買収さまざま
さて先週の日経紙にはSGX(シンガポール取引所)が値動きの大きいレバレッジ型のデリバティブを上場し、また昨年買収した英バルチック海運取引所もテコに海運関連の新規デリバティブ商品の開発も進めている旨の記事を見掛けたが、最近またぞろ取引所関係の記事を同紙で目にする機会が多くなってきた。
上記のSGXは英バルチック海運取引所を買収、そして同じアジア勢では香港取引所が英のLME(ロンドン金属取引所)を買収しているが、こちらの方はLMEの売買低迷が足を引っ張る格好で約2000億円を投じた割に買収効果が思うように上がっていない旨も見掛けた。
アジア勢といえばもう一つ、CHX(米シカゴ証券取引所)の買収に向け意欲を燃やしていた中国の重慶財信企業集団率いる中国投資家グループであったが、議会メンバーから反対意見が上がりその行方が注目されていた件でSEC(米証券取引員会)はこの買収についての承認採決を延期する旨の発表で中国資本による初の米取引所買収は阻止された格好になった。
斯様な買収劇の背景にはアジア経済の成長が続くなかで各々取引所間の競争が激化している事があるが中には当初描いていた青写真通りに事が進まぬケースや、やはり規制当局の壁が高く立ちはだかり国を越えた合併など一筋縄ではゆかぬケースなど依然として多いのが現状である。