金との境界線
さて、騰勢が止まらない金は史上初の1,300ドル越え達成など順調に値を飛ばし、週末には史上最高値をまたも更新している。
既に「無国籍通貨」や「代替通貨」などという形容は五年前からこの金に触れる折にタイトル等で使ってきたものだが、近年はより一層それらが切実なものへと変化し、また構造上もETFの普及によって従来のある意味で限定されていた取引がより一層金投資へのアクセスを拡大させたというのも大きな一因だろうか。
このETFも当初こそ日本ではそう商いも集めないだろうと思われていたが、近年では主力のSPDRゴールド・シェアなど始めとして売買代金もなかなか見栄えのするものに育っているのを実感する。
ところでこの金と並行して最近俄かに注目を集めているのが、30年ぶりの高値圏に躍り出ている銀か。この銀も同様に「代替通貨」としてドルやユーロの不安を背景に買われている旨が大手紙でも報じられていたが、米国のマクロ経済指標でも幾つかは改善傾向が見られた事からPGM系含めた景気敏感メタルにも物色の手が広がったという部分もあるだろう。
上記のETFの中でも直近上場の三菱UFJ信託モノなど商いが飛躍的に伸びてきているし、此処へ来てまたぞろ金銀比価論や史上最高値までの伸びしろ云々も出てきてヒートアップする一方であるが、外貨準備として買われるのが金。この辺は冷えた時により実感として解るものである。