規制の整合性
本日の日経平均は円高一服で輸出関連株の物色から小反発となっていた。さて株式といえば先週は東証の社長が記者会見にて、前々からいわれていた企業が公募増資を実施する前の株式のカラ売りについての規制を検討すると正式に表明している。
このカラ売り規制、以前より当欄ではインサイダー天国を指摘してきたが、増資前にカラ売りをした投資家への新株割当を禁止云々とはいうものの、そもそもそれ以前の段階で幹事証券など需要調査で海外の投資家に対してはヒアリングが行われているし、また社内でもこの手の注意喚起通達そのものがかえって外野の憶測を呼びこれまた材料にされてしまうものである。
そういえば今問題になっている件については、一年くらい前にJALが以前やったファイナンスで香港投資ファンドが意図的にフェール交えて払い込み券面を公募新株を使って鞘取りした件が問題になった事があったが、この手の半ば確実?なファイナンスを利用した鞘取りも新手のライツ・イシューやら今度の新規制で果たして消滅することになるのだろうか?
結局いたちごっこでポジションディスクロやネーキッド・ショート・セリング更にアップテイックルールなど次々導入するのも已む無しにも見えるが、何かこう本来の市場機能が次々と失われてしまうような気がしないでもない。お茶濁しもいいが、上記の通り証券サイドへの規制強化や一方で投資家へはワラントの有利発行などいろいろ考察すべき点はあると思う。