垣根消滅過程での再編

さて、金融混乱から一旦は冷めた投機熱だが一方で商品市場の長期的なファンダメンタルズから再びホットマネーが商品市場に流入する可能性が高いと予てから言われて来たが、NY金が史上最大の上げ幅を演じたり今週は週明けに一部スクイズもあってWTIも史上最大の上げ幅を記録する等、再び国際商品市場がボラタイルな展開となっている。

一方、一連の米金融機関再編劇の過程で事業戦略としても、例えば商品事業を縮小していたバンク・オブ・アメリカはメリルリンチ買収で、また英バークレイズはリーマン・ブラザーズの非中核事業買収で商品先物事業拡大の機会をもたらす可能性が出てきたとロイターの記事で見掛けた。

こうした一連の再編劇で米はとうとう銀行・証券の垣根消滅という賛否両論が出る歴史的な転換点を迎える事になった訳だが、はや年明けから海外拡大を競い合って来たメガバンクも三菱UFJがモルガン・スタンレーに巨額の出資を行う等その国際的な存在感が強まっており、この段階で大きな関心を集めていたゴールドマン・サックスは果たしてかな本命視されていた三井住友が数千億円の出資を決める方向で調整している事が明らかになっている。

そういえばこの三井住友も今年度から商品先物市場を利用したデリバティブ担当グループを独立させ、関連商品の開発を強化していると時事の記事で見掛けたが、いずれも当然の事ながらそのフィールドとなるのは指標性を持った市場、こちらの方も整備促進から再編は必至だろう。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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