えようか。


異例の三度目

さて、先週末に大阪堂島商品取引所は総会を開き農林水産省にコメ先物取引の試験上場延長を申請していたが、2回目の延長期限が終了となる昨日農林水産省はこの試験上場について2年の延長を認可することとなった。

これで最後とも言えた本上場申請後の自民党プロジェクトチームの会合では、果たしてというか農林族政治家等の守旧派の反対が強く本上場認められずとの結論に至った背景があったのだが、しかし試験上場なる仮免許ともいえる期間が8年にも及ぶモノはそうそう無いがまさかの3回戦に突入である。

大阪堂島商品取引所としても市場の継続性を担保したいとの判断からの再延長申請となったのだろうが、守旧派の壁を崩せるに足る会員の顔ぶれや充分な取引高実績はやはり焦眉の急となっておりともあれ今後2年でどうそれらを積み上げてゆくかが本上場のキーとなってくるか。