油は火種
さて、今週は国際的な指標となるWTI原油の価格がニューヨーク商品取引所で、約12年1ヵ月ぶりに1バレル30ドルの大台を割り込む場面があった。昨年末にはこのWTIが北海ブレントを5年ぶりに逆転する場面があったが、売買高も数年ぶりに見る急増となっており今年も引き続き原油はリスク要因の一つとなるか。
しかしこうなるとETFやETNの崩落も凄く、TOCOM原油WブルのETNなど昨年の2月には5,000円を超えていた記憶があるが、本日も年初来安値更新でザラバでは700円大台割れに迫る場面があった。この1年のうちに約八分の一の値段に沈むなど、まるでIPO初値天井となった粉飾紛いの新興市場銘柄並みの動きである。
また世界の資源株も然りで昨年末で石油関連株の時価総額は1兆ドル以上失われ、年明けからでも英豪リオ・ティント株が1割の下落となり、米エクソンモービルも週明けには約3ヵ月ぶり安値に沈み、本邦も本日は三菱商事等が年初来安値に沈み、資源安が非鉄にも波及している事で住友金属鉱山も揃って本日は年初来安値に沈んでいる。
今後も下落が続くとなれば予想物価上昇率に与える影響も大きくなるが、何れにせよ今年も引き続き金融市場の主役級の座を維持し続ける公算が大きく目が離せない展開だ。