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お国柄いろいろ

週初の日経産業紙には「息の長いタイの成長」として同国の昨年の経済成長率が年初予想の4%台を上回る6.4%に達した旨が載っていた。一昨年の大洪水試練を経ての伸びだけに今後にも期待がかかるが、最近のもう一つ緩い話題ではタイ政府系の格安航空会社ノック・エアが制作した水着女性のカレンダーに文化庁から物言いがついた一件もある。

見たところ別段不快に感じる部分など何処にも見当たらないと感じるが、当局によればつまるところ「女性の尊厳を無視している」ということらしい。一部特定向きが多いだけに航空会社のカレンダーは折に触れ話題になるが、この手ではメキシコの某航空会社はCAらのビキニカレンダーを出し、アイルランドの格安航空会社もインナーを纏ったCAのカレンダーなど出し、スペインの某航空会社に至っては更に進化?した物を出した経緯もある。

そういえば昨年だったか、ベトナムのジェットエアなど、ホーチミンからリゾート地へ飛ぶフライトのなかで女性によるダンスを機内で乗客に提供したところ、航空局から不適切なパフォーマンスとして形ばかりの罰金を科されたそうだが、この手の件こそお国柄が出るといったところか。賛否両論あろうが、まあ総じて築地のマグロじゃないが損して得取れでいいプレスになったのではないか。


機が熟す

昨日は財務相から政府が保有するJT株のうち約三分の一相当の3.3億株を来月中旬に売却するとの正式発表があった。幹事団に野村が入っていないのをみるに改めてファイナンスを巡るインサイダー疑惑の汚点が思い出されるが、その辺は兎も角も政府が一般への売却を行うのはこれで4度目。

その総額だが今の時価から換算するに約1兆円に迫る規模となるが、当然今年度で最大規模となる見込みで前回のNTT株売却が思い出される。これだけの吸い上げだけに市場への影響を気にする声も聞こえるが、自社株買取状況や今のボリューム如何で受け皿十分との声もあり蓋を開けてみてといったところか。

胸算用といえば、東日本大震災からの復興財源に計上したのは5,000億円となっているが、この放出報道で直近急落した経緯があったとはいえそれでもコアの一角だけに、アベノミクスによる株高効果から当初見積もっていた額からは倍増と大きく上回る。他の経済効果含めこの辺は実に政策の力を感じる。


円安駆け込み

周知の通り政府は、次期日銀総裁として金融緩和に積極的な現アジア開発銀行総裁を起用する人事を固めている。この報でドル円は一時2010年5月以来の94.77円まで上昇、お約束のように日経平均も年初来高値更新と高いが、こんな急激な円安によって高くなるのは何も株に限った事でなく輸入モノもまた然り。

高級ブランドなどこの手の為替動向(いつものことながら特に円安方向)には極めて機敏に対処し、仏のLVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトンは日本のルイ・ヴィトン・ブランドの一部商品の価格を中旬に平均で12%引き上げている。

これで駆け込み需要あるや否やと注目はしていたが、某大手百貨店では同ブランドの今月1〜14の売上高が前年同期の2倍に膨らんだという。ただ全般でも主力の大手百貨店では今月に入ってからの高級ブランド売り上げが前年同期比で25%前後の伸びを、見せ何れも1月の伸び率を上回るという。

この辺の数値を見ても株高効果の力を感じるが、しかしこんな高級ブランドに限らず一般モノでも身近なところでガソリンは11週連続高、輸入小麦の買い付け価格も3週連続高となっており、値上げが全く気にならない向きは扠措きそうでない向きもそれなりに円安の恩恵を享受出来る投資関係など防御策?に嫌が応でも関心が高まってこようか。


隕石の真贋

さて最近のニュースでは、ロシア中部ウラル地方のチェリャビンスク州周辺に隕石が落下したとの報があった。被害地域は10地区に上り落下の衝撃で多数の負傷者が出た一件だったが、隕石といえばほとんどが海に消えるために地上へ来るのは希で落下の予測も天気予報のようにはいかないらしい。

これだけ大きな破片が落下したということでその捜索の方も気になるところだが、同州副知事によって隕石捜索は1日限りで週末には既に捜索を中止したことが明らかにされている。騒動沈静化の狙いとの見方もあるが、やはりというかその直後からにわか隕石ハンターによる偽物の出品がネットに相次いでいる模様。

一部にはロマンを誘う貴石だけあってロレックスのメテオライト等にも隕石が使われているが、世界初の隕石素材を配し時計の中心には太陽系を模したプラネタリウムが取り付けられているルイ・モネのメテオリスなど3億7千万円の値札が掛かる。また米大学にアマチュアが持ち込んだ隕石に85万ドルもの値が付いた件もあってこれに引っ掛け一稼ぎを狙う輩が出るのも自然なところだろうか。

昨日は金を取り上げたがモノによってはこの金の数十倍の値が付くわけだから凄い価値だが、ところで隕石といえば日本でも約一ヶ月ほど前に茨城県を中心に関東の広範囲で大爆発音を伴う先行が多数目撃されたとの報があったが、あれは結局何だったのだろうか?


金レパトリエーション

昨日の日経紙商品面には「独連銀、保有金を自国へ移動」として、ドイツの連邦銀行が先月に国外に保管している保有金のうち674トンを、2020年末までにフランクフルトにある連銀金庫に移し国内保管率を50%まで引き上げると発表した旨が載っていた。

この独といえば公的な金保有量では米国の8,133トンに次ぐ3,396トンで第二位となっているが、これほどの規模でなくとも、この記事を見て思い出したのが一昨年だったか外貨準備の中で金の保有量を増やしつつあるベネズエラが、その国外の銀行へ預託している金準備211トンを国内へと引き上げる動きが報道された件である。

このベネズエラ、国内の金産業を国有化するとの法令にも大統領が署名しているがそれは兎も角も、もともと上記の独は昨年の秋くらいに連邦会計監査院が独連邦銀行の海外に保有する金準備についての検査を行う旨の事が昨年の秋くらいに言われていた経緯がありその辺も絡んでの決定なのだろうか?

翻って本邦、日銀からは保管場所の公表さえなくまずこんな話は出てこない。この独が外貨準備に占める金の比率が70%を超えるのに対して日本は僅かに3%台。独は1973年以降は金の売却をしていないそうだが、日本の場合は40年も日銀金輸入実績がないばかりか逆に金の輸出は最高水準という純輸出国という特異な存在が際立っている様は色々なことを考えさせられる。


今年は何社

米市場が休場とあって本日の株式市場は手掛かり材料に乏しい中を小動きで推移し、東証一部の出来高は26億株と今年初の30億株割れとなっていた。後場は凪のような状態で、結局値上がり1075銘柄、値下がり496銘柄、変わらず128銘柄であったが新興市場など依然として値動きは荒い。

今年一発目のIPOとなったメドレックスなどがそんな例で、公募・売り出し価格の2倍以上にもなる買い気配値を切り上げ初日には値が付かない人気で昨日には3,560円の年初来高値まで急騰したものの一転して本日は2,515円の安値引けと急落、また次に続いた買取王国も然りで初値2,000円から翌日には3,000円まで急騰し本日は安値2,206円と往って来いである。

未だ赤の企業で回転が急がれるのは想像に難くないが、先に上場していたミドリムシ生産のユーグレナ等はこれらのIPOの時にはストップ安まで売り込まれその背景には換金の用もチラつく。ところでIPOといえば今年は60社〜70社との予想が多いが、アベノミクスで地合いが劇的に改善されてきているだけに今後のIPOインデックスがどう推移してくるかこの辺にも自ずと関心が向かうところ。


助勢転じて阻碍か

先に発表となった2012年10-12月期GDPは前期比年率で0.4%減とマイナス幅が前期から大幅に縮小、円高是正や大型財政出動期待から政策主導で輸出や消費が待ち直しているというが、その円といえば週末のG20財務相・中央銀行総裁会議で日本が名指しされなかったという安心感から大幅円安となっている。そんなワケで果たしてというか週明けの日経平均も冴えない週末の相場から一転して234.04円高の急反発となった。

まさに政府の思惑通りに粛々とコトが運んでいる感じだが、そんな一助となればとの思いからなのか今回のアベノミクスでは政府・与党の要人がアナリストの如く相場の具体的水準に言及する報道がやたらと目に付く。この辺に関しては週末の日経紙社説でも政治家は相場から距離を置いてと書かれていたが、確かに特定の思惑を誘発するのは間違いないところか。

昔も自民系で相場に言及し物議を醸し出した向きは居たが、世論も上げ賛成のなか訝しがる向きも少ないのかもしれない。こんな時代には一方で相場格言の一つ「相場のことは相場に聞け」というのを持ち出してトボけた政府要人もまた混在したが、確かに今はVIが高水準なだけにその影響度から波乱要因となるのは明白だろうし、何とか乗り切ったG20後のいま海外勢と新たな軋轢を作らない為にも自重するに越した事はないだろうか。


【対談特集】MT5で先物・FXをワンプラットフォームに

日産センチュリー証券 二家英彰社長とフリーアナウンサー 大橋ひろこ 氏との対談『MT5で商品先物・株先物・FXをワンプラットフォームに〜日産センチュリー証券の新しい挑戦〜』を掲載しました。

▼【対談特集】日産センチュリー証券 二家英彰社長×大橋ひろこ氏



地域密着営業と最先端のネット取引に強みを持つ日産センチュリー証券は、2013年、FXに続き、MetaTrader5上で国内外の株価指数先物・商品先物もワンプラットフォームで取引可能にするサービスを開始予定。また業界初となるSPAN×50%の証拠金で取引できる「アクティブ口座」の提供を始めている。業界に一石を投じる日産センチュリー証券のサービス提供の狙いとは何か。フリーアナウンサーの大橋ひろこ氏が、同社の二家英彰社長に話を聞いた。

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バレンタインと祭典

さて今年も毎年恒例の「バレンタインデー」がやってきた。外国の知人からの女性が男性にチョコ類を贈るこの奇異な習慣についての質問も恒例になってきたが、主力の大手百貨店も先月の冬セールの次に来る大イベントだけに気合十分で、東京で開催されてきたフェスタが地方へも波及する等今年は広がりを見せている。

今年で確か11回目になる伊勢丹が他に先駆けて開催している「サロン・デュ・ショコラ」など代表例で、昨年のロンドンのココマヤ等に続いてフランス勢からセバスチャン・ゴダール、フレデリック・アヴェッカーといったブランドが初登場となった。後者のショコラティエが作成した会場のオブジェは見事な「盆栽」であったが、この辺を見るにやはり欧州の和ブームを感じざるを得ない。

しかしこのオブジェに限らず年々出展側も面白い物を打ち出してくる。今年は定番のブランド物以外でもコスメ類を模したものや、トリュフということで軍手にスコップの飾り付きと凝ったもの、仰々しい削り器がセットになっているもの、またコート・ダ・ジュールの高級ホテルからは薬のカプセル型の遊び心に富んだ新作を披露する等見ているだけで楽しくなる物が多い。

これら含めて人気の物はすかさずsoldoutの札が掛かるが、バレンタインまでの保存日数を考えるに自分用なのだろうか?余談だがそういえばこのところ強風の日が多い。例年バレンタインデー前後には春一番が吹く事が多いが、関東ではこれが観測されなかった昨年から今年は何時になるのだろうか?等々思いを巡らせながら今年のチョコでも味わうことにしよう。


未公開昔も今も

本日の日経平均は対ユーロでの円上昇を受け反落となったが、個別では決算が多少下馬評から外れた程度でもけっこうキツイ下げを見せているものが多く、金融緩和をテコに買われた不動産も決算を機に改めて水準訂正が急である。こんな中にはコスモスイニシアも顔を出すが、そういえば先週末には同社の元親会社リクルートHDの創業者が亡くなったと報じられている。

リクルートといえばやはり鮮明に思い出されるのは未公開株、現在でも同社のIPOをネタに怪しい業者が暗躍しているもようだが、その辺はともかくも現在ではMBOを経て上記のように名前も変わってしまったものの、当時の政府キーマンに前身であったリクルートコスモス未公開株がバラまかれ当時の竹下政権が崩壊した事件は一大スキャンダルであった。

一方でリクルートといえば今でも巨大企業グループだが、そのユニークな人材輩出は男女ともに有名でスポットを浴びる著名人にはIBM等と共に同社の卒業生は確かに多い。バブル期を挟み斯様にビジネスモデルを創り伝承、晩年は文化活動に精力的であったというがこんな波乱のバブル期を知る生き字引をまた一人失った。


東京商品取引所発足

周知の通り先週末で東京穀物商品取引所は全ての上場商品の取引を終えその約60年の幕を下ろした。この東穀の4商品を引き継いで誕生する格好から本日付けで「東京商品取引所」が発足の運びとなった。外のプレートもきれいに差し替えられメタル等の主力商品と共に穀物等が相場表に並んでいる姿は感慨深い思いもあるが、これで国内商品では99%を占める取引所となる。

縦割り行政が一歩改善されたとする向きもあるが、鳴り物入りで登場したコメ先物に関してはこれまた名称が変わった「大阪堂島商品取引所」へネジ込む等の抵抗を最後まで見せ、総合取引所構想への下地作りとしては未だ道半ばでお世辞にも足場が固まったとは言えない状況か。

ところで国内99%のシェアといえども現況で世界の主要商品取引所ランキングで同所は12位という状況、アジアでは大連商品取引所が2位に躍進し、上海先物取引所が4位につけているが、東穀商品を移管しても売買高はこの4位の上海先物取引所の10分の1以下というのが現状。

そんな訳で実需家を誘致し世界規模への取引所という悲願は関係者のみならず誰しも抱いている事だが、やはり政府の牽引も要になってこようか。既に政府はLNG先物創設案を出しているが、今回のアベノミクスであらゆる時価総額があれよあれよという間に急増している様を見るにつけ今後の引き出しに一縷の望みも感じてしまう。