グローカルを謳う?

さて、もう霜月も本日で終りとなるが、今月主だった業界の出来事といえば東穀取が株式会社化した事であろうか。

此処も昨年から持分の過払い処理が発覚とか、監査法人に会計監査も依頼していなかったなどが明るみになり、今年は今年で上場銘柄を板寄せからザラバに変更し、また板寄せに戻すとやってみたりとなかなかの迷走ぶりを見せてくれたものだが、目先は世の企業同様に財務基盤改善が急務か。

上記の持分返還も株式保有で対処出来たりとなるが、遅きに失した感のある数々の上場商品の廃止や低迷するその出来高からすると職員数などどう考えるのだろうか?横浜商品取引所を吸収なのか救済?なのか不透明だが、結局引き継いだ上場商品が全て無くなった今、こうして雇用面に改めて目がゆくのも当然だろう。

もう一つ、理念として「グローカル」などはもう数年前から耳にタコであるが、チマチマとミツバチなんぞを育てて一部関係者だけで盛りあがっているようなイベントで地域との融合を謳われてもどうもピンと来ない。例えば先に書いたヤマダ電機などは総本店を築いた折、周辺の飲食店や小売店でもポイントを獲得できるようにしている。そんなものこそグローカルなるものが解り易く一般に浸透しそうなものと思うが。

まあ、取引員の上場意向とはまた毛色の違ったニュアンスのファイナンスの用もあるのだろうが、まだまだ課題山積みか。


何処も彼処もエコ仕様

さて、本日は所用で恵比寿ガーデンテラスに居を構える知人のところへお出掛け。此処の住居棟へ来るのも久し振りだが、完成当時に風景がインテリアなどのコピーと共に億ションが飛ぶように売れたのも今となっては信じられないくらいに閑散とした感が心なしか寂しい。

その辺は兎も角として、この期にやはり目立つのは恒例の世界最大級のバカラのシャンデリアが一際妖艶な光を放ってガーデンプレイスに輝く姿か。この手のイルミネーションも先月末のハロウィーンが終る頃から直ぐに彼方此方でスタートするが、先に書いた三越のツリーや銀座からは資生堂や松屋もスワロフスキーを駆使したイルミネーションが次々とスタート、部屋から見る夜景も気が付けば東京タワーや周辺のビルは既にクリスマス仕様になっている。

さて、イルミネーションといえば一昔前にクリスマス時期の風物詩とも云われた原宿・表参道のケヤキ並木のイルミネーションが、来月に11年ぶりに再会されるという話だ。交通渋滞やゴミ問題もあって一旦中止の憂き目に遭ったが、今回は時代も変わりLEDを多用し前回の反省踏まえてエコがコンセプトという。

そういえば上記の三越のツリーも電力消費の少ないLEDを多用し、電力も二酸化炭素を排出しないグリーン電力である風力発電を使用、ツリーも生木は使用しないというエコ仕様である。はや新世代でイルミネーション一つ取っても斯様に変遷、諸般の事情で休止になってしまったものも多いがこれら同様なんらかの形で復活を願いたいところ。


NT倍率と構造

本日の日経マーケット面には米国株にリンクしなくなった日経平均の重さが指摘されていたが、この辺は日曜版一面にもマネー、日本素通りとして日本株の勢いの無さが目立つとその様子が載っていた。これは何度の指摘しているように、根底にある増資ラッシュの影響も大きいだろう。実に今年のそれはバブル崩壊後最高であった06年を既に大きく上回り、5兆円規模に膨らむ可能性もあるという。

ちょっと前にも当欄にて、「ファイナンスの必要性がそれほど急務という認識もなく、需要はさておき取れる時に出来るだけ掻き集めてしまおうという風潮も一部に感じられる」と書いたが、月曜の企業面にも「日本は今増資ラッシュだがはっきりしないのは資金の使い道だ」とこちらも同様に不透明感を謳っている。

またかねてからNT倍率の拡大も指摘されているが9年ぶりの高水準である11倍台が2ヶ月続いているのも不気味、結局これもTOPIX系金融の増資による希薄化の嫌気と、その対の先週特に顕著だったような一部大手証券の225採用銘柄のレーティングアップ銘柄が沈滞市場の中を散発高していたような構図によるところも大きいだろう。

斯様に構造というかその中身を見ると冒頭の通り勢いの無さも頷けるか。TOPIXと225の相関係数の動き含めて今後両者が何れに鞘寄せしてくるかであるが、それでも民主党圧勝の8月末から政権の舵取りもまた自然に織り込んでいる点は一応機能していると評価すべきであろうか。


鶏と卵

本日のTOCOM市場ではオイルが冴えない一方で元気印であったのはやはり金、この金相場、週明けも騰勢衰えず7営業日続伸して史上最高値を更新している。大手紙などではドルの代替資産としてこの金を買う動きが加速した云々の記事が圧倒的に多いが、週末の日経紙などでは投資が主役としての金高騰が続き、それが示唆するドル不安に焦点が集まり「悪いドル売り」が進むとスパイラルなシナリオの可能性も示唆している。

鶏と卵の話よろしくこの辺は尽きないものの、CTAがドル売り・金買いを進めたことが秋口から進んだドル安・金高騰の一因といわれているらしいが、これらも含めてつまるところは一部で指摘される原点回帰の動きか。

そんなわけでFRBも監視強化の動きと直近の記事で見掛けたが、一方では週末にはブルームバーグであのジョン・ポールソン氏が鉱山会社と金関連デリバティブに投資するファンドを立ち上げたというニュースも目にした。同氏といえばG・Sよろしくサブプライム関連のショートでガッツリ儲けたのが記憶に新しいところだが、なんでもファンドでは金価格のアウトパフォームを目指すという事。

アウトパフォームという言葉を聞くと一寸思い出すのがTOPIXや225を軸としこれらどれだけアウトパフォーム出来るかの掛け声と共にソフトバンクや光通信を数十万円まで買い煽った一昔前だが、まあそれはさておき確かに産金株なんぞはコスト低下で利鞘拡大から安値からの立ち上がりでは金相場を上回る上昇をするのは事実、原資産に限らず投資手法も飛躍的な広がりをみせる昨今この辺をチェックしてみるのも一考か。


取引員決算

昨日はオリエンタルランドの決算など一寸触れてみたりしたが、業界ではFUTURES PRESSでも既報の通り上場商品取引員7社の09年4-9月期決算も先週末に出揃っている。果たして全社が減収となり、うち5社で最終損益が赤字に転落か赤字幅が拡大という結果になっていた。

日経紙では自己資金による運用益は伸び悩み、FX事業も手数料の引き下げ競争が激化としているが、これらも委託から次のこうしたステージを経てつい最近がピークであったかのようなネット系証券の如く今後はそうしたものから別のステージに移行する構図となってゆくのだろうか。

同紙にはまた個人投資家を仲介し手数料を得る事業モデルからの転換も図っているが、成果は十分に挙がっていないとしているが、先週「双方に旨み?」で書いたようにプライマリービジネスの類一つ取っても証券とはその規模が雲泥の差なのは明らかで、こうした部分で限界があるのは否めないところ。

そうした事で上記のネット系証券よろしくパイの奪い合いから今後としてはJCCHの絡みからみてもシステム関連費用等の増加懸念もあり、互いに利害一致な向きの合従連衡も次のステージへ移行しないとも限らないが、或る意味それが出来るのはまだ前向きな方で水面下は不透明感漂う向きも依然多いのが現状か。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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