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マザーマーケットのミニ

本日10日はTOCOMで白金先物ミニ取引がスタート、このミニ取引としては昨年7月に上場した金先物ミニ取引に次ぐ第二弾となる。

昨年金ミニが上場する際に、「創設目的の一つに期近のリクイディティー向上とあるようにオプション取引よろしく期近から並べているがこれとてまたかという感じ〜」と書いたが先に述べたように期近誘致が不発に終り今回の白金でも六限月制が標準化の道を辿っている。

そんなわけで本日も果たして実質的に参加があったのはご覧の通り先限のみ、とは言っても曲りなりにもTOCOMの白金は取引高においてはマザーマーケットを誇るわけで金と比較して著しく閑散になる事はないか。

さて、こちらは新設なので一寸ニュアンスは異なるが、東穀取では先の大豆ミニ化でそれ以外のリクイディティー低下が顕著になったり設計変更から既存商品出来高の減少を招いているとの時事の記事で見掛けた事があったが、新設より設計見直し等々の論議がまたぞろ出てくるだろう。

また新設モノでPRも力が入ろうというものだが、これまた金先物ミニ取引上場時に懸念した通りの錯覚効果満載の公表はもういい加減辟易してくる頃か。


Yes we can!

さて、今週のビッグイベントであったのはやはり米大統領選、もう周知の通りで民主党のバラク・オバマ上院議員が共和党のジョン・マケイン上院議員を大差で破り、第44代は米建国後初めて人種の壁を破って黒人初の大統領が誕生した。

これらの絡みで前週から各マーケットは追加景気対策期待やら不透明感の後退等々で株式・商品共に沸いた部分もあったが、明けて昨晩の株式市場は大統領選翌日としては過去最大の急落を記録するなど日替りで洗礼を浴びる格好となっている。

ところで北京オリンピックの時には当欄で「メダルと株価」なる件について書いた事があったが、早速民間の調査センターあたりが民主党大統領1年目の勝率が高い云々のコメントも散見、実際にこの米大統領選前後で株価の関係を見てみるとやはりサンプルの取り方によって如何様にでも解釈が可能で参考にはならない。

もう一つ商品の方はといえば、昨日は時事にフィスココモディティの「大統領選挙と商品価格」なる記事を見掛けたがこれによればコーヒーやシュガー等のソフト物が勝率高し、他は個別で何とも判断付かないものであった。

やはり総じて時世の前にはビッグイベントもファクターとしては隠し味程度、ましてや100年に一度の危機などと言われている現状ではアノマリーが通用するか否か甚だ疑問、混沌としているだけに「ご祝儀相場」で騒いでみたい一時のセンチメントか。


金融危機のバイプロ

本日の日経紙には消費者心理の冷え込みから日米欧での自動車販売が急減速している旨の記事が大きく出ていたが、昨今特に高級車不振が酷く昨日発表のBMW・7-9期は純利益前年同月比63%減という事で新たに4万台の追加減産の意向、同じ独系ではポルシェも年末年始に減産との発表が相次いでいる。

さて、このポルシェといえば相場の方へ話が逸れてしまうが最近で話題になったのは、ここが大株主になっているフォルクスワーゲンの出資比率引上げを発表した為にショートしていたヘッジファンドが我先のカバーに動きこのVW株が前代未聞の暴騰劇を演じた事か。

なにせ200EURそこそこだったものがたった二日間で1,000EUR以上にまで暴騰し、一時は時価総額があの米エクソンモービルをい抜いて世界一にまでなったのだからこれは凄い。

世界的なロスカットに因って株式も通過も暴落模様の中、踏みによる暴騰も当然事例としてはアリだったのだろうが昨年もっとも魅力に欠けると揶揄されていた円もその類だったか、金融危機の珍事?は彼方此方にその芽が存在する。


直接浄化?

昨日は経産省・農水省がCFTC(米商品先物取引委員会)と商品先物市場の監視体制を強化する事で合意したとの報道があったが、経産・農水の両省といえば28日から商品取引所法に基づき日商協に立ち入り検査に入った旨の時事の報道が週末にあった。

この日商協への立ち入り検査は初めてで異例とはいっても、減少しているとされる苦情相談とは逆に両省による一部取引員の旧態依然とした低レベルな違法行為が焙り出され行政処分件数は増加という現状下ではある面致し方無しとも言えるだろう。

今や商品取引所法の改正に向け「不招請勧誘の禁止」導入の是非が活発に議論されている中、この手の自主規制機関に対する立ち入り検査は上記に記した事以外にもやはり徹底した方向性なりが窺えるが、以前より当欄では自主規制機関の存在感なり啓蒙の必要性を謳ってきたがこうした件をテコに切っ掛けを図ってゆくのも一つの技量とはいえまいか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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