経営も相場も?

さて、事前予告型という異例措置にもかかわらず会社更生法申請当日も数円のところで厚い買い板が並んでいる様を見るにつけ「腐ってもやはりJAL?」などと妙な感心を覚えたものだがこのJAL、これら申請に伴いリスクヘッジの為に行っている燃料の先物取引について解約を迫られる見通しであると各紙で伝えられている。

主にブレント燃油やシンガポール・ジェット燃油の先物取引ということになるが、これによって現況でJALの支払い義務のうち数百億円(これも日が経つにつれその額がどんどん膨らんでいる)が、債権カットによって取引相手が請求権を失う見通しであるというなんとも後味の悪い強制手仕舞いである。

ちなみにこの先物取引での支払い義務は原油価格高騰時に執行した引かれ玉があってのものだが、もう一つJALといえば記憶にあるのが80年代のドル先物予約だろうか。当時150円以上していたドルであったが10年以上もの先物予約をした結果、長年に亘ってとんでもない相場で機材を購入するハメになったわけだが、こんな案件がよく通ったなと別な意味で感心するが総じて相場モノはボロボロだなと。

知人のJALキャビンアテンダントも相場は上手くはないがまあそれはともかくとして、こうした燃料価格も今後の動向によってはノンヘッジのままでは再建下その影響もさすがに懸念される。この辺のデリバティブ事情も今後どういった形で調整してゆくのか関心が向くところである。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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