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怪しさ満載の初期対応

さて半沢直樹が大ヒットとなった中、みずほ銀が不適切な融資を解消していなかった問題が燻り、直近では監督責任を追及し親会社の株主が歴代経営陣に賠償請求を求めるとの件もあった。この一連の問題で株主が経営陣責任を追及するのは初ということだが、何れにせよ大規模システム障害然りなかなか教訓が生かされない企業である。

前回もそうであったが誰が見ても不自然なのはその対応か。会見の度にその内容が前回を覆すように二転三転しとても信用業務を生業としている企業対応には見えないが、これを見ていてオリンパスの粉飾問題が明るみになった時の光景を思い出した。

そういう目線で見ると最近では他にもカネボウの化粧品問題、ソフトバンクモバイルの信用情報誤登録、中国産米問題が発覚したイオンのIRなどその初期対応には他の話題を立て話題を逸らしたい様子が満載で違和感を感じるが、各々その処理が容易ではない内容の問題というのは想像に難くない。

こんな体制では上記のみずほ含め利用者や株主の不安もより募ろうというものだが、当の株価は不祥事発覚後でカラを売っても薄利、こういったヤレヤレのカバーもあってか短期で回復を見せる旨みのない存在だがこれはこれで今の地合いなのかもしれない。


実る果実

本日の株式市場は本格化する決算期待から反発となったが、そんな中で序盤では寄付きから急騰し年初来高値を更新したジャフコが一際目立っていた。これは週末に発表した9月中間期連結決算で売り上げが前年同期比2.9倍の157億円、最終利益が7倍の55億円というサプライズ決算によるもので、やはりIPO活況が追い風になったのは想像に難くない。

いまだ折に触れ物色されているリプロセルなどその初値は公開価格の6倍近くになるなど大きく寄与しているが、この4-9月期には国内だけで4社がIPOを実施、これらの売却益が既に3月期のそれを越えているというからこの決算も合点が行くというもの。

しかし当欄でもIPO初値の好パフォーマンスについては度々振れてきたが、直近のエナリスも2日目にして公開価格2.6倍でやっと成立し本日も2日連続ストップ高から株価は既に7.8倍にまで大化けする好発進、これで昨年末からの通算で35社が連続で初値が公開価格越えとなり潤った資金の循環から新興市場の売買が急増するという上手い具合に回転が利いている状態。

このままの勢いを継いで2006年以来の39社連続を塗り替えることになるかどうかだが、これら個人の懐を潤す効用は勿論大きいものの、底上げ効果で影に埋もれていた成長企業群等の新陳代謝が促されるなどしてくれば資本市場も一段と機能しその相乗効果もまた大きい。


11/1付で一律手数料コースの手数料改定

ドットコモディティは、平成25年11月1日計算区域より一律手数料コースにおける手数料を現行の1枚あたり税込片道472円から498円に引き上げへ。尚、一律手数料コース以外の手数料は据え置き。

▼一律手数料コースにおける手数料変更のお知らせ


対象手数料コースおよび新手数料

新手数料におきましても、従来通り、東京金であれば1ティックの値動き(最少の値動き)で手数料抜けとなります。

対象となる手数料コース:一律手数料コース
一律手数料コースで適用される新手数料(片道):
一般銘柄・・・・・1枚あたり税込片道498円 (現行は同472円)
ミニ銘柄・・・・・1枚あたり税込片道105円 (現行と変わらず)

一律手数料コース以外の手数料は据え置きとなります。

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PB下克上

昨日の日経紙企業面には「高品質PB集客の目玉」として小売各社が好採算の品質、価格が高めのPB集品を増やし集客の目玉にする動きが広がっている旨が載っていた。斯様に従来低価格を武器にしてきた業態の一部高価格帯への進出が最近目立っているが、この辺はつい昨日も吉野家の一部高価格牛丼の提供について書いたばかり。

またこのPBについても今月上旬にネスレを取り上げた際の末尾で、「最近ではこのPBもセブンゴールドの「金の食パン」が大ヒットし大手の追随を喚起する等なかなか面白い構図になってきている〜」と書いたが、この時に書いたイオンのPBが大手ネスレの主力製品を模倣する等が通常の光景なら、昨今の動きはまさに大手がPBを真似るというこれの真逆の現象が起きているところが面白い。

ナショナルブランドながら低価格競争が足を引っ張る一方で消費者ニーズを汲んだPBの下克上現象が起き、これに他社が喚起されるというこれまでの通例が崩れる構図は食の新たなパラダイムシフトか。思えば今迄こうしたものが無かったのが不思議な感もするが、胡坐をかいている大手はほんとうにうかうかしていられない環境になってきた。ブランド下克上は今後の消費構図をどう変えてゆくのか、まだまだ目が離せない。


これも具現化

本日吉野家の前を通った際にふと思い出したのだが、先週末にはこの吉野家が永田町に店舗を新規出店している。出店自体は珍しくないがココには特別メニューとして1,200円の「牛重」が登場し、初日の昼過ぎにははや完売御礼となった模様だ。

この辺は今年の夏にマックがプチ贅沢路線を打ち出したのを取り上げた際の当欄で「同じファストフードの他業態では値下げ競争が激化して久しい牛丼があるが、これは専門を謳っている見せも少なくこうしたところこそブランドが浸透しているところは高価格帯のプチ贅沢路線は選択の一つと思うが〜」と書いた事があったが、これまた当時書いていた事が具現化した格好である。

この吉野家、既に高級路線の店舗はかつて赤坂に出していた時期があり、実際は今回が初めてではない。此処には私も行ったことがあるが今回のロケーションも国会と一般向けではないにしろ永田町とこれまた赤坂地区、アンテナの意味合いがあるや否や今後の戦略が興味深いところ。


新種RIET続々

先週の日経紙投資面には「基礎からのRIET」として、NISAの対称にも入っているREITの基本的な仕組みやポイントが連載されていた。以前にも何度か取り上げたが株式と共に債券等に比べて魅力的な利回りや、小口が利く当の利便性からこうして同紙でも連載が組まれる等注目度も近年高まっている。

このREITに関しては近年多様化が進み今年出たユニークなパターンとして春先に当欄で取り上げた星野リゾートの所謂「旅館REIT」があったが、この時にも末尾で一寸触れたショッピングセンター等を組み入れたイオンのREITが来月後半にもこの手では初の上場となる見込みだ。

ショッピングモールの積極出店や、アジアでの小売シュアを確立するためにも効果的な資金調達が求められこのREIT等はその辺の試金石ともなる存在なのはいうまでもないが、初モノといえば更に来年には老人ホームや病院等介護・医療施設に運用対称を限定したREITも始めて上場する予定。

斯様に政府が創設を解禁することを受けて上記の通りRIETも多様化が加速しているのが現状だが、これに伴いこの分野でも投資家の選択肢が一段と広がってくる事になりそうだ。


10/12付で「Expert」スマホ版の機能追加修正

岡藤商事は、取引されているユーザーへのアンケート結果に基づき、2013年10月12日付で「Expert」のスマートフォン版の機能を追加修正。

▼スマートフォン版「Expert」主な変更箇所


★スマートフォン版「Expert」リニューアル日時
2013年10月12日(土)13時

★スマートフォン版「Expert」の主な変更点
1.「ID」および「パスワード」の保存が可能になりました
2.「MY相場表」の登録が最大10個まで可能になりました
3.「MY相場表」に海外銘柄&為替(ドル/ユーロ)が登録可能になりました
4.利用頻度の高いメニューに専用ボタンを設けました

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運用改革

今週は週明けの日経紙一面に「中間配 5年ぶり最高」との見出しで、上場企業の中間配当額が5年ぶりに過去最高になる見通しとの記事が載っていた。株主配分に前向きな企業が増え、今後は企業が豊富な手元資金を成長投資などへ積極活用してゆくかが課題になるとも書いてあった。

5年ぶり最高ということだがその5年前の某日日経紙一面には、合計金額が前年比23%増加の13兆円と上場企業が株主への利益配分を強化している旨の記事が躍っていたのが思い出されるが、これに絡んではもう一つ週末の同紙記事にGPIF(年金積立管理運用独立行政法人)が2014年度にも上場企業の中から資本を有効に活用し収益力が高い企業を選ぶようにする旨も目に留まった。

この資本有効活用といえばROEだが、先に当欄ではJPXがTOPIXTP並ぶ株価指数にROEを目安に上位数百社を銘柄選択しその時価総額の増減幅を指数化という方針を取り上げたことがある。当然ながらGPIFはTOPIX基準からこの44年ぶりに創設する新指数等の銘柄選定で一部切り替えてゆくことになるが、こうした連携が上手い形でマッチングしてくれば市場環境もまた面白くなってくるだろうか。


スピードを感じる経営と株価

さて、このところ日経平均もなかなかモタついた毎日が続いていたが、本日は3日ぶりに14,000円大台回復となった。これまで指数への高寄与度銘柄がダレてこの辺も影響大であったが、そんな中でも唯一ソフトバンクが気を吐きなんとかこれらのマイナス相殺に一役買っていた格好。

本日はシティの格下げが響いて大幅続落したものの、このソフトバンクといえば直近では時価総額が一時9兆円の大台を超えてあの三菱UFJFGを抜いたのが話題になっていた。これまでほぼ定位置が決まっていた時価総額時上位の第2位にとうとう躍り出ることになりますますの影響力も感じるが、時価総額が9兆円を越えたのは13年ぶりのことでこの時はITバブルがはじける直前で改めて当時の勢力図等が思い出される。

ところで時価総額が名門企業を押えてその上に躍り出たとこれ以外に話題であったのは、5月のガンホー株か。同じエンターテーメント界の雄オリエンタルランドを抜き一時は任天堂さえも抜き去ったが、このガンホーもまたソフトバンク系である。

この離れ業をやってのけたのが連日のストップ高によるものであったが、今回のソフトバンクも約2ヶ月で時価総額を1兆円も増やしており、両者共経営のスピード感がそのまま時価総額増加にリンクしている恰好だ。


箪笥株の行方

さて、先週から幕張メッセでは国内最大の家電・ITの国際見本市「CEATEC JAPAN2013」が開催され、ライフイノベーション部門にはNTTもエントリーしていたが、このNTTといえば先に所在不明の株主47,000人分の株式45万株を来年にも処分すると発表している。 

これに続いて先月末にかけて報道があった企業には川崎汽船の2,550人分にあたる約46万株や、J・フロントリテイリングの株主1,700人分にあたる約29万株を処分という件もあった。更にNTT以前には丸紅や、先々月には京王電鉄が自社株として買い取りを執行している。

まるで換金しに来ない宝クジのような存在だが、たまに見かけるみずほの呼びかけ告知にこんな奇特な人も居るのかと首を傾げて見ていた私も、実際遥か昔に売却した株式が書き換えされないまま端株分の配当通知云々が長年届いていた時期があった。きっと所謂本当のタンス株がいまだに多く存在するということなのだろうが、債務消滅の時効というのもあるので執行後であってももう一度可能性のある向きは確認して損はないだろう。


日進月歩の技と趨勢

ベルギーのアントワープで開催されていた世界体操選手権において週末の種目別決勝では、白井選手が男子床で、亀山選手が男子あん馬で、そしてベテラン内村選手が平行棒でそれぞれ金メダルを獲得する快挙の報があった。

中でも今回は世界で彼しか成功例がなく、特に注目されていた白井選手の金を取った床運動は圧巻であった。金を取る決め手になった今回のF難度「後方伸身宙返り4回ひねり」は既にFIG(国際体操連盟)に新技申請しこれではれて「シライ」と命名されることになったが、あのミュンヘンオリンピックで生まれた「ツカハラ」から約40年、今では若干17歳の高校生が自身の技を国際的に刻む時代になったということか。

実際上記の世界を驚かせたツカハラこと「ムーンサルト」も今では高校レベルでは普通に大会練習等で彼方此方でお目にかかれるし、先のロンドンオリンピックでのオランダのゾンダーランド選手のD難度以上3種の連続技を見るに末恐ろしい感さえ覚えるが、個人的には停留することの無い流れに美しさを見出していたあん馬の近年の倒立系や、ロンダードから入る跳馬等にはやや違和感を覚えるところ。

斯様に体操界も本当に日進月歩を感じざるを得ない。一昔前の体操といえばやはり美しさが要であったが、今や前人未到の大技を繰り出してDスコアを吊り上げてメダルを狙うのが趨勢になってきている感じがする。


53年の呼称に幕

コーヒーを飲んでいてふと思い出したのだが、今週初めの日経紙・経営の視点には「世界のネスレ なぜ強い」として手厚い福利厚生やその突出した営業利益率等が載っていた。それに倣うべく先に上場したサントリー食品インターナショナルもグローバル企業へ脱皮する為の指標としているのが同社であるという。

ネスレといえば先にネスカフェを刷新した際に半世紀使ってきたインスタントコーヒーの呼称をやめレギュラーソリュブルコーヒーとする旨を発表している。これに対してコーヒー業界からは消費者がレギュラーコーヒーと誤認する恐れがあると一部困惑の声も上がっている模様だが、製品開発も日進月歩で従来の呼称では定義できない商品が出来つつあるということだろうか。

とはいえ日本進出100年目の同社にはやはり先導力を感じざるを得ない。文中にも書いてあったがネスカフェは日本市場だけでも年間120億杯相当を販売、日本人が呑むコーヒーの四分の一を占めるという。イメージ先行でスタバあたりが連想されそうだが、アンバサダーなるユニークな制度も手掛けており包囲網は強固である。

他にもイオンがキットカットを模倣したPBを作った際にも「中身をPBと入れ替えたとしても必ず売れる」と言ったという同紙の以前の記事も記憶に残るが、この一件ではブランドの類似品だけでPBは成長しない事を確認した格好になった。最近ではこのPBもセブンゴールドの「金の食パン」が大ヒットし大手の追随を喚起する等なかなか面白い構図になってきているが、この辺とも併せブランド価値は何かというものをあれこれ考えさせられる。