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金を取り巻く関係者

昨晩の金は大幅高し年初来高値更新の動きでTOCOMもしっかり。さて金といえば、昨日触れた年明けの日経紙「経営者40人に聞く」景気・株価2012年私の見方とした特集が載ったのとちょうど同じ日にテレビでは、「ガイアの夜明け新春特別版・ゴールドラッシュの真相を追う」の放映もあった。

マクロをタラタラと語って時間を潰すよりもそこそこ俗っぽい映像も織り込んでなかなか面白かったが、以前から行われていることも今更ながら金ブームと煽って映像にするとリアリティーあるものへ仕上がるものだ。登場人物としてはお馴染みジム・ロジャーズ氏など銀座のTANAKAでこれ見よがしに金工芸品を大人買いしていた映像があったが、一方で氏はこの番組が放映された日に金相場については、「調整の時期に来ており、1オンス1,200〜1,300ドルまで下落する可能性がある」とロイターに語っている。

しかしこうしたメジャー系の一方で、この金ブームならでこそ表舞台に出てこられるような向きも中には登場していたが、脛に傷持つ輩は後々やはり問題視される可能性が高いだろう。


今年の経営者予想

毎年恒例で年の始めには日経紙にて「経営者40人に聞く」景気・株価2012年私の見方とした特集が組まれているが、昨年同様に今年もこれに触れてみたい。去年は一昨年の各氏のハズシ具合を暇つぶしがてらザッと挙げてみたが、昨年は東日本大震災含め未曾有の事態が次々に起こったということもあり例年同様にこの辺を検証することに意味も無いので今年は割愛。

さて、今年の総括としては昨年を踏まえ突飛な見方が出るわけでもなく日経平均高値予想平均が昨年比1,825円安、そして安値予想は昨年比1,525円安とそれぞれ切り下がっている。個別の有望銘柄については毎年常連の信越化学工業始め、今年有望銘柄1位になったコマツやトヨタなど昨年は逆にカラ売り銘柄としてなかなかのパフォーマンスを上げてくれた銘柄となったが、今年もちょっと上がったところはどんどんカラ売りしたいと思う銘柄がある一方で、本当に上がりそうなものが3銘柄ほどあるなというのが個人的な意見。

ところで昨年の末尾は「まあ、多分来年もまた国内大手証券会社の社長連中は、必ず年初安に年末高の予想を挙げてくるはずなのでもしそうだったら笑って欲しい。」と纏めたが、果たして営業政策上今年も大和・日興共にお約束の年初安・年末高の予想コメント。他にコンサバ系の企業社長もこれに右へ倣えといった予想だが、来年もまた連中の判で押したような相場観が載るのは想像に難くないか。


辰巳天井

皆様、新年あけましておめでとうございます。

本日は周知の通り株式・商品共に大発会であったが、ここ数年の傾向を踏襲し共に総じて堅調なスタートを切った。東証など大納会では日経平均が29年ぶりの安値に沈んだものの、「なでしこ効果」があったのかどうか本日は今迄重かったコア系も動き33業種全てが上昇、3週間ぶりに8,500円台を回復して引けた。今年は「壬辰」、「辰巳天井」といわれ、戦後5回の辰年の騰落率平均は29%の上昇と十二支の中でも戦後トップの上昇率を誇る。

とはいえ、こんな時勢下で昨年も「卯跳ねる」とはならなかっただけに神通力効果にも今ひとつ委ねきれない雰囲気でもあるが、今年は上記の通りコア系の動き如何では凪のような展開からボラタイルな展開へ移行出来るような感じがする。

また、ちょうど一年前の当欄では元旦付け日経紙「年間予定」の1番始めに商品先物取引法施行が載っており不招請勧誘含め総合的政策で商品業界はどういった展開になるのかとしたが、今年は取引所政策と並行し各々新たな方向性も出て来るか。また末尾には「〜今年もM&AやMBO等で商機ありという流れが個別で続くか」としたが、果たして昨年はこうした動きが急増となった。今年も引続きMBOにTOB、それに親子上場関係もキーになってくるか。

本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。


1/4付でスマホ対応版(最適化)「D-touch」提供開始

北辰物産は、2012年1月4日よりスマートフォン対応トレードツール「D-touch」提供開始(サイト最適化)。対応機種は、iPhone、Android対応。

▼スマートフォン対応ツール(D-touch)リリースのお知らせ



D-touchの特徴・機能

1)UI(User Interface:操作性)を追求したホーム画面
各メニューをアイコン化することでタッチ操作を最適化!スマートフォンで快適な操作性を実現しました。

2)リアルタイムで自動更新される相場情報
相場表・気配値・チャート(分足・Tick)はリアルタイムで自動更新!スポットレートもご覧いただけますので、外出時にもPC版取引ツールと同レベルの相場情報をリアルでお届けいたします。

3)My相場表利用することでもっと快適に
My相場表で普段取引する銘柄のみを表示!それぞれの銘柄をタップするだけで、詳細な相場情報や新規注文画面へ遷移します。

4)特殊注文設定で相場を見れない時にも安心
外出時など相場情報を頻繁に見ることができないとき、リスクを限定して建玉管理・注文をしたい場合などに、特殊注文(Dip ・Duo)を利用すると便利です。

5)ニュースは時事通信社からのリアルタイム配信
D-touchで配信されるニュースは、時事通信社からのリアルタイム配信!24時間いつでも気になるニュースをチェックできます。

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業界の地を想う

何時だったか当欄で以前、「銀座は変遷著しく経済を肌で感じ易い街である。」と書いたことがあったがこんなマクロでなく、商品業界を如実に表していたのが日本橋の蛎殻町界隈か?商品取引所トップは言わずもがなTOCOMであるが、業界のロケーションとしてはやはり蛎殻町にあった東穀取周辺が中心地だろうか。

同取引所を取り囲むようにして上場組から地場まで多くの取引員がこの地に長年拠を構えていたものだが、直ぐ隣にあったカネツ商事は移転し今や更地を経て真新しいビルがテナントを募集中、取引所真ん前にあった明治物産は受託業務廃止から減資措置を経て事務所が無くなり、ココも現在は更地になってしまった。そして隣にあった同じくアサヒトラストは岡安商事へ事業譲渡。また今は無きフジチューが入っていたビルもいまだテナントが入らずに寂しい佇まいを晒し、志半ばで撤退していったSBIFの跡には歯科医院が入居、歯科医院といえばオンラインがあったところの小林洋行2号館も最近になって歯科医院に変わっている。

斯様に周辺取引員がポツリポツリと撤退し、その中心に位置していた東穀取は一部取引員と共にポツンと残された格好になっていたが、今年はとうとう自社ビル本館を三菱地所に売却し6月中旬から緑色の屋上が徐々に取り壊され、今は更地を経て「ザ・パークハウス日本橋蛎殻町」の建設真っ最中、ちなみにココでチマチマ育てていたミツバチは頼み込んで近所の高層マンションのアネックスに引越しとなった。これで視覚的にはとうとう本丸も無くなってしまったわけで、周辺の跡地含めてこの地区一帯の風景が一気に変わるのを想像するに一寸寂しい思いになる。

さてこうした風景の変遷と共に業界も新時代の幕開けになるかどうか、この辺を来年も引続き注視してゆきたい。

皆様、本年もご愛読ありがとうございました。
どうぞ良いお年をお迎えください。


再編への布石

さて本日の日経紙マーケット潮流・底流には「世界的再編には逆らえず」としてLMEの身売り検討の件が出ていた。この件については一度9月に当欄で触れているが、世界の商品デリバティブ取引所がCMEとICEに二分される中をLMEとしての独自性をこのまま維持出来るかどうかこの辺について書かれていた。

デリバティブの世界もそうだが、取引所といえば今年はLSE(ロンドン証取)と加TMXグループ合併が株主から承認を得られず、またSGX(シンガポール取引所)によるASX(豪州証券取引所)買収提案も豪州側の国益を損ねるとの一声で最終決定が拒否になった経緯がある。とは言っても元々FIRB(外国投資審査委員会)は近年受け付け案件の殆どを承認しており、やはりこの手はけっこうナーバスな問題であると再認識。

もう一つ、直近で揺れているのは米NYSEユーロネクストとドイツ取引所の合併案か。先週には米司法省がドイツ側保有の米電子取引所持ち株を全て売ることが条件と発表、欧州側も欧州委員会が独禁法絡みの審査で長引いておりこちらも妥協の繰り返しで合併メリットが薄れているとの声も聞こえる。

金融界では近年高まっている規制強化の動きに併せて再編機運が促進されることはあっても褪せることは無いと思うが、こうしてみると世界的にそうした機運が高まっているのとは裏腹に国が絡む上にその規模も背景を考えるにその辺の企業のM&Aといったようなわけにはいかず、均衡点到達まで国益をかけた腹の探り合いが続くといえるか。


基準緩和と抜け穴

本日の日経平均は連休中の海外が高かったことから反発となったものの、その商いは閑散を極め、半日取引を除いた記録で出来高は9億420万株と08年12/25以来の10億株割れとなり、売買代金も5,008億円と03年5/27以来の低水準を記録することとなった。

さて経営統合準備を控えこんな商い減少にアタマを悩ます東証であるが、この打開策の一環なのか先週には上場基準を来年3月から大幅に緩和すると発表している。即ち現状で経常利益と税引き前利益が2期前1億円以上で直前期4億円以上等となっているものを、新基準では経常利益に限って2年間の総額とし、この水準を満たさなくても従来1,000億円以上必要であった時価総額が500億円以上見込めれば申請出来るようにするもの。

これまでこうした振興策で取り上げてきたものには、カネを注ぎ込んだ高速取引や先月から実施の前場取引時間延長などやってきたが、これで第三弾?か。今回予定されているものは上記の通りジャスダックまでいかずとも総合的には可也垣根の低いものとなっており、二部市場の存在が微妙になってくるが、統合後の二部市場不要論も出ていた折その布石か?とも取れなくもないか。

その辺は兎も角も、今回の基準緩和では直前が赤字とか減益傾向でも上場承認の道が開けるワケで悪く取ればまたこれで魑魅魍魎の質の会社が潜り込める可能性もあり、そうなると当然如何わしいアレンジャー等の暗躍の場も与えられる懸念もある。直近ではオリンパスが騒がしいが、今迄粉飾で消えていった企業など当該企業や悪徳ブローカーに矛先が向きあまり胴元の監督責任にスポットが当たらなかったが、この手が相次ぐようだとそろそろこの辺がクローズアップされてきてもおかしくはないか。


表に出るモノ出ないモノ

さてこの年の瀬に来ても駆け込み?でMBOモノが続々と出ている。本日ストップ高に張り付いている「ワオ・コーポレーション」は昨日にMBOを発表、また先週MBOを発表した「ホリプロ」も本日まで連日の急騰となっていたが、ワオ・コーポ共々MBO価格まではお約束の急騰というワケでホリプロの方は本日で急騰劇は終了し、以降はこの辺で価格は固定されようか。

このホリプロ、先の日経紙上ではかつてエンターテインメント企業が一流と認めてもらうには株式上場が必要だったが、自社の認知度も高まり目的を果たせた。他、コストをかける余裕がないという判断もあると述べていたが、芸能関係では先に「吉本興業」もMBOを実施している。

吉本興業といえば芸人のよからぬ関係がメディアを賑わせることがしばしばあったが、東証一部企業とて昨今のオリンパスのようにブローカー含めた闇世界が予想以上に食い込んでいる構図が明らかになっており、興行系も何かと闇世界との切っても切れない関係が取り沙汰される業界。オリンパスでは闇勢力への資金の流れは無かったと第三者委員会側は発表しているが、こう見ているといろいろな幕引きがあるものである。

オリンパスなど核心の部分が明らかにされていないと一部言われる中を今週は日経紙が同社の増資検討を報道していたが、東証による上場廃止か否かの結論も出ていない中でファイナンス報道がなされるというのも不思議な話だ。今年の原発事故などで情報操作されている実体がより広く知られることとなったが、都合に応じて報道構成されるオペはなくなることはないだろう。


買い支えの一年

本日の日経平均は辛うじて値段こそ小反発となっていたが、東証一部の出来高は11億6,946万株とこれは今年最低、売買代金は6,765億円と08年12月以来の低水準となった。リスクオフの動きから一ヶ月ぶりの安値水準で一段安の不安はあるものの、一方で日銀のETF購入観測もあり消化難の低迷が続いている。

さて、金融緩和策の一環として何度か取り上げたこの日銀ETF買い入れ政策もこれを開始してからほぼ1年が経過したが、最近は先月書いたようにこの買いが段々と細り市場への影響力も低下してきたとも報じられている。既に基金の購入総枠からして2012年末の期限まで「蓄え」がもつかと気をもむ向きも居るというが、上記の通りこんな商い薄のところへこの直接的な市場介入であるからまったくもって管理市場ともいえようか。

そんな自主性に乏しいゆえ日足が連続性のないコマを連日描くというのも納得できるが、この辺は来年も市場関係者の課題になろう。自主性の乏しさといえば日銀もどうしたいのか全く見えない一年であったが、出資証券も本日は38,000円台まで沈み年初来安値を更新となっているあたりがこれを象徴しているともいえる。


次々去る指導(独裁)者

さて、この年の瀬の昼前にいきなり入ってきたニュースには周知の通り北朝鮮総書記の報があり早速号外も出ていた。もともと昨今の欧州格下げ懸念でリスクオフムードが広がっていたものだったが、この報でウォンは急落、韓国総合株価指数も同様に急落となっていた。

一方、コモディティーの方は金が殆ど反応無しというより寧ろ弱含みと金氏で金買い喚起はならずといったところ。そうそう、コモディティーといえば先月に国際フォーラムで講演したジム・ロジャーズ氏は訪中時の話題でミャンマーやスリランカと共にこの北朝鮮の将来性のことについて触れていたなと。

ところでリスクオフから日経平均も後場一段安でスタートとなったが、そんなマーケットの中で早速急騰したのは「豊和工業」と「石川製作所」あたりか。双方後場寄りから北朝鮮の報で防衛関連ということで急騰していたが、面白いのは既にこれら先月から不気味に出来高が膨らんでいたという点。

そうそうこんな現象ではもう一つ、本日ストップ高と急騰していた「重松製作所」もこのパターン、一昔前の話になるがあの忌まわしい地下鉄サリン事件の直前に異常に出来高が膨らんだ経緯もあったなと。はて、たまたま偶然か否かだが株式市場には時々こんな不思議も起こり得る。


今年の漢字と商機

さて、今週は日本漢字能力検定協会の2011年の世相を1字で表す恒例の「今年の漢字」が、「絆」と決まったと発表された。これは今年で17回目になるがちなみに2位は「災」、3位は「震」、4位は「波」、5位は「助」と続きやはり今年は東日本大震災に大きく傾斜したものとなった。

さてこの「絆」だが、デパートなど今年の年末商戦は家族や知人との「絆」につながりを感じることが出来る商品が好調に推移しているという。また、この「絆」関連では改めて東日本大震災を境に未婚男女に高まっている絆意識に商機の期待がかかり、株式市場では全施設形態を持つ結婚式オペレーター「エスクリ」がこの冴えないマーケットの中で、一人気を吐き昨日も年初来高値を更新している。

予てよりこの年末は自粛ムードの反動などもあって都内のホテルなどは強気の高額プランなどが続々と出ているが、上記の百貨店なども震災後に大切な人とのつながりの象徴として高額宝飾品の伸びが著しいといい、また家族や大切な人と過ごすなら御節も奮発ということで都内主力店ではこれも前年比2ケタ増のペースで予約が入っており高額品ほど好調という。

まあ気分転換の常套手段としての行動心理で高額消費はしばしばいわれるが、こうした気分一新の次に消費者はどう動くのか、消費持続力の試金石としてもリバウンド需要後が注目される。


今年最大規模

本日は先週に日興アセットの対として一寸触れたネクソンがはれて上場となった。日経紙等にも再度堂々の全面広告が載っていたが、注目の初値は公開価格に対してわずか0.5%高でアッサリ寄り付きあと揉み合い、モタついていたものの売買代金では東証一部でトップとなった。これで資金を吸い取られたの如く本日は2桁銘柄が活況で、もはや幅というより率で勝負といった商いがマーケットでは主流となっていた。

この株自体は先にも書いたように日興アセットの2倍の吸収額と今年最大規模の案件な上に、グローバルオファリングということもあって派手な値動きはあまり想定されていなかったが、一方でパッシブファンドの買い需要他、投信の組み入れ期待も一部には出ている模様でこの辺は改めて一部直接上場の箔を認識させる。

総じてゲーム系など同業は本日軟調推移であったものの、一昔前と比べるに東証一部もこうした業種が幅を利かせるなどほんとうに景色の一部が変わった感がする。そうそうゲーム系といえばもう一つ、海外でも本日は米ジンガがナスダック市場に上場の運びとなる。こちらも前評判では初値設定が低めとも言われていたがさてどうなるか、その辺も含めアイテム課金という形態が今後どういった歩みをしてゆくのか興味深いところでもある。