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狭義の視点

週明けの日経平均は続伸し辛うじての大台乗せ、特にこのところ値嵩優良株が異常な安値云々と煽る?記事が彼方此方に目立つ事からこの手に買い物が集まった部分もあるだろうが、そんな時世だけに日曜の日経紙には投信の確定申告についての記事があった。

さてこの税制改正であるが、先週には自民党あたりが現行の証券優遇税制を09年以降も延長する方向で検討に入っている旨報じられているが、時事が報じたフィディリティ退職・投資研究所によるアンケート調査では実に67.9%が新証券税制を「評価しない」と回答している事が明らかになっている。

もともとまやかしめいた税制は昨年末や今年の8月だったか何度か当欄で触れた事があったが、ちなみにこのアンケートの理由で2割以上に上ったのが確定申告が必要になるというもの、まあ株券電子化にしてもこれで株式保有補足が全て可能になり売買履歴を全て筒抜けにするわけで、「ある」部分のリクイディティが削がれる可能性も大である。

暴落による所謂自律修正一巡後からのモチベーションが一番重要だが、こうした机上で作られるものもまた大きく影響してくる事の認識はあるのだろうか?


消費パイ縮小

さて昨日の日経紙には主な小売・外食各社の連結業績が発表されていたが、中でも百貨店は軒並み二桁減益で後に更なる下振れ懸念が出ている。

ところでこの百貨店を巡っては既に三越と伊勢丹・大丸と松坂屋・阪急や阪神等々の統合を今迄触れて来たが、先週末に既報の通りこの阪急阪神を擁するH2Oリテイリングが今度は単独路線を貫いていた高島屋と業務・資本提携を結ぶ方針を固めている。

まさに関西連合といった感じだが、昨年の夏に当欄にて「百貨店再編劇序盤」というタイトルを冠した覚えがあるが、首都圏の激戦区においては大手でさえ数十年の消費を眺めてきた店をどんどん閉鎖、もともとが「攻め続けるしかない」とも言われる形態なわりに差別化の難しさからリスキーな投資となる確立が高いだけに、こうした統合も今の時世では自然な流れだろう。

こうなると残る単独路線を貫くところの動向も気になるが、それはそうと閉店する三越池袋の跡にはヤマダ電機が進出とか、一頃は勢力の移り変りをよく示しているともいわれた風景だが家電量販店も構造的にはいずれオーバーストア、この業種もまた再編が吹き荒れるか。


躊躇するスポンサー

本日は所用があって日比谷界隈へ出掛けたのだが、何気に本社前を通り過ぎた時に改めて思い出されたのが先週末に生保では東京生命以来7年ぶりの破綻を演じた大和生命であった。

同社の場合は珍しく?も朝方に突然この発表をしてマーケットのセンチメントを更に悪化させてくれたわけだが、何でも予定利率の都合やら高コストやらのカバーの用からオルタナティブ系のハイリスク投資に可也の割合で傾斜しており昨今の市場混乱でとどめを刺されたらしい。

そういえばここの社長は今はその名が無くなった日興出身らしいが、記者会見では想定外の市場混乱でしたと証券マンらしい迷言は如何にもという感じ、しかし当初は債務超過ではないとかソルベンシー・マージン比率も前のものを持ってきたりという一部報道のいい加減さが目立ったが、それにしても財務情報のディスクロ遅れや金融庁の検査等々迅速に公表すべきが為されず一般としても個別で更なる調査能力が要求される。

優良なスポンサーを速やかに確保と保全管理人のコメントがあるが、例のドル箱ともいわれるアリコでさえも財務ディスクロが精査中とかで不透明な部分があり本命視される筋も躊躇し始めたとか、大手でさえこの状況下同社の難航は想像に難くないか。


日本勢は買い物上手か?

日経紙の休刊日にもかかわらず今日は特別号外まで出してその世界規模の金融危機対策を報じていたが、一先ずこれを評価したのかどうか見ての通り市場は週末とは全く逆の動きを演じていた。

さて金融系一連の株価暴落で市場が疑心暗鬼となっていた例の三菱UFJのモルスタへの出資だが、二転三転しながら結局直前では全て優先株にする事でもう後へは引けなくなっていた事態を乗り切り市場からは敬意を表される形になっている。

まあここ直近で国内各行も保有株損失から業績修正が相次いでいたが、モルスタが予定の約半値にまで暴落していればそれこそ払い込んだ途端に減損処理が待っている訳で既定路線だったとも言えるが、バブル時には疎まれた米国買いが今や感謝される時代へ、この一連の?借り?で今後世界の金融市場をリードしてゆく存在になるか否かである。

何より相手は海千山千の外資、前にも少し触れた国内最大級の証券会社構想然り、同じ証券では野村がリーマンのアジア太平洋部門引継ぎ完了とも報じられていたが「安い買い物」と評判しきりだった人材もここから水面下で草刈が熾烈になるとの見方も一部ある。タダより高い物は無いとも言うが・・・・


歴史に残る一週間

街の金木犀が妖艶な香りを漂わせる中、今週もマーケットの激震には拍車が掛かっていた。

ダウの10,000ドル割れ、日経平均の10,000円割れや昨日の歴代3番目の下落率となった952円安の暴落、各商品市場の暴落、各国通貨の暴落、全銀行の国有化構想もあれば彼方此方で取引所を閉鎖してしまう動き、そして世界10中銀同時利下げという異例の事態等々と、史上に残るであろう事例が矢継ぎ早に起こった歴史的な一週間であった。

問題があまりにも大き過ぎて個別で云々言っても意味がないが、トリガーに過ぎないにしろリーマンを潰してから影響が此処まで拡大するのを当初安易に見た罪は果てしなく深い。

そのリーマンだが、今週の公聴会ではCEOがつらつらと恨み節を語っていたが、何処かの力士よろしく追放されたらもう何でも喋るよとばかりに今後いろいろな件が発覚するのだろうか?

しかしリーマンCEO始め数百億円規模の報酬を取っていた戦犯?の株式評価が紙屑同然になってほくそえむ向きも多いだろうが、富裕層だけの問題でなく今回はこうした件の弊害が何れ一般人にまで及ぶのは必至、センチメントは妬みが喜びに変りまた恨みに変化してゆくか。


サムライ

本日もまた各マーケットは崩落の形相を呈し何処も真っ暗闇、そんな中を某鮨店での会食に招待されたが何時も其れなりに混んでいた店が閑散そのもので改めて冷え込み感じた。

こんな時の中休みで敢えて柔い話題でもと思った今日だが、鮨といえば今週「ミシュラン・ガイド」NY最新版の結果発表においてマンハッタンの「MASA」が鮨?店としては初の三つ星を獲得した模様だ。

日本料理店関係では今年の3月だったかパリの「あい田」が日本料理店としては初の一つ星を獲得した旨を書いたが、昨今この金融混乱の中で外資に次々と触手を伸ばす日本勢をサムライの復讐と仏ルモンド紙に形容されている折、こうした分野でも欧州勢を抑えて徐々に台頭といったところか、そういえば直近のノーベル賞においても日本の快挙は素晴らしいものであった。

ところで話は戻るがミシュランについては啓蒙における貢献度は高いもののその評価基準にに疑問府と書いた事があったが、そうした点で共通の思いなのか否か一方で「ミシュラン京都版」構想が取材拒否等が続出し難航極めているとか、上記のように進出組は其れなりの背景があって成る物に対してこちらは相容れない文化の存在が逆に安心感を齎す。


準国債?

ご存知の通り、週明け6日の国際商品相場は米金融危機の影響から資金流出の動きに拍車が掛かり何れも軒並み崩落、CRB指数もつい先の夏場高値から一気に3割以上も急落した格好になっているがこうなって来るとホンの一握りというか急伸した金が嫌でも目立つ展開。

そういえば過日の日経紙にはリーマンブラザーズ破綻以降は金ETFの売買代金が急増し、例えば大証金価格連動型上場投資信託は9月後半は前半の二倍弱の売買代金に増加したり、SPDRの売買高が9月半ば以降は二倍超に増えている旨の記事を見掛けた。

また別の大手紙ではTOCOMのミニ金も取り上げており、今年夏の設計変更から個人投資家の取り込み狙いが奏功し取引が?爆発的?に増えたとしているがまあこれについてはモノは言い様だなという感も。

兎も角、ほぼ一年前に当欄でも触れた事のある所謂恐怖心指数であるVIXも昨日は初の50台に乗せこれは実に1998年の10月に記録した史上最高値を約10年ぶりに更新とか、まあ確かに信用リスクに過敏になっている今だけにこの部分だけからすれば「安全な資産」と持ち上げられ物色し易い金というのも解らないでもないがなんとも荒涼とした感は否定出来ない。


11/28付けでネット取引事業をドットコモへ事業譲渡

豊商事は、同社ネット商品取引事業をドットコモディティへ事業譲渡することについて基本合意。事業譲渡についての最終的な契約の締結、主務省の認可を得て、11月28日(金)に事業譲渡予定。

▼ネット商品取引事業の事業譲渡について


豊商事株式会社
ドットコモディティ株式会社


ネット商品取引事業の事業譲渡について


このたび、豊商事株式会社とドットコモディティ株式会社は、豊商事のネット商品取引事業をドットコモディティへ事業譲渡することについて、基本合意をいたしました。

1.背景・概要
わが国の商品取引市場は、現在変革期に直面しています。このような状況の下、両社はそれぞれ難局を乗り切って発展を遂げるべく独自の戦略を展開しています。

今回、両社の間で、お客様の利便と相互の発展に資する提携について模索した結果、豊商事のネット商品取引事業をドットコモディティに承継し、お客様にさらに利便性の高いサービスを提供することとしました。

豊商事においては、商品先物業界のリーディング・カンパニーとして、内外から高い信頼を得ていることを背景に、「集中と選択」を行なうことによって、更なる発展を目指しています。
ドットコモディティにおいては、商品取引業界における口座数No.1(2008年3月末)の実績をテコに、この9月には10億円の増資を行ない、新たに東京穀物商品取引所の受託会員資格を取得するなど、ネット商品取引専業として業容の更なる発展を図っています。

2.今後の予定
事業譲渡についての最終的な契約の締結、主務省の認可を得て、11月28日(金)に事業譲渡を行ないます。

豊商事のネット取引のお客様におかれましては、11月28日(金)までこれまでどおりの取引システム『FD(フューチャーズ・ダイレクト)』にてお取引ができます。また、週明けの12月1日(月)からは、新たな口座開設手続きを経ることなくドットコモディティの取引システム『Formula(フォーミュラ)』に「建玉」と「預り証拠金」を含めた口座が移管され、そのままお取引を継続することができます。
なお、両社においては、今後、相互に協力しながらお客様に向けて事業譲渡の前後の状況、今後ご利用いただく『Formula(フォーミュラ)』等の詳細をご案内することとしています。

今後も、両社は、対面取引・ネット取引のそれぞれが展開する分野において、マーケット・ニーズと、お客様のニーズに適合する商品取引サービスを、個人投資家・法人の皆様へ提供し続けてまいります。

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再編劇混沌

さて毎週末になるとまた何かが出るのではないかとハラハラする米金融危機だが、証券から銀行、そして保険等へ再編の嵐が連日吹き荒れている。直近で注目されているAIGは中核の損保事業に集中するため日本市場を手放す事になったわけで結局アリコなど生保三社の株式を売却方針、史上最大とも言われる競売で何処が触手を伸ばし競り落とす事になるのか興味津々だが、大規模な経営危機が日本市場の業界再編に発展してゆくのも必至な情勢だろう。

また銀行の方も直近ではウェルズ・ファーゴの登場からワコビアが僅か数日でシティーグループへの吸収合併を翻意しこれにNY地裁まで登場し行方は混沌、銀行といえば国内も三菱UFJが土壇場で出資形態を優先株に切り替え物議を醸し出したモルスタへの出資があったが、これも今後国内最大級の証券会社構想等いろいろな話が出ている。

斯様な状況で金融安定化法案可決後も日経平均は下げ止まらず4年8ヶ月ぶりの安値へと急落というのは自然なところだろうが、こちらもこれでまた上場基準割れ等回復の道が一段と遠退き市場から撤退命令が出るモノ多数か。


試金石―TOCOM

本日は、出光興産が既報の通りガソリン等の石油製品の卸値をTOCOM等の製品マーケット価格を指標として週単位で改定する方針に変更することで、毎週木曜に公表(次回からは金曜に変更)という事に則しての第一回目公表日であった。

新日石も同様に今月からこの方式に移行するが石油製品を巡っては、予てより末端には相応のタイムラグが生じ消費側に不信が出ていた事もさることながら、元売り側に取っても交渉難から転嫁が一部しか叶わないという問題がこれで改善の道を辿るかのようにも見えるがさてどうだろうか。

ただでさえ通常の交渉が難航していた給油所の問題があったがやはり今回の件でも「TOCOM市場は価格操作が容易に可能ではないか」等の懐疑心が満載、当の元売りもこれに付いては問題視しており新日石なんぞは特約店の選択方式にするとか、数年前に休止されたままになっている軽油含め市場設計に対する注文も当然出てくるのは想像に難くない。

先ずはこうした件を切っ掛けにリクイディティの復活化なるか、この辺が順調に進んで初めて安易に連呼されている「産業インフラ」というのも現実味を帯びてくるのではないか。