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場当たり政策 

周知の通り依然として新型コロナウイルスが猛威を振るっている。先週は国内感染が初めて25,000人を超え各地域での新規感染者数も過去最多更新から感染者数を表す地図は真っ赤に染まる様子がより一層その不気味さを増していたが、本日も全国の重傷者は11日連続で過去最多を記録している。

そんな感染拡大スピードだけに医療機関も対応出来ず自宅療養者も当然ながら最多となっているが、こうした状況下で怖いのは通常であればどう転んでも十分に助かる命が今はそうでなくなってきている現状でとても先進国とは思えない体制になっている事だ。斯様な状況を受けて政府は先週新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言に7府県を追加、その期間を9月12日まで6都府県の宣言も延長する事を決めたが迷走の一言に尽きるだろう。

既に今年に入ってこうした「御触れ」が発令されていた日は実に約9割にも上り、緊急事態の日常化でもはや何の緊張感も無いモノに成り下がっているなかで流行に歯止めがかからない悪循環の構図は変わらず。欧米ではロックダウン期間中にワクチン体制を整えたが、場当たり的な日本は職場接種にしても供給見通しのディスクロが甘く結局混乱した。

コロナに抗えない様を反映してかどうか4-6月期の日本の実質成長率は欧米を大きく下回り、GDPもコロナ前の水準にさえ戻れていない。ワクチン接種が行き渡り経口抗ウイルス薬が実用化するのはいったい何時になるのか?それまでは今後も場当たり的な「御触れ」を発出、そして延長の繰り返しが予測されるがそんな戦略では到底国民から理解も得られないだろう。


アーバンスポーツの商機

さて過日某ショッピングモールに出掛けたが、大手スポーツ店などでは東京五輪のメダルラッシュの影響もあってエントランスから店内のほぼ半分までがスケートボード関連商品一辺倒の構成になっていた。それもそのはず事実この五輪で新たに採用された所謂「アーバンスポーツ」関連では売り上げが各所で倍増するなど効果が顕著に表れている。

東京五輪の閉会式ではBMXがパリの街を走り、ブレイクダンスなどの紹介映像も流れるなどこうしたアーバンスポーツへの関心も今後世界的に益々高まってゆくのは想像に難くないが、今回の東京五輪では先に書いたようにスポンサーの費用対効果に誤算が生じた部分があったものの、今後のマーケット拡大を見据え企業も水面下で動きが見られる。

上記のブレイクダンスは次期パリオリンピックで正式種目に採用となるが、今年は世界初のダンスのプロリーグである「Dリーグ」が開幕し日本一の決定戦を行っている。立ち上げたのは化粧品大手コーセーや音楽のエイベックス、セガサミーHD等々で、タイトルスポンサーを務めたのは第一生命と錚々たる面々である。これら運営への参入はスポンサーとはまた毛色を異にするが、長期的視野で若年層への訴求を図っており新たな切り口が垣間見られる。


逆行相場

さて、2018年にコインチェックから580億円もの暗号資産が流出した事件がいまだ記憶に新しいが、直近では分散型金融関連サービスを手掛けるポリ・ネットワークからこれを上回る過去最大規模の約6億ドルの暗号資産が流出した事件が世間を騒がせていたが、この半分以上が返還された件が先週報じられていた。

斯様に依然として暗号資産を取り巻く脆弱性を突く報が絶えないが暗号資産といえばもう一つ、米議会で審議が進むインフラ投資法案では財源として暗号資産取引の課税を強化する案が浮上しこの米インフラ投資法案は10日に米上院を通過したが、暗号資産はこれらネガティブな報にも抵抗力を見せ逆に堅調地合いを継続させている。

主力のビットコインは5月中旬以来の高値を付けて5万ドルの大台を舐めに行く勢いで、これ以外のドージコインまで一様に堅調相場を展開させており暗号資産市場の時価総額は再度2兆ドルを上回って来ている。ネガティブな報に逆行する相場は逆にいえば業界が議会に認知され政府による課税対象として取り上げられるまでに成長した証左とも捉える事が出来、疑心暗鬼な投資家にも一定の安心感を与えたのは想像に難くないか。


不毛の寄付か

本日の日経紙・底流には「勝者なき財源争奪戦」と題してふるさと納税を取り上げ、同制度も地方の総体としてみると制度の恩恵より負担が大きい状況となっておりならしてみると全体のパイが縮小するマイナスサムの競争は不毛でしかないとの意見が書かれていたが、依然として個人の人気は高く先月末に総務省が纏めた昨年の寄付総額は約6725億円となっていた。

実に寄付総額は前年度の1.4倍に増加し過去最高を記録、その寄付件数も制度開始以来12年連続で最多を更新とこちらも記録を伸ばしている。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う「巣ごもり需要」を背景に各地の返礼品を楽しむ寄付者が増えた結果だが、其の内容も寄付形態も日進月歩の多様化で選択肢が飛躍的に広がった影響は大きいだろうか。

一方で冒頭に関わって来る事だが、21年度の住民税控除額は都市部住民が返戻品目当てに地方に寄付するケースが多く前年度比1.2倍の約4311億円とこちらも過去最高となっていた。賛否両論喧しいが医療従事者支援や被災地支援などの返戻品で寄付総額を押し上げた部分もあり新常態へと少しずつ変化している中身にも引き続き注目してゆきたい。


輸出額目標の足枷

ちょうど今頃が最盛期を迎えるシャインマスカットだが、昨日の日経紙総合面には「中韓の生産、日本上回る」と題し、日本発のブランド品種である高級ブドウ「シャインマスカット」が流出先のお隣の韓国などで輸出額が日本の5倍超に膨らむなど輸出の主力となり、またこの栽培面積が日本は1200ヘクタールなのに対し韓国はこれをも上回り中国に至っては5万3000ヘクタールと桁違いになるなど海外流出が深刻さを増している旨の記事があった。

韓国といえばこのシャインマスカットに限らず、糖度60度を誇るブランドさつま芋「紅はるか」もまた正式に輸入されたものでないにもかかわらず陳腐なネーミングを施された上に生産者量の4割を占めるまでになってしまっている。他にも平昌オリンピックでカーリング女子が食べていた事から有名になってしまったイチゴもまた流出した日本のブランド苺であった。

当欄では6月にも改正種苗法が施行されて以降初の逮捕者が出た報を取り上げたが、暗号資産よろしく一度流出するとその追跡は難しく今なお中国のネット通販サイトなどではブランド林檎の苗木など多数が出品されているのが現状。上記以外にも標的になっている日本発ブランドが多数リストに挙がっており、その実効性には課題が多く残されているか。

日本政府の農林水産物輸出額については19年の当初目標は未達であったが昨年は9217億円、今年については米など経済回復国中心に日本の農産物需要の高まりで1~6月期で5773億円と昨年比で約32%の増加を見せているが内訳はホタテ貝の前年比2倍や牛肉の同2.2倍などが貢献した結果。折角のこうした環境が背景にあるだけに冒頭のような流出モノが蔓延る状況がこれらの足を引っ張る事の無いよう一層の監視強化は喫緊の課題でもあるか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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