ブラックボックス金融商品
さて、今週お騒がせだった話題はやはりSECによるG・Sの証券詐欺疑いの追訴であろうか。これのお陰で、株式から為替、そして商品までリスクマネーは一時冷や水を浴びせられ、マネーは国債に避難し多くが右往左往と振り回される展開となった。
この話、かなり以前から彼方此方で喧伝され噂にはなっていたがこの期に再燃するとは政策的なものも感じないわけではないが、問題の商品はサブプライムローンに絡むCDO、所謂合成債務担保証券モノで「アバカス」なるもの。この組成に絡んだのが昨年に当欄でも触れたジョン・ポールソン氏だが、問題は販売した同商品のショートやらCDSやらで利益を上げた疑いで証券詐欺を指摘されているもの。
ポールソン氏といえば鉱山会社と金関連デリバティブファンドも立ち上げコモディティー市場においてもその名は有名だが、商品市場も多少動揺するのだろうか?まあそれは兎も角、こうなると他の金融商品群も痛くもない腹を探られ、またこの結果如何によっては他にCDOを組成している金融機関も影響を受けるのは必至か。
しかしこの一連の報道でボンヤリ思い出されたのが一昔前に流行ったエクスチェンジャブル・ボンドだろうか。所謂EB債だが、高利回りを武器にかつては証券界のヒット商品になったが、満期日のインチキ株価操作やら仕切りモノやらの横行がとにかく酷かった。大体において自分がオプションの売り手に回っているのを認識している向きが購入者の如何ほど居たのであろうか?
何処の国でも一寸捻ってある甘い香りが漂う金融商品は、プロでも個人でもその対にある存在の性質を先ず確認するのは必須ともいえる。