インカムゲインの罠
主要企業の悲鳴をヨソに依然として「注意深く見守りたい」と判で押したようなコメントを続ける政府の静観ぶりにドルは83円台、日経平均は9,000円を大きく割り込み催促?相場の様相とも言われているが、まあそんなお陰で久し振りにボラタイルで面白いマーケットになってきている。
そんな中でも株式市場では断続的な売り物が個人にコツコツ拾われている対象銘柄としては高配当銘柄が目立っている。昨日の日経紙にも世界景気の減速懸念が強まる中、投資家が景気敏感株から高配当利回り銘柄に資金を移動している旨が載っていたが、さて報われるか否かこの辺は賛否両論。
確かにここ最近の長期金利の低下を見るに配当利回りで見た株式の魅力が高まっているというのも理解出来るが、斜陽業界始め今までの高配当イメージから避難的に買った企業群では値下がりではるか喰われてしまうパターンが非常に多い。
株式配当利回りというのは教科書的には国債利回りよりも低いのが通常であり、これを以って現状の株式は割安という図式を挙げる向きも少なくないが、手垢銘柄は買い残もネックになり結果的にはツナギの利が最も効率がよかったなどと当初の思惑通りにはいかない例も。折しも今はマル信の売り残が10年ぶりの低水準にあるといい、この辺も考慮して行動したほうがよさそうか。