金利上昇でも逆行高
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2026年度の与党税制改正大綱が決定したのと日を同じくして日銀は金融政策決定会合で政策金利を30年ぶりの高さとなる0.75%に引き上げると決めた。この利上げや現政権下で財政悪化が進むとの懸念から債券売りが加速しているが、昨日の長期金利は一時2.1%に上昇し1999年2月来、約27年ぶりの高水準を付けている。
そういった中で日経平均の強さが目立つが、順当にこういった金利上昇局面で本命なのはなんといってもその恩恵が直接及ぶメガバンクなど銀行株で三菱UFJは15日に上場来高値を更新、三井住友FGも連日で上場来高値を更新している。一方で分が悪いとされる有利子負債の多い不動産ポスト等も堅調を保っている。丸の内の大家こと三菱地所は上記の三菱UFJが上場来高値を更新した日に年初来高値を更新、住友不動産に至っては先週末に上場来高値を更新してきている。
支払利息の増加云々より保有資産価値向上や今後の賃料上昇が収益改善に寄与するとの見方が勝り、何より実物資産を保有するインフレ耐性が買われているか。こうなると何でも理由が付きそうだが、実質金利がマイナスに沈む状況が続き緩和的な金融環境が続くとの見方が株価の追い風になる一方で利上げペースは遅いとの観測でダラダラとした円安が続いている。市場によって利上げに対する反応が其々だが、既に日銀離れし一人歩きの様相を見せている長期金利の不気味さが増す。