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楽天証が株式追加取得、楽天Gが93.6%保有に

楽天証券は、2011年7月4日付でドットコモディティの株式32,110株(発行済み株式の22.3%相当)を追加取得。この結果、楽天グループとしてドットコモディティ株式の93.6%(内、楽天証券保有36.9%)を保有に。

▼ドットコモディティの株式追加取得について=楽天証券(PDF)


 楽天証券株式会社(代表取締役社長:楠 雄治、本社:東京都品川区)は、本日、国内商品先物取引における最大手であるドットコモディティ株式会社(代表取締役社長:舟田仁、本社:東京都渋谷区)の株式32,110株(発行済み株式の22.3%相当)を追加取得いたしました。この結果、楽天グループとして同社株式の93.6%(内、楽天証券保有36.9%)を保有することとなりましたのでお知らせいたします。


 近年グローバルマーケットにおいては、証券、デリバティブ並びに商品先物取引の複合的な運用が進み、証券取引所やデリバティブ・商品先物取引所においても統合化が進む状況にあります。この様な環境下、弊社では従前より提供している大阪証券取引所の日経225先物および日経225オプション取引に加えて、2010年10月にCMEグループのGLOBEXに接続し、CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)、CBOT(シカゴ商品取引所)、NYMEX(ニューヨーク・マーカンタイル取引所)、COMEX(ニューヨーク商品取引所)の4取引所およびSGX(シンガポール取引所)での海外先物取引を開始し、有価証券デリバティブのみならず、コモディティ分野にも進出しております。


 今般の株式の追加取得は、国内最大の商品先物取引業者であるドットコモディティとの関係強化により、さらなる商品ラインアップの充実とグループとしてのシームレスで利便性の高いサービスを提供することを目的としております。


 今後、楽天証券はドットコモディティとの連携を強化し、証券分野のみならず、コモディティを含めたデリバティブビジネスの充実を図ることで、BtoC型のビジネスはもちろんのこと、BtoB型のビジネスへの拡大や海外ビジネスへの取り組みを進め、グローバルマーケットへの一層の対応を進めて行きたいと考えております。


【ドットコモディティ株式会社 会社概要】

・商 号:ドットコモディティ株式会社
・代表者:代表取締役社長 舟田仁
・設 立:2004年12月1日
・本 社:東京都渋谷区恵比寿1−21−8
・主要株主:楽天株式会社(56.7%)、楽天証券株式会社(36.9%)
・資本金:1,899百万円(2011年3月現在)

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BLACK SWAN〜魔性を宿す市場

さて、先週で大方メインの劇場では終ってしまったが、知人の誘いもあって過日はナタリー・ポートマン主演の「ブラックスワン」を観る事に。さすがアカデミー賞やゴールデン・グローブ賞の主演女優賞を受賞しただけあってナタリー、ある意味コワ過ぎな感。バレエ団監督役のヴァンサン・カッセルも、こうして見ると「オーシャンズ」シリーズで演じていた怪盗よりもこちらの役の方がハマリ役かと。

何れにせよ肉体を昇華させ必要以上?に意識させるホラーにバレエという素材を使ったのはなるほど正解という気がした作品であった。余談だが、劇場からほど近い「キルフェボン」のケースにはこの映画の公開記念と称し「ブラックプリマのタルト」なるものも並んでいた時期があったが、これまた官能的な香りに仕上がっておりなかなかだったのもフト思い出した。

ところでこの「ブラックスワン」、こんな有名な映画は知らなくともこの言葉をしばしば使う市場関係者は多い。この映画公開前から既に使われてきた、確率的には稀ながら仮にそれが起きた場合は極めて多大なリスクを伴う、その想定外リスクの大小を示しているというCBOEが算出・公表している通称「ブラックスワン指数」なるものがあるからだ。

この指数、「VIX」に酷似しているがこちらはより深刻な状況を示唆、今年も実際に2月中旬には一時130台超えとなり、これは金融危機時を上回る水準となっていた。この段階で既に「ブラックスワン」の登場を警戒する不安心理の高まりを示していた訳だが、果たしてその後は周知の通り。市場もまたプリマ同様常に二面性を秘めている。


SGXのトレーディング・メンバー資格を取得

ドットコモディティは、6月29日付でシンガポール取引所(以下、SGX)のトレーディング・メンバー資格を取得。SGXのトレーディング・メンバー資格を取得したのは商品先物会社としては日本で初めて。また、トレーディング・メンバー資格取得と同時に、インターディーラーブローカー(IDB)資格も取得。

ドットコモディティを通じて、海外の取引所にオーダーを出せるのはCMEグループの各取引所(COMEX・NYMEX・CBOT)及びICE US ・ICE EUに限られていたが、今回の資格取得により、新たに、SGXに上場されている銘柄(銅・アルミニウム・亜鉛等)を、ドットコモディティを通じて取引することが可能に。

▼シンガポール取引所のトレーディング・メンバー資格取得のお知らせ


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金を買う理由

昨晩の米株式はギリシャ債務危機への対応を巡る楽観的な見方から大幅続伸となったが、斯様に今週はこのギリシャが市場を振り回している。さてこのギリシャ、先週の英ファイナンシャルタイムズ紙ではデフォルトと銀行取り付け騒ぎに備え、市民が銀行預金を全額引き出して金を買う動きが活発になっていると伝えている。なんでも地元の貴金属業者によればリクイディティーの都合か金貨が金地金の5倍売れている状態と時事にも書かれていた。

ところで金といえばもう一つ、先のインドの5月貿易統計が発表され、その中で5月の金・銀の輸入は89.6億ドルと先月に比べて500%増加、前年同期日では222%の増加と金や銀の輸入が急増している事も判明している。

また先の日経CNBCでは「中国が金を買う7つの理由」として放映があったが、概ね昨年12月に放映した「北京の金需要最前線レポート」の再確認という感じであったものの、この7つの理由の一つには中国人民銀行が金投資を奨励しているというのがあった。上記のインドでもインド準備銀行が新たに7つの商業銀行に金の輸入代理店となるライセンスを付与しており、この辺はいずれも国策が窺える。

欧州とアジア、各々の金買い事情は異なるが、一昨日にも書いたモナコでのヘッジファンド業界のGAIM会議に出席したガイア・キャピタルのマネジングディレクター、コースト・ストレンジャー社長は会議の際のインタビューで、銅などのベースメタルには警戒的だが、貴金属については強気だとの見解を示している。日替わりで材料には事欠かない昨今、まだまだ弱気を謳うのは時期尚早か。


コラボ終了

さて、昨日の東洋経済オンラインではアパレル系の記事を見掛けたが、オンワード樫山が4月の売上高前年比で4%の増収、ダイドーリミテッドが同8%増、サンエーインターナショナルは同12.4%増となるなど、軒並み苦戦続きであった百貨店・アパレルブランドがにわかに活気づいている旨が載っていた。

5月以降も堅調な売り上げのトレンドが続いているというが、反面ユニクロやしまむら等は冴えない模様だ。そういえばこのユニクロといえば一昨年の10月にジル・サンダーと夢のコラボということで鳴り物入りの登場となった「+J」は当欄でも触れたが、先週には今冬限りで契約終了と発表している。

業界の知人もこれに関しては仕立てからしてもCPはなかなかと賞賛していたのを思い出すが、ユニクロ側は「このコラボによる新しい服作りの可能性は、一旦追求しつくした」との声明を発表。それにしても予想外?に早い打ち切りだなというのが正直なところで、双方共に各々拘りが強かった分、文化というかその辺が何処まで判り合えたかという疑問もある。ともあれ今後また既存のベーシック路線一辺倒に回帰するのかどうかこの辺も気になるところ。


EXITの真意

今月は先にヘッジファンド業界の「GAIM会議」がモナコで開催されていたが、出席したヘッジファンド会社幹部らは銅などのベースメタル含むコモディティー価格はピークに達したのではないかとの見方を示し、先月の急落が今後の下落の前触れではないかとの懸念からこの部門への投資を避けている旨をロイターが伝えている。

この中の一人ガイア・キャピタルのマネジングディレクター、コースト・ストレンジャー社長は会議の際のインタビューで、投資家の関心の高まりや急騰する価格を背景に最近相次いだコモディティー関連のIPO(新規株式公開)は高すぎるようだとして警戒を促し、最近注目を浴びたスイスの商品取引大手のグレンコアなどの上場は、バブル的様相を帯びているとみているとも伝えている。

このグレンコア、先月ロンドン市場に上場した際に当欄でも少し触れたが、そもそもがこれまで非上場を貫いていた企業の変化はやはり気になるところだろう。資源に目利きの巨大商社がココをイグジットの好機と見るのもチャートを並べてみるとより一層そういった思惑が募るところ。

この辺に絡んでは先週末の日経紙にて「商品相場の過熱和らぐ」と出ていたが、同時に直近で行われたIEAによる石油備蓄放出決定を受けた原油相場一服もその効果は長続きしないとの見方もあると書かれていた。斯様に如何様にも予測されるところだが、何れにせよ株式交換など新規の武器も駆使できるようになった訳で今後の戦略にも一段と注目となろうか。


ジパング展

さて、今週初め迄日本橋高島屋では「ジパング展〜31人の気鋭作家が切り拓く、現代日本のアートシーン」と称して現代絵画、映像、立体などの作品が展示されていた。以前に一度写真で見て気になっていた作家さんも参加しておりたまたま近くで所用もあったので一寸チェックしてきた。

今回は展示数こそ少ないながら何れもなかなかインパクトのある作品揃い。入って直ぐにはいきなり鴻池朋子氏の大作「無題」の一部が鎮座、その並びには会田誠氏の艶めかしい「大山椒魚」が掛けられていた。ZIPANGUと打ってあるだけに和モノテイストにも期待が掛かるが、山口藍氏の「道すがら」や山本太郎氏の「隅田川桜川」などあらためて実物はやはり圧巻であった。

また渡辺佳織氏「開け心」のシルクタッチな作品を始めとしたお馴染み折り紙モチーフの作品もなんとも艶があったが、彼女も含め熊澤未来子氏の「侵食」や岡本瑛里氏の「奪還」など緻密なタッチとそのメッセージ性には感心、ちなみに彼女ら女性陣は全員20代でこれから先がいい意味の末恐ろしさ?を感じる。

しかしコンテといえば、昨年の旧フランス大使館で開催された「NO MAN’S LAND」以来であったが、ちょうどこんな国難の最中で日本ブランドの信頼性が揺らいでいる折、こうした独自の文化力はまだまだ健在だなと改めて認識した展であった。


ヤリ得?

本日の日経平均は続伸し久し振りに75日線をクリヤしてきたが、出遅れポストやここ原油安で冴えなかった資源系の国際帝石も戻してきた。ところで国際帝石といえば当欄で昨年夏に取り上げた通りの大規模ファイナンス銘柄だったが、金融庁は企業の公募増資に関連した不公正な取引を防ぐ為に、増資発表後に空売りした投資家への増資で発行される新株取得を禁止する等の新規制を今秋にも導入する方針を固めている。

今迄この辺のオイシイ仕組みは2年前にも「公募増資利用型手法」としてコメントしたことがあったが、漸くココへもメスが入るという運びか。しかしそのまま「インサイダー取引」というイメージが薄いのかどうなのか日経紙に出ていた内容では金融商品取引法違反として30万円以下の過料という。

この過料なるものだが、解釈では刑罰ではない軽い犯罪のジャンルでありこの手の取引にしてこれは随分寛容な考えだなと。逆に言えばペナルティーがその程度の額で済むならば必要経費の範疇で幾らでも実行に移す輩も出てくる可能性はある。この手は線引きが非常に難しいが中途半端に固まってしまうことが危惧される。


復興カジノ

今日は何れも一服となっているが、先週末から俄かに動意付いたモノに日本金銭機械やオーイズミ等のカジノ関連株がある。何れも震災ショック後の安値からの戻りも鈍く売り直しの動きから直近ではその安値に接近、一部は年初来安値を更新していただけに、降って湧いたような「復興カジノ」なる好材料に物色難の資金が取り敢えず向かったようだ。

さて国際観光産業振興議員連盟、所謂カジノ議連であるが、昨年の夏に私案としてのカジノ法案が提示されたものの、例のスポーツ界の賭博問題勃発や加えての政局混迷が障壁となり動きが鈍かった経緯があるが、東日本大震災の復旧・復興に向け厳しい財政の支援策は焦眉の急という環境の変化がにわかに転機となった模様だ。

当初は2ヶ所ということで東京都・大阪府・沖縄県の争いがいわれていたが、宮城県仙台市に「復興カジノ」を設置し、その収益を大震災の復興財源にするという超党派議連の動向も一部報道されている。

その辺は兎も角もどの段階でこの私案が議連案に形を変え法案提出の運びとなるかだが、公営ギャンブル系は所管省庁OBの天下りがお約束、昨年の事業仕分けではないがこの辺もどさくさに紛れてカモフラージュされていないかどうかチェックしておく必要がありそうだ。


どちらのバンザイか?

さて、東穀取は先週末17日にNon-GMO大豆とロブスタ種のコーヒー生豆の2銘柄について、売買高の低迷が著しく今後も回復が難しいとして、今後は新たな限月を立てないと発表している。これで既存限月がすべて納会を迎える約1年後にはいずれも上場休止か廃止となる見通しだ。

東穀取はかつて横浜商品取引所を吸収合併したが、大義名分?でなし崩し的に延命措置を謀ってきた引継ぎ凋落商品をある程度保有期間を経て廃棄処分にしてきた。今後はココがTOCOMへの市場移管を控えて二度手間にならぬよう事前の選択集中ということかだが、両商品ともかつては当業勢の活発な商いがあった時期もあり、何故彼らが撤退していったのかその辺も再考すべきだろう。

ところで東穀取といえば期待の大型商品「コメ」上場認可の可否までもう僅かである。そんな矢先にJA全中は、先週末に現会長の後任に新潟県農協中央会の万歳会長を充てる人事を固めている。名字こそ「バンザイ」さんとメデタそうだがこの方、TPPと併せコメ先物の上場を巡る議論では前会長を踏襲し強固な反対路線を貫くとされている。

市場修復の可能性も握っているこの上場認可、政治が絡むだけに環境云々だけで語れないが果たしてJA側のバンザイ!となるか、はたまたまたも東穀取がお手上げのバンザイとなってしまうのか目先はこの結果に注目したい。