変の枝葉

さて残すところ今年も明日半日となり今年はメッタに見られない様々な事がいろいろとあったが、やはり何といっても一番の出来事はサブプライム問題に端を発する金融危機であろうか、この金融危機の下にブラ下がる枝葉でさえ幾つも10大ニュースにエントリーされる程の衝撃度で未曾有の危機は今だ世界を震撼させている。

そういえばこの「未曾有」さえマトモに読めない首相が居るようだがやはりどこか変、この「変」という漢字も平成20年を表す漢字に選ばれた事が先に発表されていたが、オバマ氏のキャッチフレ−ズであったチェンジも咬ませてのものかどうかただやはり方向というか変が其処彼処に蔓延していたのは間違いの無いところ。

思い出せば05年の最終稿では「金満増殖」というタイトルを冠したがさしずめ今年はそれの逆だろうか、買いは構築売りは崩壊也。

皆様、一年間の御愛読まことにありがとうございました。
どなた様も良いお年をお迎えください。


百貨店とブランド

さてイヴ明けで本日はクリスマス、銀座あたりを通っても何気に客層?の幅に微妙な違いを感じたものだが、今年は何処のブランドショップも心なしかゆったりとした接客が目立っていたように感じる。

ところでブランドといえば確か先週だったか「ルイ・ヴィトン」が銀座で計画していた世界最大級の店舗計画を撤回した事が出ていたが、直近で松屋の大店をリニューアルさせていただけになんとも消費不況を如実に表した急停止措置である。

このヴィトンもそうだが銀座に散らばっているディオールやティファニー、カルティエ他多数のブランドは11月の初旬から歳末商戦を睨んで円高差益原資に値下げ敢行し低迷する販売テコ入れに着手したばかりだが、世界でもキーとなっている日本の動向次第では客層の幅が広いだけにサプライズな転換が今後出てきてもおかしくはないか。

さて、何処も同じような構成からその魅力が希薄化しているところへ差別化戦略に出た直営店でさえこうした見直しに迫られている中、さらに深刻と思われるのは規格通りの売り場でブランド販売している百貨店か、既に大手では改装計画断念や凍結等の動きが出ているが百貨店にとってこの手の投資は構造上要であっただけに業界の萎縮は必至だろうか。


一足早い大納会

飛び石で本日はイヴ、気が付けばもう大納会まで一週間もなくはや何とかという感が強いが、そういえば電子化控えた端株整理の為にイヴの本日で一足早く年内最終取引を迎えた銘柄もある。

それにしてもいろいろあった今年の株式市場、直近ではゴネていたGSが一転して態度を軟化させパナソニックの三洋電機買収交渉が決着、1円の違いで早々翻るとの疑問も一部にあるようだが当のGSも上場来初の赤字の中を優先株転換や損切り部分を考えればその尺度からいっても今の時点では美味しい値でいい加減売っておこうというのは自然な行動か。

1円は役者のメンツ代?というところだろうが、これだけ妥協したとはいってもこのGSや大和はそれぞれ1,000億円の売却益が転がり込みリスクを取った対価はしっかりと享受する模様。

しかしこれに限らず将来を見据えた相乗効果を狙ってのM&A戦略というか青写真もこういった時世の流れの中では垣根を越えたケースも出てくるであろうし、こうした事で気が付けば消えゆく名門ブランドも幾つか出てくるのは仕方無しなのかなという気もする。


流行の過払い

さて、本日の時事にて東穀取が来年は上場商品の拡充に取り組みその一環として畜産物先物研究会に着手したい旨が出ていたが、直近では12/2付けの当欄で「続く逆行」のタイトルで一度触れていた通り粗糖板寄せ取引を来年の3/2から復帰する事を決定した模様だが、ゆくゆくのTOCOM開発のザラバ方式新システム切り替え問題もあるのでこれまた暫定的?な措置とか。

しかしこの東穀取といえば先週には会員が脱退する際に払い戻す「持ち分」を従来通り資本余剰金から取り崩し処理し過払い処理を繰り返していた事もまた発覚しているが、なんともお粗末である。

今更ながら破綻した会社も含めた26社に過払い分の返還を求めてゆくらしいが理事会をスンナリ通っているから酷い、そもそも来年に株式化を狙っているところが会計士不在で監査法人に会計監査も以来していなかったという事自体が何を考えているのか理解に苦しむ。

折しも東穀取の建玉はピークの約十分の一、期末からでさえも半減し今年度は10億円以上の純損失に達するというが、迷走も何処まで続けられるのかその去就を見ていたい。


Welcome 不況

先月当欄で触れたようにジャスダック証取に対する大証のTOB応募は本日締め切られたが、TOBでも本日日経投資二面に載っていたように日本電産が9月に提案したTOBを取り下げると発表した東洋電機製造は買値が当時約二倍という破格の提案で急騰した分失望感も大きく、昨日のストップ安に続き本日も高寄りするもあとダレて続落となっていた。

ところでこの日本電産といえば永守社長が何かのインタビューにて、不況であるが故にM&Aやまた人材面においてもチャンスが巡ってくる可能性があり、いよいよ待ちに待った不況が訪れたという旨の持論を展開していたという記事を何処かで見掛けた事があったが、これに似た話では旧松下電器グループの創業者である松下幸之助氏の不況に対して事或る毎に「不況またよし。改善、発展への好機である」との名言が頭に浮かんだ。

勿論こうした容易に真似の出来ない強力なカリスマ性や強固な財務基盤をベースにした上に成り立ちこれらの言葉も信憑性の出るものであるが、今回の件でもその身の引き方一つ取っても次の策略を睨んでか否か実に潔い。広義では同じと思うが、投資家は少しでもこうした事例から見習うべき点を見つけたいものである。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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