上場は焦眉の急?

さて、今週の業界系の話題ではTOCOMが29日に開いた臨時総会で、会員商品取引所から株式会社商品取引所への組織変更を決め12/1に株式会社化するのを決定した事か。

数年前から出てはいた話題だが、生き残りを賭ける上でのシステム投資等の必須項目に対する資金需要は旺盛、一方で昨今の取組減少は周知の事実でこれではファイナンス事情から商品取引所から先陣を切ってこれに踏み切るのも自然な構図か。

さてその役員人事は福井日銀総裁が社外取締役に就任したことが話題になっていたが、先の理事会の時に発表されている通り他に非常勤取締役には識者がズラリ、取引員からは一人という寂しさだがまあ枠が仕上がるまではこれも当然なところか。

興味深い割当だが移行前日の資産評価額を基に先ず加入調整金を納めている受託会員に金額相当分株式を割当、その後全ての会員に出資口数に応じた株式を配分する模様だが、もう一つ噂されているのは上場論が出ている東京証券取引所を巡って商取程ではないにしろ金融市場の混乱で経営状況が厳しくなっている会員が取引所上場を好機と捉えて廃業のタイミングを計っているとの話がよく聞かれる。

それもその筈、上場の蓋を開けて見なければ解らないものの参考価格では数十倍の含み益とか、TOCOMも向こう数年で上場意向とかだがさてその時に証券界同様のこんな話が出るや否やその時の環境は如何に。


美味しい独逸

そろそろ今月も月末になってくると、店頭での払い戻し期限が近づくのか配当関係の封筒を携えた株主が金融機関の店内には目立つ。

この配当といえば東証一部の前期配当総額は過去最高で確か7兆円近くに達するとかの記事を以前に見た事があったが、同様に株主配分の自社株買いを合計した物は日経紙報道によれば12兆円に達し実に純利益の5割に迫ったとかでROEを意識した動きが各社出ている模様。

ところで過日グランドハイアットに所用があった際にけやき坂の小綺麗なヒューゴボスのショーウィンドウを見たが、ここの配当は更に凄く実に純利益の3倍を配当に充てる大盤振る舞いだが、他にもメディアのプロズィーベンは純利益のほぼ全額を配当に充てる等、独系は証取も含めて株主様サマである。

この背景にはやはり大株主のファンド意向というのがあるのだがそれを割り引いても総じて欧州系は高配当が目立つ、日本における高配当企業は負の色彩が濃くこれらとは異質だがこれまたお手頃価格まで凋落した物にはそれこそファンドが御買い上げという事になるのだろうか。


転嫁難之図

本日の日経紙一面には東京電力が経常赤字4,250億円に転落する見通しと出ていたが、関西電力も9月中間期連結営業損失が850億円の赤字、単体でも赤字に転落する見通しを出しているがこれは実にオイルショックや米原発事故の影響を受けた80年以来29年ぶりの出来事という。

これら主因は勿論のこと、新潟中越沖地震で主力の柏崎刈羽原子力発電所の全面停止から火力発電比率が増しているところへ原油高から最近の急激な燃料価格の上昇を受けたものに因るところが大きいが、加えて「自助努力の範囲を超している」として電力料金の改定についても経済産業省に届け出たと発表している。

油系の業界以外でも実に転嫁までの業績の落ち込みとファイナンス事情の悪化も相俟ってスパイラルな景気悪化が展開しているが、そんなわけで地合いの悪さも手伝いここ原料の値上がりを全て価格転嫁出来ていない企業群はその株価も軟調極めている。

ただ、逆にPB絡みで先読みする動きも一部あり、どれだけこれらの中から株価が先行して浮上する向きが出て来るのかをマークしておくのも次に備えて一考か。


夜空に大輪の彩

週末はご存じ夏の風物詩である隅田川花火大会が無事開催され、場所も場所という事で今年のプログラムには早速東京スカイツリー等というタイトルもありそれなりに目を惹いた。

昨今ビル等で街の風景も変り規定で玉も5寸玉は禁止等と配慮されている模様だが、それでも東京湾大華火祭や神宮外苑花火大会と共に三大花火大会の筆頭なだけに今年も約90万人以上が集まった模様。

街は変れど90万人だけあって何処も場所取りの熾烈さは今も昔も変らないが、個人的には毎年幸いにも穴場の提供者がたまたま現れる事でその恩恵にあずかっているが、最近では地上を捨てて飛行船から花火大会を見せるビジネスもありちなみに即完売とか。

ところで神戸のルミナリエ等凡そこうした催しにはそれなりに弔いや復興が発祥の元となっているが、昨今の財政事情は何処もキツくなっているのが現状、ただ季節の風物詩として既に万人に定着しているだけに何とかいいアイデアで継続させていって欲しいものだ。


丑の日

さて、本日はご存じ土用丑の日であり、街中の有名ドコロの老舗にはマトモ?な鰻を確保したい向きがズラリと行列を作っていた。

さて、このように鰻といえば直近で世間を騒がせたのは中国産のウナギを人気の高い国産ブランドに偽装表示して出荷販売していた水産物輸出入業者や水産業者があったが、魚系?ではトラフグやアンコウの偽装も発覚しておりこと食に関する偽装が止まらない、と言うより昨年11月の当欄で「未だ表に出ていない件は聞いているだけで幾つもある。」とコメントした通り、従来罷り通って来た物が次々と一般に晒されている。

昨年の漢字は全体の18%を占めた「偽」であり、もうかれこれ一年以上も様々な食の偽装報道が為され其れなりの注目度もある筈なのだが、自覚云々よりやはりカネの下に営利優先、行政というか国にこうした連鎖している退廃を止める力があるかどうかが問われる時だろう。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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