二度目の時間短縮
さて、東証取締役会の諮問機関「市場運営委員会」が本日10日に開かれ、複数の市場活性化策の提示の中でも取引時間の延長案は、昼休みを撤廃せず30分短縮することで決着する見通しとなった模様。
先に「昼休み廃止論」として当欄でも採り上げた事はあったが、結局この廃止案は見送り時間短縮で妥協を図るということになるか。この時間短縮という手段は今回が初めてではないが夜間と違って個人など動くかどうか微妙で、ちなみに20年近く前の30分短縮においては売買高の増加はみられなかった。そんなワケでこの妥協策で売買は増えるや否やだが、証券関係者のランチ時間が短くなるだけのような気がしないでもない。
ところでこの東証、今週は「日本無線」をTOBする「日清紡HD」関連の「アロカ」を「日立メディコ」がTOBする事が明らかにされ、昨日は「コンビ」が取締役会でMBOを決定と依然として撤退企業が後を絶たない。先の2010年4-9月期決算も前年同期比で減収減益であったと発表しているが、3年連続の減収減益で上場審査に懸念があるため10年度内の株式上場を断念する考えを既に明らかにしている。
これら含めた逆風の中で売買高増加が焦眉の急、少しでも売買機会の増加を狙い会員負担も短縮なら全廃よりも少なくて済むと気遣いを感じないでもないが、何れにしても会員へのコスト負担が掛かってくるのには変わりがない。当の会員もプライマリービジネスで一気に捲れる大手以外は前にも書いたように此処の上場に賭けている向きも多く、投資負担もこれで限界という向きも多い筈。幾つもの市場が単独で各々システム政策を敷くなどの光景は証券や商品など何処でも同じだなとつくづく。