SWFの思惑

今週の話題といえば、やはりサブプライム絡みの損失で窮状を呈しているシティグループが、UAEのアブダビ投資庁から8,000億円以上にも上る出資を受け入れるとのニュースであろうか。

シティといえばシティコープ時代の不良債権処理で、やはりオイルマネーの注入から生き返っているがそういった意味ではこれで二度目、取り急ぎ一服したとはいえ今後の拡大は不透明とされ関係者からは同様に蘇生するかどうか前途多難との声が多い。

しかしここ最近のオイルマネーの動きは日本の企業直接投資でも席巻しており、石油関係ではやはりアブダビ系がコスモ石に900億円出資した他やはり今週にはドバイ系がソニーの大株主になったと発表したりと元々のオイルマネーが循環創造している様を呈する。

まあそれにしても先のOPEC首脳会議では脆弱なドルを危惧する意見もあったが、親米派の采配もあり投資レベルというステージで見ればまた夫々の政策が存在するのだろう。


恣意的価値観

そういえばたしかTVEか何かで見掛けたのだが、女性へのプロポーズの経緯を詳細に追う民放の人気リアリティショーで、フラれてしまった男が5日後に相手の女性を刺してしまった事件が発生、視聴者協会会長が「TV製作者は視聴率を上げるために人の心を操作すべきでない事を学ぶべき」と先週この番組に対し打ち切り要請になった旨があった。

しかしこの手の愛憎・カネ・美などへの欲望をネタにしたリアリティショーは多く存在するが、米国等のそれらは各種団体や番組クライアントから訴訟が絶えない等、他より群を抜いていろいろな意味で凄いし曝け出させる技に秀でているので不謹慎ながら確かに見る側は面白い。

日本もリアリティを売りにする番組は昔から幾つかあったがどれもこれもソフト過ぎて米国あたりでは誰も見ないだろうと思うが、まあその辺は兎も角考えてみれば或る意味こうしたリアリティショーは逆に通常の価値観とか行動基準がけっこう恣意的なものであったのかという事に改めて気付かせてくれる一面があるとふと思った次第。


養成

カウボーイも昨年末に触れた事があった「株式売買トレーナー カブトレ!」の続編NEXTが晴れて今週発売の予定となり、昨日は東証Arrowsでその発売記念イベントがあった。

制作協力は以前に発行されたゲームファンド「ときめきメモリアル」の絡みからかマネックス証券となっており、同社社長も発売を受けてその機能を絶賛し金融や証券の動きがいい方向へ向かってほしいと〆ていたが、ところで現在日経私の履歴書を載せている野村證券元会長は文中で「デイトレーダーなどといって、大の大人が一日中部屋に籠もって売ったり買ったりするのは勝手だが、続くわけがない。」と書いていた。

この辺は時勢の一端を映しているが兎も角実際新規層という部分のプロデュースについては本当に多様化してきたのは周知の通り、普及する分野に関しては実に日進月歩である。


システム化一辺倒の信頼性

週末から連休であったが一寸代理で成田へ外国の方を迎えに行った折、早速改正出入国管理法の絡みで先週から始まっている一部を除き来日する外国人に対する指紋採取と顔写真撮影の話題になった。

これまではテロ対策を目的にした米国のみであったがその米国も月末からは両手全ての指からの指紋採取実施と更に厳格化の予定とか、人権団体等からは早速プライバシーの侵害云々と反発の声も上がっているようだが、兎も角これで日本は世界で2番目に外国人の入国審査が厳格な国になった事になる。

まあ時世というかそういった中で仕方の無い部分もあると思うが、こうした話題で聞くところによると彼らが懸念しているのはやはりデータ管理の部分、今はパスポートにしてもICチップ内蔵でこれまた管理徹底を謳っているが一部には既に脆弱性を指摘するデータも言われており、漏洩防止を信じるしかないとはいえ新しいものだけに一抹の不安は残る。


理解不能な評価基準

さて明日は前々から話題になっていた、アジアで初めての試みとなった「ミシュランガイド東京2008」が発売される。

御存知ミシュランといえば世界で発売されその絶対的な権威から有名なガイドブックだが蓋を開けてみれば東京は合計191個の星を獲得する大盤振る舞い、正直驚いたのは詳細でトップである三ツ星8店のうち5店舗が鮨含めた和食であった点。

一部巷で言われているように食文化が違う背景で育った外国の匿名調査員の方は和をどのように捉えたのであろうかも気になれば、評価にその施設項目があるのにも拘わらず失礼ながらあまりに簡素な店舗が多く入っていた等々他にも気になる点も多くあった。

まあ確かに色々な国の外国人をもてなした際でも異口同音に東京は料理が旨いと聞かされて来たし個人的にもそう思うので東京の星が多くなる部分に異論は無いが、ザッと見て少ないながらも行った事のある店で確かにあそこは旨いと思った所もあるものの、約三分の二は明らかにもっと美味しい他の店があると思った次第。

そういった点ではザガット等の方が幾分親近感も湧くような気もするが、誰が見てもその優劣が数字で解るような金融商品等の成績と違ってこういった人によって捉え方の違う分野をランク付けするのは不可能ではないかと思うのは私だけであろうか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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