官製ファンドとモラルハザード

さて、懸案となっているシャープの経営再建に絡んでは度々登場してはペンディングになってきた台湾の鴻海精密工業だが、今回はどの程度ソロバンをはじいているのか昨日はシャープのメインバンクが保有する2千億円の優先株を買い取る新提案を出してきている。

周知の通りこの再建を巡っては上記の鴻海精密工業と官製ファンドの産業革新機構が張り合ってきているが、政府主導で産業革新機構が出資するという流れが今のところ濃厚になってきている。しかし外部の民間が手を挙げている中を官民ファンドが民間を退けてまで受け皿となる構図やその出資額を勘案するに違和感は否めない。

また本日の日経社説でも書いてあった通りで、業績が悪化しても国が助けてくれるとなれば産業の新陳代謝を阻害し公正競争も歪む。長年銀行などに見られたような「護送船団方式」を今更ながら彷彿させる場面でもあるが、労働市場流動性を確保しつつモラルハザードが発生しないようなスキームが要求されてこようか。


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