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未曾有ゾーン

世界が大注目した米大統領選だったが、周知の通りトランプ氏がクリントン氏との大接戦を制することとなった。しかし、世界が注目する大イベントといえばブレグジットの時もまさか離脱が現実のものになるとは誰もが想像していなかったものだったが、今回の大統領選も同様な構図であろう。

昨日のマーケットもこれを映し日経紙マーケット面で株安を警戒する動きからまとまった買いが入ったと書いてあった16,000円プットは、寄り付きの15円からトランプ氏優勢が喧伝された昼過ぎには205円まで暴騰。ディープアウトの14,000円台の行使価格も寄り付きの1円、2円から昼前には10倍〜15倍まで化けるのだから毎度イベントで勝負に出る向きはこの中毒からなかなか逃れられないのも理解できる。

ところで勝負と言えば前回のブレグジットでは英ブックメーカーの多くが大きな損失を被った模様が報道されていたが、アイルランドのバディーパワーは、既に先月から今回の投票を待たずクリントン候補に賭けた利用者に総額100万ドル以上の賞金を支払い始めていたというが、今回賭けには既に200億円近くが集まっている模様でこの辺はどう処理するのだろうか?

まあその辺は兎も角も、本日のマーケットは悪夢再来?の昨日から一転して今年最大の上げ幅で急反発とまさに「往って来い」となり、上記の16,000円プットも本日の寄り付きは2円と冗談のような紙クズ価格に。往って来いで往復ビンタを食らった向きも少なくはないのではと思うが、いよいよ未曾有の世界が始まる事になる。


密輸熱

大注目された米大統領選に関してはまた明日触れたいが、本日はトランプ氏当確との見方ら株式急落の一方でETFはSPDR始め三菱UFJ純金やETFSまで金関連が一斉高となった。ところで金といえば先週末には財務省が今年6月までの一年間に全国の税関が金の密輸で罰金や刑事告発等の処分件数が、前年同期の1.7倍に上ったと発表している。

これに絡んでは約一年ほど前に韓国から下関に到着した活魚運搬車から密輸しようとした金が摘発された件があったが、今年も6月にマカオからプライベートジェットを使って大量の金を密輸しようと試みた事件を当欄で取り上げた事もあり、密輸に伴う脱税額は2.6倍となり上記の処分件数と共に2年連続で過去最多を更新している。

国別では上記の韓国と香港で8割近くを占めているというが、泥臭い方法ながら付加価値税と関税還付、そして消費税狙いと悪知恵は尽きず、前回の当欄で末尾に「〜今後も増税の度にこの手の密輸事件が表面化してくる気配である。」と書いたように果たしてという感じで今後も当局とのいたちごっこは続く気配が濃厚か。


結果待ち

本日の日経平均は5.83円安、後場に入ると殆ど凪のような相場展開であったが米大統領選を間近に控え取り敢えず模様眺めモード一色といった状況か。心理の方を覗いてみれば今年のブレグジット時よろしく先週末の日経VIは7月29日以来となる25.54まで上昇、ちなみにこのブレグジットの時は40超を見せていた。

米市場でもベンチマークとなるS&P500種は36年ぶりとなる9日続落を演じ、同指数オプションから弾き出されるVIX指数もまた週末まで9日続伸して週後半には節目の20の大台を超えてきている。それ以前の年明けの世界的株安時もVIは急騰した経緯があるがその山は徐々に低下し収斂型に見えなくもないものの、大化けを秘めるオプション等々虎視眈々と「落ちるナイフ」を狙う向きは多い。

いずれにせよ明日の前場には開票作業が進み途中経過等を見ながらそれ如何でマーケットも乱高下というところで、大方の予想通りになったとしても僅差の場合はまた再集計やら訴訟やらの可能性で上記恐怖指数も高止まりリスクパリティ戦略への警戒もまた燻り続けるという事態も考えられるが、先ずは世界が注目する結果を見てみよう。


ハロウィーン経済

さて、秋の一大イベントになりつつあるハロウィーンから1週間が経過したが、今年の渋谷も初の交通規制導入するもあまり費用対効果が得られなかった模様だが、1,000億円の大台を軽く超えバレンタインを既に抜いていると言われた経済効果の方は果たして如何ほどであったのだろうか。

この辺の経済効果に関して最近では草食化する若者を背景にした恋愛減少からこのハロウィーンがバレンタインの市場規模を侵食したとする見方も出てきたが成る程妙に説得力がある。ところで経済と言えばもう一つ、ハロウィーン翌日を高値に急速に値を崩した日経平均だが「株はハロウィーンに買え」との格言がある。

2000年以降の16年間を検証してみると外れたのは5回ほどで、その平均騰落率は2000年以降は7%ほどのプラスとなっていると日経紙で見掛けた所謂アノマリーだが、昨年から今年にかけてはこの間に日経平均が12.7%下落した外れパターン、さて今年はアノマリーの期待に適うや否や米大統領選を挟む注目のサンプルである。


2016年度 商品先物ネット取引データアンケート調査について

毎年商品先物ネット取引を取り扱う商品先物取引会社を対象に実施している「商品先物ネット取引データアンケート調査」、17年目となる本年2016年度は10月末時点のデータを対象とし、11月11日(金)〜11月25日(金)の2週間で実施いたします。

▼2016年度 商品先物ネット取引データアンケート調査概要


11月11日(金)午前中に10月時点で商品先物ネット取引を行っている取引会社【12社】に対してアンケートのメールをお送りし、集計後12月中旬に全データを公開予定です。

尚、アンケート項目などは以下の通り。


【取引データアンケート調査内容(主要項目)】
※全て一般顧客からの受託を対象としたアンケートとなります。

1. オンライン取引 口座数:口座(2016年10月末現在)
※10月末時点でのオンライン取引総口座数(証拠金の預託されている口座数、否累計口座数)。
2. オンライン取引 実働口座数:口座(2016年10月末時点)
※上記総口座数のうち10月末時点で建玉のある口座数
3. オンライン取引部門 預かり証拠金総額:円(2016年10月末時点)
※10月末時点でのオンライン取引部署預り証拠金総額。
※2013年よりホールセール部分も加味した数値も項目追加。
4. オンライン取引部門 月間売買高:枚(2016年10月度)
※10月度のオンライン取引による月間トータルの売買高
※2013年よりホールセール部分も加味した数値も項目追加。
5. 一日あたり平均注文件数:件(2016年10月度)
※10月度取消し・不成立なども含む一日当たりの平均オーダー件数
6. 一日あたり平均約定件数:件(2016年10月度)
※10月度一日当たりの平均約定件数(取消し・不成立などは除く)
7. 自社オンライン取引サービス内容の確認・修正など
※自社サービス内容について記入、及び追加・修正ください。

当アンケート後に各項目評価ポイント、及び一目瞭然コーナーを修正・更新いたします。

どうぞよろしくお願いいたします。


プラチナ熱

さて、昨日の日経紙夕刊には「プラチナ投資活況」と題して、貴金属販売最大手の田中貴金属工業で先月20日までのプラチナ地金販売量が前月同期の3.7倍となり、石福金属興業でも前月比4倍のペースで売れているなど金に対して下鞘が恒常化しているプラチナの販売が好調な旨が載っていた。

工業用需要一辺倒の特性から欧州や中国の景気減速を背景に両者の鞘は夏場から倍以上と更に大幅な広がりを見せ、「余りものに値無し」の構図をまざまざと見せられているが、これまでのアノマリーに賭けてストラドルを組んだ向きのロスカットもこの辺に一役買っている部分もあろう。

本日の日経平均はこの土壇場に来てのいわゆる「トランプリスク」の台頭で急反落となったが、VIXあたりの連日の続伸を見るにつけ来週以降もより現実味が増してくればまたぞろ一方で対極である金が注目され両者の鞘は更なる拡大となる可能性も高い。

この両者が逆鞘一周年となった今年の一月に当欄では、「需給は全てに優先」の先物と対照的にETF含め現物が絡む本邦の特異な買い手を指摘した事があったが、大統領選を挟んで今後も引き続き資産残高その他の推移を見てゆきたいところ。


ピンポイント消費

さて、今朝見掛けたTVでは最近のインバウンド需要の傾向をかつての「爆買い」から、「錦鯉」や「ウイスキー」から「ニッカポッカ」等々に狙いを定めてくるというような所謂ピンポント消費の傾向になってきている旨の報道が為されていた。

とはいってもこの辺は以前より世界中のシェフが挙って買いに来る「包丁」や、上記の錦鯉よろしく生物では「秋田犬」から上記のニッカポッカのようにファッションとして注目されている「ランドセル」や「着物生地」等々、一寸思い返しただけでも幾つも過去に報道されていたような気がしないでもない。

ともあれ爆買いの勢いに陰りが出始めホテル稼働率等の数値はそれを如実に表し始めている。日本経済新聞社がまとめた8月都内主要18ホテルの平均稼働率は、79.2%と前年同月より6.2ポイント下がり低下は実に7ヵ月連続となっており、割安プランの販売強化が各所で目立ってきたという。

また、首都圏ほどではないにしろ大阪・名古屋でも稼働率低下が目立つというが、当欄では東京五輪も睨んだ高級ホテル競争について7月に触れたばかりであり、ここからの局面で外資系含めた各社政策にブレはないのか否か引き続きインバウンド動向はこれら稼働率等睨みつつ見てゆきたい。


相互インスピレーション

さてここ一週間で気になった報としては、長らく作者不明とされてきたオランダのライデン国立美術館所蔵の6枚の絵が江戸時代後期の浮世絵師、葛飾北斎の肉筆画である事が同博物館の調査でわかったという件か。親交があったドイツ人医師シーボルトから影響を受けた作品群とみられるが、西欧の水彩画技法を真似た異色の作品とか。

葛飾北斎といえばこの間久し振りに会ったピアノ講師をしている知人女性と逢った際にも、ドビッシーが浮世絵が好きで自身の交響曲「海」の楽譜の初版表紙には此処からインスピレーションを得たとして、北斎の富嶽計三十六景の第二十八景[神奈川沖浪裏]を使用、自室にも同じ北斎の絵が飾られていた云々の話をしたばかりであった。

また、印象派の画家も浮世絵に影響を受けた向きが多く、例えばエドガー・ドガは「北斎漫画」を参考にした人物像を描いた事で知られているが、この「北斎漫画」を用いたのはこのドガだけではなく、アール・ヌーヴォーを代表するガラス工芸家のエミール・ガレもまた「北斎漫画」の鯉を図案に入れた花瓶を世に送り出すなど挙って自身の作品に浮世絵の要素を取り入れていた。

斯様に世界中の多くの巨匠にインスピレーションを与えてきた北斎も今回の件で同様にまた西欧技法からインスピレーションを得ていたという事が窺える話だが、いずれにせよドビッシー然りドガ然りこの頃のパリの東洋趣味を象徴する話と併せアートの世界は時々こうしたエピソードが舞い込んでくるから面白い。


サイダーの甘い匂い

さて、以前の当欄でも触れていたが今月上旬には東証マザーズ上場の「ALBERT」株の公表前の業績予想を保有する親族らに伝え、損失を回避させた等として金商法違反に問われた元会長の初公判が開かれ起訴内容を認めた旨が報道されていた。

インサイダー取引といえばもう一つ先月も「みんなのウエディング」株でクックパッドによるTOB情報からインサイダー取引をしたとして兵庫県の男性が証券取引等監視委員会から課徴金納付を命じられる件もまた明るみになっている。

更に先週報道されたものには、TOCOMの元市場取引監視委員会委員長を務め同所取締役も務めた元大学教授が、知人の上場企業幹部から得た未公表情報を基にインサイダー取引をして1千万程度の利益を得たとし証券取引等監視委員会が強制調査をしている件もある。

不正な取引を監視する市場取引監視委員会の元トップというのがなんとも皮肉な話だが、斯様にインサイダー情報の甘い匂いに誘われウッカリ手を出しバレてしまう輩は後を絶たないが、本邦の市場もソコソコの利益を得てしまうような取引においては一昔前から比べるに摘発率が格段に高くなったなと感心することしきりだ。


ななつ星上場

本日は先のLINEに次ぐ売出価格4,160億円という大型IPO案件でもある、九州旅客鉄道がはれて上場の運びとなった。差し引き2,000万株以上の買い気配から始まり、注目の初値は9時半過ぎに公開価格2,600円を19.2%上回る3,100円となり、ほぼこれを高値としてあと若干ダレる展開で引けた。

当欄では7月のLINE上場時に年内のIPOで個人に身近な企業で注目を集めそうな物としてこのJR九州を挙げていたが、この日の売買代金は2,736億円と東証一部全体の約13%を占めただけあって、騰勢を誇っていた直近のIPO銘柄群は換金売りの余波か値を崩すモノが散見されマザーズ指数も4日続落となっていた。

国鉄分割民営化では不採算路線を持つお荷物的な存在でIPOはほかのJR3社に随分と遅れをとってしまった感があるが、こうした上場の瞬間を見るにやはり感慨深いものがある。運輸というカテゴリーで見るより同社は不動産ポストといった見方をした方がよいと思うが、いずれにせよ上記JR3社よろしく長期的に株価が育つのか否か今後が注目されよう。


BCP

先週末は鳥取県中部で震度6弱の揺れを観測したとの報が舞い込み、既に住民からの家屋の被害届が1,500件を超す事態となっているが、先の熊本大地震から半年そこそこで再度列島がザワついている。

この手の災害の報が出る度に首都圏でも主要インフラに対する事前対策が話題になるが、奇しくもこの日の日経紙投資情報面には「東証を大阪から遠隔操作」と題し、日本取引所グループが首都圏直下型地震など大規模災害に備えて、2018年3月期中に東京証券取引所の株式取引システムを大阪取引所から遠隔操作する仕組みを整える旨が載っていた。

この辺に関しては最近また「豊洲問題」で引っ張り出されそうな当時の石原都知事が、先の東日本大震災の時に「首都機能のうち証券市場の中心は大阪に移すなど大きな発想力で取り組むべき」と発言したのが記憶に新しいが、JPXは先行して節電策等で業務を大阪本社へ移管するなどしてきた経緯がある。

BCP(緊急時事業継続計画)に関しては現状運行システム等でもバックアップ機能等万全の態勢で臨んでいるところが多いが、思えば上記の元東京都知事発言以来金融インフラに関してのこの分野の整備体制はあまり耳に入ってきていないものの、この課題も焦眉の急を告げるといっても過言ではない状況になってきているのではないだろうか。