3ページ目

侵食

ちょうど2週間ほど前に、野村證券が商品取引に本格参入との件を当欄で採り上げたばかりだが、今週は【商品先物取引業界最新ニュース】でも週初に既報の通り、大和証券が商品取引に本格参入との報道がなされていた。

業界では寧ろこの野村證券よりも早い時期に某取引員絡みでこの大和の話は挙がっていたのだが、以前も記した通り商品へのトライは実質的には二度目か。

ただ今回は一線を退いたスタッフで臨んだ子会社では無く本体で更にその取組も格段の違い、野村共々シュリンクする市場を横目に対照的な裾野の広がりを一方で感じる。

しかしこれで毛色の違う企業や投資家も大挙して参入ということになると、その受け皿の体力も懸念されないわけではない。


酷税

さて今週の大手紙には政府税制調査会次期会長が、法人所得課税の実効税率について欧州並みに引き下げるべきだとの考え方を示していた。

確かに言われるままに泣く泣く法人税を納めていても、他で外資誘致と称してわが国の半分以下に設定している国を見ると自然な成り行きで飛ばしたくもなって来るが、こうした絡みで訴訟事例を見ていると同情と同時にその無駄がクローズアップされてくる。

まあ欧州並みといってもバラツキがあり概ね30%台半ばというところに落ち着くのだろうがそんな程度でも2兆円越えの大規模減税、兎に角何処と比較しても高すぎる現状は早急に見直して欲しいものだ。


アクティビスト

直近で村上ファンドに触れたのは阪神電鉄が上場廃止になった9月末の事であったと思うが、本日は大手紙でも報道の通りその村上ファンドが解散の方向へ向かっている事を明らかにしていた。

直近では4,000億円以上にまで運用資産残高を膨らませたファンドは発足から約7年でその幕が閉じられるのだが、昭栄や東京スタイルに始まって今となってはいろいろと案件を披露してくれた思い出が駆け巡る。

こうなってしまうと理由を付けてやれグリーンメイラー等の言われ方しかされないが、対象企業の問題があってこそであり資本主義とはそんなものであると思う。


対象物件

さて西武ホールディングスはグループで1兆円を越す有利子負債削減の為に、この連休中に4箇所のホテルを売却する方針を明らかにしていた。

直近では幕張や横浜プリンスを既に売却していたわけだが、それに続く今回の国内リストラ対象は六本木プリンスの模様だ。

六本木プリンスといえば開業当時は黒川紀章氏の設計で話題を集め、アイビス等と共に学生の遊び人が気楽によく利用していたのを思い出すが、たまたま過日近くを通り掛ったら驚くほど寂れた佇まいを見せていた。

クリスマスにはその幕を閉じる模様だが、時代の流れとはいえ当時が思い浮かぶ者には寂しい限り。


解り合えない解釈

本日は大手元売りが原油の価格変動リスク回避の為のヘッジ取引を巡って、東京国税局から更正処分を受けたとの報道があったが、扱いの規模が其れなりにあるので原油高から思わぬ利鞘と相成り、同時に国税の興味も惹いてしまったようだ。

当の元売りは一旦払い国税不服裁判所に申し立て返還を求める考えを表明しているが、その目的が互いに相違するので解釈の均衡点は難しい。

そういえばふと思い出すのが昨日別な話で社会保険庁が売却予定美術品のデューデリにおいて、美術品に有るまじき一律算定をした事で会計検査院から問題視されていた点、まあ解釈の違いとはいえこれはそれ以前の問題か。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

カテゴリー

アーカイブ

2006

11

1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30