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中部大阪商品取引所解散報道

さて、今週一番気になった話題はやはりFUTURES PRESSカウボーイも既報の通り、「中部大阪商品取引所」が来年1月末をめどに解散する方針を固めたという一部報道であろうか。 これを示唆するかのように奇しくも日経紙商品面では「正念場に立つ 商品取引所」として一昨日からその厳しい現状について書かれていたが、そんな中での解散報道であった。

ところでこの報道に関して当の中部大阪商品取引所は早速プレスリリースをHP上に出してきているが、まあ臨時理事会は来週であるし「そのような内容を決定した事実はありません。」というこのプレスリリース自体はとりたてて騒ぐほどおかしなものではないだろう。
何れにしてもこの辺は3/10付け当欄「報道と企業のポーズ」でコメントしている件の通りか。

閑話休題。中部大阪商品取引所についてはもう何度も触れて来たが、ここ数年をザッと振り返ってみると株式会社化構想、遅きに失した矢継ぎ早な失敗商品の上場廃止、証券取引所とのMOU締結、本部ビル売却や直近では保有するJCCH株式の売却と絵に描いたような一通りの行動であった。またその間には金人気のお零れ狙いで起死回生を賭けた中途半端な金市場の創設などあったものの、このときも当欄では「必要性は?」と疑問を呈していたが、やはり他のパイを奪う単純発想では成功する素地が薄いのである。

大阪商品取引所と合併してから迷走3年、果たして解散する事になるのか否か06年8月の当欄ではこの件について「弱者連合論は未だ他にも最悪なところがあり〜目的が何かがハッキリしていないと全般希薄になってしまう懸念がある」とコメントしていた。
ところで、先週は新生銀行とあおぞら銀行が昨年決めた合併計画の見送りを正式発表したが、市場に追い立てられた消去法的な弱者連合が当初より上手くいかない典型を表したようなこの事例、商品取引所もこれがトリガーとなり一気に再編スピードが速まるのかどうか注目である。


色彩普遍性

本日は丸の内にて所用があったが、そういえば過日丸ビルで人と会った時には1Fのイベントホールの床に色とりどりのポロシャツを敷き詰めて作ったなんともユニークな、「ゴッホの自画像」が展示されていた。

最初は上層階から眺めていたのでポロシャツとは気付かず、もうすぐあのオルセーが始まることでこれのPRか何かでゴッホの自画像なのだろうと思ったが、下で帰り際に通り掛かった際に解った次第。ところでこれはオンワード樫山が印象派の絵画から抽出した色彩を服に取り入れるという「カラーミュージアム・キャンペーン」の一環で、主要ブランドでこれを展開しているという。

ゴッホの「ひまわり」、ドガの「踊りの花形」やルノワールの「ムーラン・ド・ラ・ギャレット」など誰もがよく知っている印象派14作品から、各作品に特徴的な数色ずつを抽出し、厳密な色合わせで衣料を製作したとか。しかし色ひとつ取ってみても作品名から指すなんてなんとも洒落ている感覚、そういえば月曜日に書いた米アップルなどもパソコンのカラーにシドニーのビーチの名前を冠したりまた車などのカラーにもこのパターンは多いが、これまたデザイン考察としてコメントした流れともいえるか。

思えばイタリアやフランス始めとして欧州系は昔から服などの色の背景にアートを込めるブランドが多かったが、こういった点で日本などまだまだ開発途上国であると思う。こんな発想が今後各所で広がってゆくのにも期待したいところ。


トコロ相場

昨日の日経紙夕刊社会面には高級果物である北海道夕張メロンの初競りの様子が載っていた。札幌市中央卸売市場での最高値は、2個50万円であった昨年とは桁違いで同150万円にて落札された模様。

さてこの手としては既に店頭に並んで久しい宮崎県名産の「太陽のタマゴ」もまた高級果物の類だが、先月行われたこの初競りは宮崎中央卸売市場では2個入り1ケースが20万円で競り落とされるなど相変わらずの高値で取引が始まったものの、大阪ではこれが5万円、そして東京に至っては十分の一の2万円であった。

なんとも極端なトコロ相場であるが、こういったフルーツとか海産物は時折相場のダイナミックさを見せてくれる。そういえば一寸前まで蟹などと共に雲丹の案内があったが、時化の影響で加工量が少なかった後の正常化で大量出荷があり需給バランスの崩れから僅か数週で相場が半値八掛け以下にまで落ちた時もあった。

トコロ相場といえば、昔は株式相場や商品相場もトコロ相場を利用して仕手戦めいた事例などあったが、今や一般が投資する金融界はそういった面での整備が進み、上記のような業者のマーケットでこれらを見るに止まっているあたり少し昔が懐かしく思える今日此の頃である。


デザイン考察

さて、本日の日経紙社説には「今の日本企業は手元の才を十分に生かしているだろうか」という提言?で産業等におけるデザインの重要性にも一部触れていたのを目にした。

この社説の中では独創性を生かした成功例として、日産自動車の「キューブ」や資生堂の「マジョリカマジョルカ」なども挙げていたが、少し前でもデザインの美しさに惹かれその煩い音にさえ目を瞑って「ダイソン」の掃除機などに手を出してしまった向きも多いはず。しかしそのヒットの継続性からもっとも分かり易い事例としてはやはり米アップル社の製品であろうか。

90年代後半に出した「iMac」のヒットで一時は経営危機説も出ていた同社の復活劇は有名な話だが、その後も2000年に入ってからの「iPod」、また一昨年の「iPhone」、そして周知の通りで今年に入ってからの「iPad」と立て続けにその機能性とデザインを武器に市場の話題をさらう快挙を成し遂げている。

スマートフォンの類に限らず今は製造技術の普及化などもあって、複数の会社から似たようなものがどんどん出せるようになったが、そうなると市場原理として競争要因にはコストくらいしかなくなり自ずと価格が崩れてくるのが一般的といわれる。そこで差別化としてはやはりデザインがキーとなってくるが、上記の米アップルなどはトップ陣から深くデザインに関りその他タクティクスも他とは一線を画している感がある。今一度同紙文中にあったデザイン部門を縮小している日本の大手企業など、この辺に再考の余地ありと思うが。


軽油再上場の成否

さて、先週TOCOMで「軽油」が再上場されてから本日でちょうど一週間が経った。連休明けのこのイベントに多少は各紙も触れるのかなとも思ったものの、翌日の日経紙商品面が僅かに小さく報道したのが目に付いた程度で、地味な存在を裏付けるように果たして初日の午前は先限以外の限月が値付かずで、この日の売買高は結局僅かに8枚という寒い結果に終った。

ここで一寸、7年前の上場当時を思い返してみればTOCOMの出し値27,500円から大幅安で寄り一部はストップ安交じりであったものの、初日の出来高は76,000枚超と、当時のガソリンにほぼ並び灯油をも上回り活況であったのを思い出す。
(そういえば蛇足ながら、初日一番に全限に流しで大口の売り物を出したのは、今は無きあのタイコム証券であったなと懐かしい。)

某商社の石油部も積極的に初日からこのクラックをショートに回ったりして其れなりに使ってはいた模様だったが、翌日の出来高は2万枚、その二日後には1万枚を割り込むなどその後の凋落ぶりも激しかったなと。

再上場では、懸案であった脱税を防止する仕組みを作り受け渡し条件を緩和、取引業者をトラック運送会社や小規模の石油販売業者などにも拡大することになったわけだが、実際の現場は先物取引に対する理解がほとんど進捗していないのが現状。 この再上場にあたってTOCOMは売買高の目標を「灯油の三分の二程度」に設定するとしているが、一週間経過した本日の日中取引の出来高は灯油の4,683枚に対して僅かに16枚。

はたして再上場でも同じ轍を踏んでしまうのかどうか、今後を注視したい。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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