二部の池に鯨
本日の日経紙一面には「東芝決算 限定付き適正」と題して、昨日にPWCあらた監査法人が東芝の2017年3月期の有価証券報告書につく監査意見について「限定付き適正」とする方針を示した事が明らかになり、これで一先ずは決算の監査を巡っての同社株の上場廃止懸念は一先ずのところ後退という形になった。
ところで東芝といえば今月に入ってからポストは二部に指定替えとなっているが、東証二部創設以前から上場していた歴史を持つ同社からすれば債務超過の背景があるとはいえ屈辱だろう。同じ一部6000番台の主力を担っていたシャープも都落ちしたものの鴻海のメスが入り一部復帰を目指しているが、過去10年程度を見てみれば一部に復帰出来たのはオリコしか見当たらないのが現状。
また二部の特性上、その不釣り合いなボディーが入って来た事で上記のシャープと東芝の二社だけでその時価総額は二部市場の3割を占めるに至り、刻み値も変更になる事も併せ指数そのものが今後歪んでくる可能性も否めない。上記の報を受けて本日の同社株は寄り直後こそ大幅続伸となったものの、あと値を削り引けでは小幅続伸にとどまった様は債務超過含め同社株にまだまだ燻る懸念を如実に表していると言えようか。