短期化の背景

さて、決算シーズンで直近まで主要企業の決算発表が相次いでいたが、株価もサプライズの強弱で各々がそれらを織り込み思い思いの動きとなっている。

そんな中で今月に入ってから目立っていた記憶があるものの一つは、最近日経紙にもジャストミート等の広告が目に付くようになったパイロットコーポレーションか。第2四半期決算を好感して急伸、一気に年初来高値を更新するも後場からは一転高値から急落し一日で約2割のボラを演じ不気味な日足を描いた。

こんな乱高下銘柄が出て来る背景として、一説には信用取引や先物で短期売買する向きが増加傾向にあるのが一つの原因とも言われている。折しもFXの規制を嫌ってスキャルパー連中がこうした素地を作るのに一役買っているとの指摘もあり、証券各社もそれら当て込んでか短期系に焦点を絞っての手数料ディスカウントにも余念が無いのが現状。

こうした一方で、斯様な短期売買は市場の価格発見機能が弱まり、個別企業への長期投資が根付かないという構造的な問題も出て来るとの懸念も俄かに台頭している。ただこの辺は上記の通り参加者のキャラの変遷に加え、近年は個人が好む材料株への規制も容赦なくキツくなっているのが事実で、これら含め昨今の環境こそが参加者やそのスタイルを変えてしまったと言っても過言ではないだろう。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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