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天災のタイミング

周知の通りオリンピックまで残すところあと僅かになった中国で、四川省を震源とするM7.8の大地震が発生した。

この手の災害報道によく見られるように時間の経過と共に惨状が明らかになっているが、株式市場は上海証取や深セン証取に上場している66社が取引停止となっている模様で、国内はこの被害状況等の手掛り待ちの中を特需見込みで建機関連に物色の矛先が向かっていた。

さて同市場売買再開後にあの阪神大震災時に見られたような個別への売りも含む物色がこちらでも再現されるのかどうかも気になるところだがそれは兎も角、先月中国については当欄でオリンピックを待たずして綻びが加速してゆくのかどうか注目としたが、人が創造した不安の障壁の次には天災が襲う等過去主要国にもあったその試練の巡り合わせにはい因果を感じる。


コスト転嫁の波

世界では比較的時期が遅い日本の昨日はご存じ「母の日」であったが、何処も街中はそれに関連したデコレーションが目立ち、今年は特に以前当欄で触れた事のある花弁が七色の薔薇が大人気であると彼方此方で聞いた。

ところでこのオランダからの輸入物以外で主力の定番はやはりカーネーションであるが、今年はハウスの暖房油の値段が昨年から2倍以上に跳ね上る等、関連コストを直撃している模様だ。

折しもWTIは週末も史上最高値を5日連続で更新し上記よろしくここ一年でとうとう2倍に、ここへ来て急成長を遂げる新興市場国の旺盛な需要という実需面を理由にする向きとリスク市場を避けた投機筋に因るものとする向きとに二分されているようだが、何れにせよ一般へのコスト転嫁の波はデフレ慣れした日本人に今後ジワジワと襲い掛かってくるか。


増配という演出

本日の日経紙一面には日生や第一等の大手生保が、契約者に約束した保証利回りに運用成績が及ばない所謂「逆ざや」状態が08年3月期決算で解消する見通しと出ていた。

逆ざやといえば生保と並んでメジャー投資家の年金逆ざやも懸念される中、この大手二社が逆ざやを解消するのは01年3月期の情報開示開始以来初めてらしいが、以前に増復配機運の項に書いたように一部は企業収益改善に伴う株式配当増等も寄与もあった模様。

ただ、いまだ本音はディスクロしたくない?基礎利益の部分は減る見通しとの事で既存顧客の解約防止や保険金不払い問題批判をかわしたりする為の守りの増配と指摘されているようだが、この辺を見ていると昨今個別企業においても幾つかが減益下での増配企業政策を取っているという現状と重なって見える。


次期システムと整合性

さて、GW中にはWTIが10ドル近い暴騰を演じる等各商品が大きく動いた事もあって、連休明けの東京市場ではTOCOM銘柄中心にストップ高銘柄が続出であった。

以前にも書いたが夫々値位置が値位置なので以前と同率動いても可也の値幅になり、精神的にもう慣れたとはいえポジションによっては本日の白金よろしく一発で証拠金が飛んでしまうようなものも幾つか出て来る事態となる。

TOCOMあたりは次期システムの移行からやっとというかサーキットブレイク導入と言われているが、その場合にも現行証拠金基準額では整合性の取れないケースも当然ながらありこの辺も課題の一つとなるだろう。

商品でサーキットブレイクの発令事態とは想像するだけで凄そうだが、従前の証拠金管理も抜本的に考え直す時期にきている。


愚行

所用で銀座を通ったのだが、先の「昭和の日」にはみゆき通りで「フラワーカーペット2008」が開催されその界隈には甘美な花の香りが漂っていた。

この花弁のカーペットは球根の健康の為に意図的に早めに摘んだものだが、どうしてもこのチューリップの花弁を見ていると、もうほぼ毎日のように報道されている花への被害というか暴力を連想してしまう。

いつの間にか始まりほぼ全国的に広がっている事から模倣犯めいたものも含まれているのだろうが、それにしても「命あるものや綺麗なものを愛でる」という普通の人間なら幼い頃から持っているであろう感覚の崩壊が始まっているのだろうか?

ストレスのはけ口とか言われ、既に白鳥等までが酷い目に遭ったりしている事件が報道され末恐ろしい限りだが、何れにしろ早めの収束を望むばかりである。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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