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今更ながらの風説流布とか

昨日も書いたように今週はトヨタ自動車やファナックが急騰し上場来高値を更新、日経平均やTOPIXも相次いで年初来高値を更新となったが、全般がやはりまともな?主力に傾斜してしまっているので、貸借取組を構築しながら持続性のある相場展開をする中小型仕手系も最近は持続性の無いモノになってしまっている。

さて、そんな材料株の数々を数年前に手掛け頻繁に放り上げていたインターネットのサイトを元に「風説の流布」の疑いがあるとして、証券取引等監視委員会は先週にバブル期に仕手筋として知られた某氏の関係先を金商法の疑いで強制調査し関係資料を押収した旨が伝えられている。

今頃になって?という感もあるが、同サイトといえば開設当初は新日鉄等あたりさわりのない?物を交え複数銘柄をサラリと触れるにとどまっていたが徐々に材料系の詳細に傾斜するようになり、近年取り上げた大証時代の新日本理化は株価約5倍化、次のルックは連続ストップ高、最後に手掛けたとされる日本カーバイド工業まで次々と商いを集めさながらそれは昔の解体劇を彷彿させるようなものであった。

この手のように第三者によるH・Pや雑誌等を通じて株価変動させたとして監視委員会が動いた例として思い出すのが、昔あったギャンぶる大帝(懐かしい!)なる雑誌。占いによって選定したというボーソー油脂、森下仁丹、そして今は市場から姿を消した熊沢製油が発売日に異常ともいえる買い物を集めストップ高になったのを思い出すが、この手は風説と相場変動の因果関係立証困難な事で見逃される例がこれまで多く今回の行方が非常に注目される。


上場来高値更新

さて、昨日の株式市場では過去最高値を指呼の間に捉え注目されていたトヨタ自動車株が、とうとう2007年2月に付けた過去最高値8,350円を上回り約8年ぶりにはれて上場来高値を更新してきた。

トヨタ自動車といえば日経紙恒例の年明け特集の経営者が選ぶ有望銘柄において、今年はダントツで1位に選ばれていた銘柄だが、ここに挙がるベスト3なんぞは大方毎年顔ぶれが変わらないにしてもトップ選定がこれだけ市場で注目されると漸く王道モノが当たったなという感じにもなる。

週明けにはファナックを書いたがこれも主力の王道銘柄、ファナックもトヨタも指数への寄与度が高い銘柄だが特に前者は日経平均に、そして後者はTOPIXに響く。共に史上最高値を更新でこうした両輪効果から指数もそれに即した動きになっているが、結実した内部構造の裏打ちを背景にしているだけに見誤らないようにしたいものだ。


ETN活況

さて、原油相場がまたぞろ約6年ぶりの安値水準に沈んできたが、昨日の東京市場では原油価格の変動をもとにした指数の2倍の値動きをする上場投資信託「NEXT NOTES 日経・TOCOM 原油ダブル・ブルETN」の売買代金が61億円と2013年4月の上場以来、過去最高になった旨が本日の日経紙マーケット面に載っていた。

昨年から暴落してきたとはいえなお先行き不透明感漂い相場感の分かれるところでもあり、東京市場に先駆けて欧米市場のオプション取引でも1−2月の売買高が前年同期に比べて約7割も増えている。同紙によればWTIでメジャーな6月モノで、シェールオイル油田採算ラインともいわれる30〜40ドルの行使価格帯に資金流入が顕著という。

原油と並んで貴金属の金やプラチナもこのところ安値が目立つが、産業分野の需要後退から4か月半ぶりの安値に落ち込んでいる後者のプラチナ相場を映し本日の前場段階では全市場値下がり率第3位にはETFS白金上場投信がランクイン。とはいえ一本値で5株の出来高と依然リクイディティーに乏しく、上記の原油ETNのようにある程度の流動性を確保出来るようになるのが望まれるところか。


CMEマーケットモニター24hをリニューアル

日産センチュリー証券は、2015年03月16日付でアクセスCX(商品先物取引)のスマートフォン&タブレット専用のトレードアプリからアクセスする「CMEマーケットモニター24h」をリニューアル。

▼『CMEマーケットモニター24h』リニューアル(スマホ&タブレット)



CMEマーケットモニター24hとは

アクセスCX(商品先物取引)の口座をお持ちのお客様なら、どなたでも無料でご利用いただける情報画面です。スマートフォン&タブレット専用のトレードアプリより閲覧できます。

≪各種機能≫
価格一覧:COMEXの金や、NYMEXのWTI原油など、海外の商品先物価格を表示できます。
チャート:ローソク足の時間軸変更や、移動平均線、RSIなどのテクニカル表示も可能です。

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対話型転換

先週末には日経平均が2000年4月以来ほぼ15年ぶりに19,000円大台を回復したという事で、週末の日経紙などこの件が一面を飾っていた。業績改善を追い風に企業が相次いで賃上げや成長投資にお金を使い始めており、消費を刺激し景気を押し上げる好循環への期待が高まり、こうした企業変化が海外マネーを呼び込んでいるのが急ピッチな株高の原動力という。

確かに先週後半の日経平均大幅続伸で高値警戒感は否めないところだが、この背景にあるのは寄与度の高いファナックなどの急騰がその構造上やはり影響しているか。ところで同社急騰の背景にあるのがまさに上記の「企業変化」で、株主との対話路線に転換するとの方向転換報道が俄かに注目され更に一段高の原動力になっている。

確かに同社と言えば主力企業の中でもこれまでIR部門は設置されておらず、株主対話は四半期ごとの決算短信に限られ、その株主総会も首都圏から3時間前後かかる山梨の村で且つ集中日に開催されるなどIRに極めて消極的な話が有名であった。先月も当欄で米投資会社サードポイントが保有した同社を取り上げたが、最近増殖しつつあるこうした姿勢の変化を見るに目先の高値警戒感は兎も角も全般割高論が修正される部分が出てくるかもしれない。


奇特な投資家

さて今週の日経紙企業面では「スカイマーク遠い再浮上」と題し、同社が破たん後の支援に名乗りをあげた企業との本格交渉に入った旨の記事を目にした。とはいえ候補企業や債権者等の思惑が複雑に絡み合い、その決定は当初目標とした2月から大幅にずれ込み今月いっぱいまでかかる模様という。

ココが破綻し株式市場からその姿を消してから早いものでそろそろ2週間が経つが、それにしても今回驚きだったのは最終売買日の終値が14円と異例の二桁であったことか?同じ航空会社の破綻と言えばJALの時もまさかの衝撃であったが、当然ながら同社も最後は1円になるなど通常はほぼ100%の減資で現存株式は無価値になるのが普通で最終売買日にして寄り付きの20円台は理解に苦しむ。

信じ難い現象ということで記憶を遡れば、かつて同じ東証一部に上場していた持ち帰りスシの京樽も確かパンクした後にとんでもない急騰劇から破たん前の株価を回復したのを思い出すが、コレクションの線でいっても今は株券も電子化になり昔のようにペーパー券面を手元に引くのも不可能なので過大な再生期待が背景にあったと思う。

そんなワケでこれも破綻後の珍現象として今後語り継がれるだろうが、まあいずれにしても奇特というか勘違い投資家のお蔭で同社前社長など思わぬ売却代金を手に入れることが出来たのだから、事業は破綻してしまったものの敗戦処理ではまさに不幸中の幸い?という格好になっただろうか。


あれから四年

さて、本日であの東日本大震災から4年が経過した。そんな時期ともあってか百貨店や街のイベント等では復興関連の物品販売やイベントも多く目にするようになったが、今なお2千6百名弱が行方不明のままで避難生活を余儀なくされている向きも23万人弱も居るのが現実で引き続き風化させるような事がないようにしたい。

ちょうど一年前の日経紙社説では降って湧いたような天災に絡んで警告を受け止めずに想定外にしてしまったと書いてあったが、確かに企業も個人も阿鼻叫喚のマーケットに直面しパラダイムシフトも可也進んだか。あれからトヨタなどまさに雨降って地固まるの如く構造改革からその株価も今や上場来高値に肉薄、震災当日に上場したカルビーはあれから株価は実に9倍近くにもなっている。

また交通インフラの復旧も進んでいるものの、一方で住宅再建は思うように進まず汚水処理など当初約束した今月末の期限を守れていない等こうした部分の再建はまだ道半ばなのは否めない。廃炉含めて息の長い作業だけに国の更なる支援が必要だろうが原則を忘れず臨みたい。


共存市場

本日の日経紙商品面には「投資家の戦略分かれる」と題して、原油市場にヘッジファンドなど投資マネーが流入し価格の振れ幅が大きく売買高が急増する一方で、年金基金など長期保有を基本とする機関投資家等は様子見を決め込むなど手控えムードで各投資家の戦略が分かれている旨が出ていた。

これまでも原油に絡んでは何度か書いてきておりETFや最近ではETN等まで品数が揃っている割にはけっこうコンサバなスタンスを貫いている向きもあるなと改めて思ったりしたが、やはりリクイディティー面など他の投資対象と同一視出来ない部分も控えているのだろう。

ところで同じ紙面にはブラジル通貨安の影響で今月に砂糖の国際相場が5年ぶりの安値を
付けた旨や、米雇用統計の結果からFRBによる利上げが近づいたとの観測で金が3ヶ月ぶりの安値に沈んだ旨も書いてありCTA系にとっては依然好機が続くか。市場が発展すれば時に受け皿など相互に補完関係になれるだけにこの辺が待ち望まれる。


古手と新手

本日の日経平均は3日ぶりに急反落となったが、そんな中で全市場値上がりトップとなったのは三光合成がTOBを実施と発表した積水工機製作所であった。ところでこのTOBといえば先週には豊田通商によるトーメンエレクトロニクスのTOBを巡るインサイダー取引で会社員が東京地検特捜部に逮捕された報道もあった。

数あるインサイダーのネタでもTOBは企業破たんと共に旨みのある確実性の高いものからその人気?は衰えないが、素人はその買付処理の甘さゆえ今回のように見つかってしまう例が依然として多い。他に金融商品取引法違反といえばもう一つ、カリブ海の島にある投資会社もPTSを使っての不正売り抜けで数千万円の不正利益を得ていたとして課徴金納付命令の勧告が先週に出ている。

PTSといえばこれまでもマザーの狭間に売買が可能なことで投資顧問や株式専門紙の推奨情報に反応して値を飛ばす事があったが、そうでなくとも板が薄いだけに時として突飛な値動きが頻繁に起こり得る事が多く何時かはこんな新手な金商法違反が出てくるのは予想していたが果たしてという感じ。

とはいえ今回の件でも90銘柄近くの銘柄を食い散らかした挙句に数千万円を得ても、その課徴金は数万円程度とヤリ得感満載。個人の方はそこそこなお灸を据えられたにしてもまだまだ新手なネタは控えており、イタチごっこはこれからともいえるかもしれない。


家具屋姫

さて、今週の株式市場は高値警戒感が燻る一方で下値も堅いといえるが、こんな手詰まりで低位が乱舞する中やはり連日市場の注目を集めているのはジャスダックの大塚家具だろうか。先週26日から始まったストップ高の勢いは週明けも止まらず上限いっぱいのまま大引け、翌日のひな祭りの日にも更に連続ストップ高に迫るも一転急落と乱高下が続いている。

この背景には周知の通り内紛に端を発した今月下旬の株主総会に向けたプロキシーファイトの思惑台頭があるワケだが、これに加えて内輪揉めに付き物の停止規制を見越したカラ売りが急速に入り先週末には久し振りに見る逆日歩34円という近年に無い取組が形成された事も一役買っており、まさに鉄火場となっていた。

それにしてもこの一連の騒動で会長の株式資産もたった一週間で48億円増と倍化したと思えば、一日でそれが28億円も目減りしたりの乱高下であるからやはり創業者は凄い。長女の社長もこんな状況下いきなり配当倍増を発表、上記含めた諸々の株高はプロキシーファイトにも各方面で影響を及ぼす訳で、ほか浮動票への根回しも既に周到とも思えるが勝手に勘繰るになかなかしたたかともいえる。

株価と共に二人の記者会見など高見の見物的にはなかなか夫々の世代が反映されたものであって面白かったが、さて軍配は何方に上がるかのか?株主総会を前にまだまだ株価と共に目が離せない展開で要注目である。


3/7に新注文「連続注文機能」リリース

北辰物産は、2015年3月7日にトレードツール「D-station」(PC-WEB版)、「Presto」(PC-アプリ版)、「D-touch」(スマートフォン版)において、新機能「連続注文」をリリース。これにより仕切注文から新規注文に移行するドテン注文を、1回の操作で行うことができるように。

▼連続注文機能リリースのお知らせ



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戻り続くか

昨日の日経紙総合面には「原油価格、底入れの兆し」と題してロンドンの北海ブレントが先導する形でアジアの指標であるドバイ原油が上昇している旨が書かれていた。ここ1年の間に原油価格はその水準が半分以下にまで暴落し、今月上旬には思惑交錯でファンド等の参戦から国際市場の取引規模が昨年末比で約2割増えている旨が報じられていたが再度中東リスク等も出てきている。

日本の原油輸入価格も反転しガソリン店頭価格も2週連続で上昇というが、確かに過日ガソリンを入れた際には久し振りにみる価格に随分と安くなったなと実感したものだ。金融商品も上旬にはこの機に乗じ関連商品に資金流入している旨を書いたが、依然ETF系の人気は衰えず個人投資家以外にも陸運会社が燃料費ヘッジにETFを使いたいとの問い合わせも証券会社にきているという。

こういった向きは併せて東商取の先物という選択肢は無いのかどうかも気になるが、それは兎も角もまだまだ相場は思惑含み。米シティーグループなど、市場の供給過剰と在庫も貯蔵能力いっぱいまで積み上がる可能性が高い事で第2四半期が始まる迄に20ドルのレンジになると更にここから半分になる予想まで出しているが、さてシティーの杞憂に終わるのかどうか引き続き注視しておきたい。