今月目立ったもの

さて早いもので本日で6月も終り、そういえば過日銀座で降りたときそのメトロの柱には「MAUBOUSSIN」の広告が彼方此方に巻いてあったのを見たが、今月はこの老舗宝飾店が5,000円相当という0.1カラットのダイヤモンドを無料で先着5,000人に配るというキャンペーンで話題になった事を思い出した。

このモーブッサン、百貨店では見た事があるが路面店としては何時の間にかユニクロの隣にヒッソリと2月くらいだったかオープンしている。今回は大盤振る舞い?が画期的とかいう事で喧伝されたが同ブランドの知名度向上、新規顧客獲得が狙いとかいう事だが、当時の報道を見ていた限りでは失礼ながら凡そモーブッサンの顧客にはなり得ないであろう客層が何時間も長蛇の列に並ぶ姿や、費用対効果が逆鞘になるような遠方から来た等という輩には毎度やれやれという感じだ。

とは言ってもこのダイヤモンド、はたしてどの程度のクラスの物を配ったのか現物を見ていないので分らないが、使ったコストは単純に上記から2,500万円、他に警備関係も若干あるだろうが、この不況下でダイヤモンドをばら撒いて大手紙からスポーツ紙の紙面を賑わし、はてはTVまで放映されるとなると知名度向上という点ではこのコストでこちらの費用対効果はそれなりにあったのかなとも思えてくる。

フランス系ではつい最近にあのクリスチャン・ラクロワが債務不履行という衝撃的な報道があったばかり、銀座のこの旗艦店の立地は苦境の田崎真珠と飛ぶ鳥を落とす勢いのユニクロにちょうど挟まれている。さて、今後どちらに振れてゆくのだろうか。


かんぽの宿と政府株主

本日はなにかとお騒がせなあの日本郵政の株主総会があった。とはいっても株主は国なのだが代表という事で財務省理財局次長が出席し、20分そこそこで西川社長ら取締役9人の再認が承認された。

周知の通りで総務相の進退にまで発展した社長続投を巡る混乱はこれで決着するや否やだが、結局民営化という言葉を使って出来レースとも思える様々な仕業?からその後処理まで実態が最後まで有耶無耶にされつつ、国民資産が蝕まれたという点は一般論としてシコリが残る。

日本郵政に関しては以前に官の時代からの悪しき名残の浄化が必要かとしたが、この辺はまだ官の呪縛がはずれていないという表れとも取れるが、一部クレムリンの内の如くの部分が残り不透明感が拭えない場合は自ずと国民の目も厳しくなるのは当然。

今後はIRと言っていいのかどうか、一般への十分なディスクロが為されないとまだまだこれも前途多難になるのは必至と思うが。


株主の変遷と総会

先月あたりから株主宛には株主総会招集通知や議決権行使書の封筒が舞い込んでいたが、今年ももうそんな時期かという事で明日金曜日は株主総会が集中する日、信託銀行の代行部やら一部意見を元に総会用の想定問答集を作成したりやらでここ数日は関係各位の苦労が窺われるところ。

今年は減配更には無配も目立つ事から、議決権行使書の会社議案賛否表示欄の訂正印?の如く小さい賛否欄の否に丸印をつける反対票が例年より多かったらしいが、株主総会については連日主だったところの報道を見ていると横並びな開き直りなのか慇懃無礼なふざけた議長が未だ多く見られる。

金融危機の影響や締め出し?やらで一頃のモノ言うファンド系が減ったと安堵している部分もあるのだろうがそれも束の間、先の日経紙にも個人が20%を越すと出ていたように変わって個人株主や機関投資家の存在が再度際立ってきており、会社側もこれに対してはもっと真摯に向き合うべきであろう。

しかし昨今の金融危機で巨額の評価損を計上する企業が相次いでいるが、やはり持ち合いの部分の値洗い含め酷くこの辺も昨今の特徴。一頃バブル崩壊で悪しき慣習との声に解消が進んだ時期があったが、買収ファンド全盛時代から買収防衛目的等の基にここ再び増加傾向にありこの辺は今後の方針も含め経済的合理性が問われて然るべしか。


次は環境バブルか

昨日急落したあと本日の日経平均は小反発であったが、今日は野村アセットによる投信設定が二本あり一つはバイオ関連の「野村ピクテジェネリック&ゲノムファンド」、そしてもう一つは環境関連の「野村RCMグリーンテクノロジーファンド」であった。

別に個別の投信設定なんぞは興味も無いのだが、直近で「証券業界、環境バブルに期待」とかいうタイトルで、金融危機で大きな打撃を受けた証券業界がこの?環境モノのバブル化?で株式市場や関連金融商品への投資資金流入を加速させ再浮上を目論んでいるという旨の記事を見掛けた後だけに一寸気になった。

両者共に以前から組入れ思惑もあって既に関連銘柄が物色されていた形跡があるが、はて何故この期に設定なのだろうか?それこそインフル関連よろしく一部銘柄は何度もオモチャのように繰り返し物色されて、相場としては手垢が付き過ぎてもう老境、仮にこんなモノを大量に組入れたらそれこそていのいい解体紛いなどという疑義が出てくるとは考え過ぎだろうか。

明後日にも大和住銀がこれまた環境関連の「環境ビジネスオープン」を設定する運びとかだが、受け皿とは聞こえが悪いが結果如何ではまさにピッタリの形容ともなってしまうのでさて各社の組入れまた運用拝見というところか。


角を矯めて牛を殺す、か

最近何処の紙面にもFX規制の文言が登場する頻度が高くなったが、本日の日経紙には株・債券版?FX取引??としてCFD取引についても金融庁が規制強化に乗り出す旨が出ていた。

FX取引に則する形で来年6月までに信託保全の義務付けのほか、同様に倍率規制も検討するというが、もともとこれらの規制案はFXと並行して行われ早々に次はCFDとのコンセンサスがあっただけに成る程という感じだろうか。

ところで先月に矢野経済研究所が当社FOREX PRESSを通じて実施したFX取引規制に関するアンケート調査では、やはりというか投資家の反応は取引をやめるが2割以上にものぼり反発色が強い。100倍程度までが標準といわれる中でFXにしろCFDにしろ相対モノを絞めたいという独自の事情が見え隠れしないでもないが、商品選択肢や時間的なアクセスのよさを犠牲にし既定路線の上に日本だけ絞めがキツくなればこれまた取引海外流出を誘発するのではないか?

この辺はまた触れたいが、しかし最近の矢継ぎ早且つ強制色の強い動きはきれいに当局の既定路線に則している感もある。こうした内部管轄含めたグレーゾーンを巡るカオス?を度々繰り返しているうちに、所管の立場も次の総合市場へ向けて整備されてゆくようなイメージなのだろうか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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