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野ギャルの次は野ムラ?

さて、先週末の大手各紙には農業の規制緩和を受けて、野村ホールディングスが農業ビジネスに参入する旨が載っていた。潜在的な成長分野である農業に早い段階から関与することで、本業の金融・証券サービスにも相乗効果が期待できるとみているというが、国内金融機関が農業ビジネスに本格的に乗り出すのは同社が始めてという。

農業といえば折しも2020年までに実現すべき成長目標として食糧自給率50%を掲げ農林水産省が農林水産分野を成長産業化するとしており、其の為の環境整備、産業規模の拡大、輸出促進の強化、将来ビジョンの策定とその実現等が打ち出されているが、株式市場でも折りにふれその関連銘柄が動意付く場面も見られた。

これら農業関連では、井関農機、日本農薬、クボタ、クミアイ化学工業、イハラケミカル工業、ホクト、雪国まいたけ、カネコ種苗、等々ざっと思い浮かぶだけでゾロゾロ出てくるが、ほか、物色されていないものでも二部やJASDAQにはこれらに関する対象銘柄が幾多もある。

そういえば産業規模の拡大は、水産物始めとする資源を食品産業など様々な産業と連携して利活用し新たな付加価値を生み出す等とあるが、野村は今月12日付にも書いたように漁業関連企業に運用対象を限定した投信を先に出している。2020年度までに6兆円の市場創出を謳っているが、コンサルといってもいろいろな芸当が出来そうでこの辺も注視しておかねばならないだろう。


花火も3D時代

さて、やはり東京の夏の風物詩として大規模な花火大会は外せなく、7月の〆が先の隅田川花火大会なら8月はやはり先週末開催の東京湾大華火祭という感じになるだろうが、東京湾大華火大会は尺5寸玉が入る等もあり周りも同大会の方のファンが多い。

今年も例年通りに自宅から観賞となったが、先の隅田川と共に技術はやはり日進月歩。発色は勿論のこと、昨今の映画やテレビの如くに3D系の花火も見せ方が格段によくなってきた。また全般では構成も所謂シリーズにおける飽きさせない間の取り方というか、その順番も綿密な計算あってのものと苦労が伺える。

ところで先の隅田川花火大会も今年は東京タワーを抜いたスカイツリーを意識したテーマが多かったが、思えばこの東京スカイツリーがテーマとして挙がり始めた頃は丁度着工が始まったばかりであったものの、はや今年は既に東京タワーを抜いたその姿がグンと会場近辺の光景に堂々と映えていたのが印象的であった。もう一つ、この頃から飛行船から花火大会を観賞するのも大流行しているとコメントした記憶があるが、直後にリーマンショックが襲いはやこの会社は破綻している。

斯様な暗い部分もあった半面、大会に関しては不景気といわれながらも各所ではスポンサー復帰がポツポツあった模様。人間を集めるのは光と動きと音というが、それら兼ね備えているのはやはり花火大会、いつまでも廃れずにいてほしいもの。


9/13をもって北辰物産にトランスファー移管の合意

大起産業は今後に予定される24時間取引への対応、スパン証拠金制度の導入に伴うシステム変更等において、十分なサービスの提供を続けることが困難であると判断し、2010年9月13日をもって「GALAXY」のユーザーの建玉及び取引証拠金等を北辰物産のー「D-station」にトランスファー方法にて移管することに合意。

▼建玉移管(トランスファー)についてのご案内=大起産業
▼トランスファーのご挨拶=北辰物産(PDF)
▼大起産業:GALAXYホームページ


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投信もフヌケ?

さて、今週から野村證券は10日付けの日経紙全面広告にも見られた通り日本を含めた世界の漁業関連企業に運用対象を限定した「アムンディ・グローバル漁業関連株投信」の募集を始めている。日興アセットも先に世界の医療関連企業株式等に投資するロックフェラーが運用する「日興ロックフェラー医療戦略ファンド」を設定するなど投信界もユニークな顔ぶれが続々登場している。

ところでこの投信といえば、証券取引等監視委員会は投信乗り換えを頻繁に進める事例が増えていると判断し、証券会社による投信の販売状況について立ち入り検査を通じて重点的に点検する方針を決めた旨を先週末の日経紙にて見掛けた。

確かに投信市場は多様化と共にその残高の伸びから裾野拡大が言われて久しいが、高水準の解約に加えてその保有期間が短期化してきているのも現状でありこの辺にはあまり触れる向きも少ない。勧誘規制といえば商品業界もそうだが、かつては「鎌入れ」と共にこの回転売買の「フヌケ」が横行した時期があったが相場業界何処でも同じようなものだろう。

証券界も収益の多様化を探る中で投信手数料は株式の約1.6倍にまで達しているがそうした中、先にもコメントしたように人気の毎月分配型でも複利運用でマイナスになるケース等もあり、乗り換えメリットが手数料を支払ってまであるかどうかにメスを入れるような動きが出て来るのも自然なところだろうか。


1%の立場

昨日は証取低迷に触れたが、そういえば昨日の日経紙商品面には「商取再編、待ったなし」として、経営難の取引所がいつの日か米国や中国の市場に飲み込まれ、消滅しても不思議ではないとした旨の特集が載っていた。

商取を危惧するこの手の記事は今に始まったことではなく、ここ近年は各紙において同様なものが見受けられるが、問題は東穀などに見られる様に外野には形式的な振る舞いで済ます一方で内側からは一向に自浄?作用の行動を取る気配が見えないところだろうとも感じる。

迷走の上に解散路線を取った中部大阪などもあるが、昨年の5/20付け当欄でその収益形態を「〜不動産収入に依存し仮にポスト割りしたら実質は8000番台の仲間?に入る類ではないか。」とコメントした関西商取などは、やはり同紙にも「実体は不動産賃貸業に近い」と書かれていた。

しかし、国内で見るとこの関西商品取引所は全国4商品取引所の売買高に占める割合が1%にも満たない。また証券も地方証取の株式売買代金を合計してもやはり1%に満たない等の現状を見ると、02年に世界の三分の一のシェアを占めた日本市場のシェアがわずか1%台にまで急低下している状況からして全体をコレに置き換えて考えると可也怖い。個別ではライバル減って玉の輿というウルトラCも選択肢として無いわけではないが、さて・・。


夏枯れ

本日の日経平均は後場から軟化し3日続落、出来高は14億7,667万株であったが出来高といえば昨日は今年最低の12億5,400万株にとどまった。FOMCを控える中、全体の取引を牽引する外人勢が既にバカンス入りしている上に国内もお盆の時期と相俟って、今年1月のピークと比べると4割弱の水準にまで落ち込んでいる。

こんな相場ではセルボラ仕掛けの向きなんぞは売りっ放しで順調なほど全般低調ぶりが目立つが、共に直近のIPOインデックスも週明け段階で前週末比231ポイント安の39,262ポイントとなり6営業日連続で過去最低を更新した。この薄商いの中で相場の弱さもあるが、やはり新規上場の減少が響いている部分も大きいだろうか。

この新規上場についてはまた後述するが会員の窮状もまた然りで、商品業界同様に対面は店仕舞いスレスレの状況が続き、リーマン・ショック以降は知り合いのコミッション連中から引退する旨の手紙をもらう回数も増えた。岩井とコスモは紆余曲折の末に合併まで漕ぎ着けたが、今後も上場組に係らずこの手の動きは継続されようか。

昨年末にも書いたが一発で稼げるプライマリーの恩恵にありつくのが難しい中小組はそれこそ同所のIPOに大きな望みを賭けているのだが、斯様な現状を見るにつけ先行きの上場含めて暗雲漂う気分になるのは否めないか。


高騰第二弾

さて、先週の日経紙夕刊には「異常気象 食卓に影」として世界的な異常気象が国際価格高騰を招き末端への影響が避けられない懸念の旨が出ていたが、此処に載っている通り世界有数の穀物地帯であるロシア各地では猛暑に因る干ばつ被害が広がり、小麦価格がここ急騰を演じているのが一寸した話題であった。

5日にはこのロシアが穀物輸出一時禁止との報道を受けストップ高まで買われたが、翌日は一転ストップ安の急落と先物も乱高下、日本はこの小麦の8〜9割近くを輸入に頼っており頭の痛い問題だが、この猛暑被害は足元の国内でも緑黄色野菜中心に直撃し、これらは軒並み5割前後の上昇で、外から内から彼方此方急騰劇である。

野菜などたしか春先も三寒四温の影響で高騰していた記憶があるが、こう頻繁になるとつくづくヘッジの必要性が問われる。さて、前回の小麦暴騰時にはオプション取引等でもパンクする向きが続出し、また多くの食品会社が価格転嫁に回ったが、このデフレ期にまた転嫁が相次ぐのかどうか思惑なものの、前回とは構図も違うのでそこまでの影響はないだろうか。

そうそう、直近ではもうじき迫る秋の味覚の代表格でもあるサンマも高値になる懸念が出ているとか。先月は三越で「新サンマ」として1匹1,500円と笑える札が付いていたサンマを見たが、なんでも北半球の猛暑の異常気象が影響し水揚げが極端に減少、築地市場の卸値は前年同期比で4割程度高値に上昇しているという。先に書いたスクイズで暴騰してしまっているココア等はまだ嗜好品の範疇(と言っても困るが・・)だが、普段の食品群の乱高下も困った問題だ。


規制第一弾

さて、今月からは周知の通りFX(外国為替証拠金取引)について上限が50倍とする改正内閣府令が施行されている。この件については過去当欄で何度か触れてきたが、一年後からは更に上限を25倍に引下げることになっている。

この規制で円高が更に加速する云々からビジネスモデル崩壊で業界淘汰論までその影響が前々から論議されているが、前者に関してはもともと高倍率はスキャルパーが圧倒的ということや別なファクターも山積みで全ての要因がそうと適わないだろうか。ただこれらユーザーは少数派とはいえ個々の取引量は高いのでそうした部分では当然の影響は個別ではあろう。

他、所謂規制逃れで海外モノへの誘導等も、なにやら最近はメルマガ等の媒介で口座開設推奨を仄めかす向きも増えてきたが破綻時の諸々のリスクも考慮すべきか。また別な抜け道関連としては法人口座という手も一部で取り沙汰されているが、今更な上にそもそも異質なものを一括りにスライドさせて捉える考えもどうかと思う。

さて、そんなわけで今後の市場参入者と併せ全般リクイディティーも変化してくるかどうかだが、この手の問題はお上がその構造を利用した特定系への規制目的という思惑がある上に、様々な取引形態における所謂「信用余力」の部分を人夫々がどう捉えるかで各々見方が相違してくるという部分から、一括して論ずるのは如何にも難しい問題であると思う。


50億個分のチョコ菓子?

さて、一昨日の日経紙夕刊にはファンド資金流入でコーヒーの国際価格が高値圏で推移している模様が載っていたが、同じソフトもので最近話題になっているのがココアか。

なんでもココアの価格は過去二年間で倍以上にまで暴騰しここ30年で最高値を記録しているが、その背景にはロンドンのヘッジファンド、アルマジャロの共同創業者の一人アンソニー・ウォード氏が先物7月限をスクイズし約24万トンものカカオ豆を購入した事があり、その量は世界の年間生産量の7%に相当するという。

同ファンドといえば商品専門で近年は新興国における原油や金採掘、農業関連から肥料会社まで関心を向けていた模様だが、ヘッジファンドの買占めというのはたまに派手なモノが出て来るから面白い。と外野はそんな感じであるが、リーマンショック以降は過剰流動性の相場介入にピリピリしている昨今、色々な意味で物議を醸し出す。

ちなみにココアなど個別の部分では今を時めくベルギーあたりの有名パティシエが食指を伸ばすと、途端に大化けするといった話を関係者から聞いたことがあったが、こんな大掛かりなものからすれば可愛いもの。ただその動向によっては製菓会社はレシピ変更や代替品使用に切り替えるとしており、そんな部分で末端へも影響が出てくるのは困った問題である。


それでも低水準

ここ調整色を呈していた金であるが、週明けもCOMEXは買われ4営業日続伸となっていた。さて、この金といえば日本の外貨準備のなかで保有している金が直近の6月末で306億ドルに達し、外貨準備の内訳を公表し始めた2000年4月時点の約4.6倍に膨らんだ旨を日経紙にて先月見掛けた。

この日本に限らず新興国も外貨準備の中で保有する金を増やしている。日本に次ぐロシアは6月末時点で668.6トンと09年末比で10%増加、フィリピンは同6%増の164.7トン、ベネズエラは同2%増の363.9トン、中国の09年末の1,054トンは08年年末比で76%増え、他インドも先にIMFから200トンもの金を購入している。

しかしこうして金の公的保有量ランキングなどを見てみると欧米諸国のそれはアジア勢に比べはるか多い。実際にECBなどはユーロ加盟各国中央銀行に対して、外貨準備の15%は金で保有することが望ましいという指針を出しているようだが、ドルが怪しくなる前にその比率を高める動きを見せた中国など今の数倍へ比率を高めるのが望ましいとの内部の意見も出ている模様だ。

実際に外貨準備に占める金の保有高が少ないといわれる日本でも2.8%、対して中国のそれはわずか1.6%にとどまる。ドルの不信から始まって次はユーロ不信と続き、結局は無国籍なこの金が各国から見直されているということなのだろうが、根が深いだけに今後もこうした動きが継続されるのは想像に難くないか。


意識改革

先週には大手証券5社の4-6月期決算が出揃ったが、最大手の野村HDなど市場混乱の影響から法人部門が411億円の赤字に転落、最終利益が前年同期比79.7%減と大幅減益となった模様である。ところでこの野村といえば、先週から傘下のチェイエックス・ジャパンが証券取引所を仲介せずに株式売買を行う私設取引所であるPTSを開設させている。

このPTS、初めて当欄で触れたのが4年前の2006年にカブ・ドットコム証券が国内初の同市場を創設した時であったが、その後は同様にネット系が続々と参入するに至った。このカブ・ドットコム証券は今月から注文取次ぎ1秒超なら手数料無料にするサービスを開始するが、今この後発組が注目されるのはやはりこうした注文処理速度があの東証が新稼動させたアローヘッドをしのぐ4倍もの早さを備えている点も大きいか。

欧州では同系列が僅か数年でユーロネクストをも上回る最大市場に伸し上がった実績があるが、現況でPTS市場は補完的な役割を担っていたが東証アローヘッドの稼動によってヘッジファンド等の取引が東証に流れはじめている。同市場稼動によって流出した顧客が再還流、延いては立場逆転して上記のような成長を遂げることになるのであろうか?

ちなみにこの新PTS、初日の売買代金は1億円強にとどまるスタートとなったが、斯様に各所における執行速度がシェア獲得の要となってくるのか、また先に東証の昼休み廃止論に触れたがこの辺も対応策の範疇に入るのかどうか今後の東証の出方も併せて注目しておきたい。