270ページ目

商取法違反からエイチ・エス・Fに業務改善命令の行政処分

商品取引員であるエイチ・エス・フューチャーズ株式会社(旧:オリエント貿易株式会社)(東京都中央区)について、農林水産省及び経済産業省で実施した立入検査等の結果、商品取引所法(昭和25年法律第239号。以下「法」という。)に違反・該当する事実が認められたため、本日、行政処分を行った。

なお、処分の概要は下記のとおり。

▼商品取引員に対する行政処分について=農水・経産省


続きを読む

フランス人の和食に日本人のフレンチ?

さて、ちょうど一週間前にはあの「ミシュランガイド、京都・大阪版」で三ツ星を獲得した店が食中毒を出し営業停止になったとの報があったがそれは兎も角、ミシュランといえば今月頭の2010年フランス版でジョエル・ロブション氏が初めて手掛けた本格日本料理店が一つ星を獲得したと発表されている。

日本の食材やサービスに大きな関心を持ってきたロブション氏が、外国人の味覚にも合う「正統的日本料理」を目指した店との事だが、正統的日本料理が如何ほど外国人の味覚に合うのか淡い疑問の残る中、フランス人の日本料理店が星を取るなどブランドバリューはやはり健在だなとこちらの威力に感心。

ただ、よく考えてみればこれよりも前に、あの平松氏が手掛ける「ひらまつ」パリ店なんぞはこのミシュランの星を開店早々に獲得しており、これも似たようなものかとも思ったが本場の敵陣?で星を取っている分、更にこちらは凄いなとあらためて感心。

しかし、欧州へ出掛けた際など空港でブロンド女性が寿司を握っている姿を見るなど、斯様に昨今はこの寿司など今や世界の誰もが知る日本食も多くなったが、ある国や場所によっては本来の料理とあまりにもかけ離れたモノが受け入れられて定着してしまっている部分も多く目にするにつけなんとも複雑な思いになることも多い。

ブームの負の側面とみてよいのかどうかいろいろと意見が分かれようが、食もイメージアップにかかわるひとつの重要な文化だけに、これらの取り組みは課題ともいえようか。


報道と企業のポーズ

本日の日経平均はメジャーSQを控えて身動きが取れず今年最小の日中値幅と膠着相場であったが、そんな中で目立っていたのは今朝大手各紙が挙って載せたところの、CSKホールディングス傘下のコスモ証券を同社に売却する方向で最終調整していると報道された岩井証券の急反発であった。

さて、これに対して当の岩井証券側はホームページでも早速「決定を行った事実はない」とのコメントを発表。こうした買収関係はもとよりこの手の「当社として発表したものであはりません。」というお約束のコメントは、決算シーズンなど期の見通しや決算予想など新聞各紙の報道に対して各社何処も上記のように対応してくることが多く見られる。

適宜開示が行われるまで独自で知り得た情報はディスクロのルールで開示出来ない決まりがあったと思うが、しかしながら決算数字やら統合比率やらそのスキームまでかなり詳細に報道されているのを見るとなんともポーズ的な色合いが濃いというか、果たして当の企業側が後に発表したものが寸分違わずであったりすると出来レースの感は拭いきれないのは自然なところだ。

ところで新聞記事においてこの手のよく見掛けるところの「関係者が語ったところによると」とか「関係者の情報によると」の関係者って誰なんでしょう?まあ、一連の行動が紛らわしく感じるにしても先取りするのが市場で、材料は都合のいいように使われるのが常だから別にいいのだが、ふとディスクロ過程に疑問を感じる時もある。


増殖するコモディティー系

先週末にはETF成功の鍵として、iシェアーズを展開する米ブラックロックが日本での上場投資を強化する旨の件にも触れたが、本日の日経紙経済面には英運用大手、ETFセキュリティーズが今月中旬をメドに国際商品価格に連動するETF14本を東京証券取引所に上場する旨が載っていた。

このETFセキュリティーズといえば、当欄でも昨年の8月に日本進出を果たしはれて貴金属やバスケットもの等が新たなところとして銘柄に加わった旨を書いたばかりだが、今回は一気に14本の上場というからなんともハイペースな感がある。

当初はこうしたコモディティー物がもの珍しく、直接的なフューチャーという形態から受益証券を手軽に売買できるという点に期待が膨らんだものだが、何というか人間勝手なものでこれだけ増殖ピッチが速いと商いが希薄化してこないかなどと早くも別な懸念も出て来る。

まあ先月など直近で通貨連動型の数種がリンク債の手当てに支障が生じる事態となり、スピード償還となった事などを目の当たりにしているだけに、この辺は余計にそう思ってしまう。兎も角、具体的にどんな顔触れが出て来るのか上場した段階でまた触れることにしよう。


増幅される新興国モノ

この休み中に日経紙経済面で目にしたのは、09年度にBRICs関連投信への資金流入額が公募投信全体の5割に達する見通しと出ていた件。これらの信託報酬は比較的高めなことから、価格変動リスクと共にこれらコストに見合う成績が得られるかに留意としている。

それにしても投信といえば昨今目立つのは所謂「通貨選択型」、本日も幾つかあったが新聞に大きくスペースを確保して広告するのは中小から大手まで挙ってこの手のパターンである。そういえば、一月末時点でこの手のモノの純資産残高は3兆円近くに迫る勢いであるというからなるほど凄い。

そんな資金の集まり具合からこれらの人気は想像に難くないが、既にマーケットでは投機筋がこれら多額の設定を見越しての買いを膨らませる行為も目立つと指摘されている。ただでさえ投信設定が上昇要因となっているところへこれらも加担し更に変動を大きくしているともいえようが、欧州始め信用不安波及がどの程度になるか不透明な中、高リスク資産への投資資金の安定性は如何ほどだろうか。

ハイ・イールド債やヘッジプレミアムやら手軽に代行とはいうものの、中身はヘッジというより残高シェアを伸ばしている「毎月分配型」なんぞも分配金を確保する為に其れなりのリスク資産で運用していることもあり、これらも併せて総合的に判断する余裕も持ちたいものである。


3/19より商品先物ネット取引開始、取次先はドットコモ

ひまわり証券は、2010年3月19日より商品先物ネット取引を開始。取扱商品は東工取11銘柄のみ。取次先はドットコモディティ。

▼商品先物取引の取扱い開始のお知らせ=ひまわり証券(PDF)
▼ひまわり証券からの取次受託開始に関するお知らせ=ドットコモディティ

尚、ひまわりCXでは以前ネット取引サービスを行っていたが、2007年10月1日に同事業を吸収分割によりドットコモディティに承継済。

[関連記事]
▼3社によるネット商品先物取引事業の統合に関する正式合意


続きを読む

ETF成功の鍵

本日のTOCOM日中では円高圧力もあって冴えない金であったが、NY金は続伸し1月中旬以来の高値水準となっている。この金といえば直近ではあのソロス・ファンド・マネジメントが、第4・四半期に金連動型ETFのSPDRゴールド・トラストへの投資を倍増させたとの報もあったなと。

ところでこのSPDRなどのETF、国内でも最近は随分と種類が増えてきた事もあって、新興国や商品関連モノなども日々チェックする機会が増えてきたが、もちろん王道の指標系もそのクセの比較などもありこれらもチェックからは外せない存在。

そうした中には野村アセット等の指数系同様に上場してから比較的リクイディティがあるiシェアーズ日経225もあり、このブランドを展開するのは世界最大の資産運用会社、米ブラックロックであるが、ちょうど今週の日経紙にはこの米ブラックロックが日本での上場投信を強化する旨が出ていた。

同ブランドで展開するETFは世界の上場投信の48%の残高シェアを持ち、今後は国内証券取引所への上場商品を大幅に増やしてゆくとの事だが、現況ETFはフィーが安いという事から証券会社も乗り気でないのか販売に力を割いていない。この辺はなんだか商品先物のミニシリ−ズとも重なって見えるが、そんなわけで商品数が4倍に増えている一方で残高は逆に4割も減少しているという地盤沈下が目立つ。

先に商品先物連動型ETFが上場した際に、かたや消えていった新興国通貨連動型ETFについても触れたが、国内ETFは先ず機関投資家が要、如何にリクイディティを確保し運用エラーを減らすことが出来るかがキーだが、同社始めとした戦略が奏功してくれば可也面白いものになってこようか。

さて、こうした機運に鑑みて、新年度からはこうしたETF等も含めて、個別の相場についても時折具体的に触れてゆきたいとも考えている最中。


商取コミットメントライン?

先にJCCHから発表になった先月度の商品先物出来高は【FUTURES PRESS】でも既報の通り前月比12.2%減となったが、取引所別で前年同月比等で見てみると特に東穀取あたりの落込みが激しい。この東穀取といえば2/20付け日経紙にはビルや株を担保にした融資依頼の記事が載っていたが、その数日後には中部大阪商取が保有するJCCH株式の売却要請の旨が記事になっていた。

斯様に先月末に掛けては、相次ぐ投資家保護基金への支援要請が記事にされることが多くなり、この辺の事情から日経紙商品面やら社説やらで日本の商品取引所を危惧する旨の記事を見掛ける機会も多くなった。

貸し出し資金である代位弁済積立金は本来、会員の商取会社が破綻した際の投機家の担保を保証する資金だが、こうした事例が出て来るのも取引員の破綻やこうした商品取引所が資金調達難に陥っている現況ならではの光景といえよう。

そういえば資金繰りがどうにもならなくなり責準までツマんで日商協から過怠金制裁処分を受けたところもあったが、責準でなくともこんなところにこんな貸し出し枠があったのか!とあらためて知るケースも昨今多い。しかし、基金団体の貸し出し枠設定も「取引所が運営できなくなるのも先物市場の損失」との名目としているが、再編に向けたプロセスがあるのなら、こうした個別での動きなどワンクッション噛ませているところにまだまだ違和感を覚える部分も多い。


酷似する構造・2

昨日の大手各紙では「さくらや」全店が閉鎖し64年の歴史に幕を下ろした旨の記事を見掛けたが、同じ約60年の歴史に幕といえば吉本興業も先に長きに亘る株式公開に終止符を打っている。斯様に先月は個人に馴染みのある企業が幾つかその長い歴史に終止符という事例があったが、話題性ではやはりその株式公開48年の歴史に幕を下ろした日本航空だろうか。

この日本航空、直近で09年04〜12月期連結決算を発表しているが、10年3月期通期営業赤字を2,500億円以上見込んでいたところ先の営業赤字が1,208億円で収まったので残りの期間を考慮しても意外?に赤字幅が最小限に収まっているとの解説もあった。まあ、それでも純損失は467億円と過去最悪、12年3月期に241億円の営業黒字の確保という再建計画の数字を前にそのハードルが高く聳え立つ。

この再建に投じられる公的資金は総額で一兆円近く、慢性的赤字が続き国債乱発の借金に依存しなければ立ちゆかない日本の財政と同じである。年金にしても最後まで渋るOB組を見るにつけ、今後の日本の社会保障構造と重なる部分など他に幾つも見受けられる。

昨日は「酷似する構造」として社会保障絡めてギリシャと日本の財政構造を書いたが、破綻した一企業ベースの比較で見ても一部紙の指摘にもあったように、斯様に同社と日本の財政事情がここでも重なってしまう部分があり、構造問題解決が焦眉の急を告げるなか、日本航空は稲盛会長、かたや日本は鳩山首相とそれぞれ今後の手腕が注目されている。


5/20をもって商品先物取引受託業務を廃止へ

オムニコは、会社経営に見合う営業収益が確保出きない状態が続いていた事から事業の継続を断念し、商品先物取引受託業務の廃止を決定。建玉移管先はエース交易(4/16の立会終了後)。

▼オムニコ:商品取引受託業務廃止のお知らせ(PDF)
▼エース交易:顧客移管(トランスファー)の受入に関して(PDF)


酷似する構造

本日の日経紙経済面では「マネー再びリスク回避」としてユーロ・新興国通貨から円・ドルへとの記事が出ていた。この辺はドイツのメルケル首相もユーロが導入以来の厳しい状況に直面していると直近のインタビューで語っている通りだが、このリスク回避に根ざした円高基調がこのまま続くかには不透明な面も残るとしている。

この辺を同紙では衆院選で民主党が大勝した昨年8月末時点と比較して、先週も当欄で取り上げたCDSプレミアム(5年物)が2倍に拡大している旨が書いてあった。政党といえばこのマネーのリスク回避のトリガーになったギリシャも昨年社会主義運動が勝利し社会保障の充実等を謳っていたものの、いざ政権をとるとその劣悪な財政事情に直面しこれらマニフェストが全く守れない状況になっているのが現状。

さて我が国の民主党、この経済面の隣の政治面の頁にはタイミングよくというか財源不足が指摘されるマニフェストを巡り、見直しが必要と思われる政策の調査結果が載っていたが、政党といい構造といいこれまたなんとも酷似しているではないか?

同紙に市場では「ギリシャの次は日本」との声もあるとしているが、斯様に考えてみるとこうしたギリシャの債務問題も対岸の火事的には片付けられまい。こうした声があながち単なる煽りに聞こえない恐さがこの一文には潜んでいる気もする。


破壊と創造-フランス大使館

さてもう月末だが、今月は某大使館に所用があってちょっと麻布界隈に出掛けた際、帰り掛けにフランス大使館(旧)にて開催されていた「NO MAN’S LAND」が延長開催されている事を思い出し、ちょうど近所ということもあって様子を見に行ってみた。

この「NO MAN’S LAND」、一部にご存知の向きも居ると思うが、昨年にフランス大使館が新庁舎へ移転した後の旧大使館をそのままフルに使い切ったコンテンポラリーアート展である。用が無ければ来る事はない大使館なので此処へ来たのは久し振りだが、早速エントランスが何やらTDLの某アトラクション風?に変身しており妙な期待が高まる。このイベントが延長開催されているのを知らない向きも多いのか人もマバラ、フレンドリーな女性に声を掛けられながら中へ。

ここを抜けて目に飛び込んで来るのはパーキングに停めてあるフランスならではのプジョーだが、路面から続くピンクのペインティングがベタベタと車体にも。それを横目に(メタル製の)折り紙風飛行機が突き刺さった路面を歩き建物へ。これに参加したアーティストは約70組だそうだが、真面目に執務が執り行われていたと思われる部屋が大量の紙屑にバスケットゴールや、はたまた金ピカなデコレートやら雑木林に変身していたり、粘土で被い尽くされたキッチンや階段の壁には何かのメッセージなのか?鼻血?なる文字のネオンが怪しく灯っていたりで、想像以上になかなか面白かった。

そんな斬新でユニークな創作もさることながら、国を代表する大使館だけにそもそもこの敷地自体が聖域であり、加えて普段ではまず見る事自体が不可能な歴史的建造物の金庫や、その他厳重な施錠機能が施されたシークレットルームなどワケ有の部屋まで殆ど全てを見ることが出来る機会というのは一般にはそうそう無いだろう。

そんなワケで、そうせ全て破壊するのだから其の前にこんな創造をという文化的且つ奔放な発想と行動に感心であった。
と、ここまで書いて年明け早々に当欄で「欧州流のIR」というタイトルでカレンダーの話を取り上げてコメントしたのを思い出した。さて果たして日本の役所などこんなイベントが出来るであろうか?

少しはお手本にするくらいの器量が欲しいものである。