新時代なるか
さて、例年行われている日本漢字能力検定協会が全国から公募した「今年の漢字」であるが、昨年の「新」から本年2010年を表す漢字は「暑」と発表されている。
この「暑」に因って今年は彼方此方でこれによる弊害が出ていたが、今月上旬など日経紙一面には、「物価の優等生」なる鶏卵の店頭価格が2年ぶりの高水準で、卸売り価格は5年7ヶ月ぶりの高値になるなど価格が高騰している旨も載った。物価の優等生でもやはり今年は猛暑による影響が甚大で供給が減った模様。
そんなワケでこの時期、御節料理の需要を控え更なる上昇を懸念する声が聞こえるというが、日常モノといえば野菜もまた然り、これまたこの猛暑の影響で緑黄色野菜中心に軒並み5割前後の上昇となったがこれだけ騒がれても、国内ではやはりというかこうした現象に絡んで身近なヘッジに関しての話題は全く見当たらない。
逆にヘッジといえばこの野菜もかつて世界初を謳い鳴り物入りで先物が登場したものの、参加者不在で東穀取が数年前に上場廃止にしている。上記の鶏卵にしてもかつて中部大阪商品取引所がこの先物を上場していたものだが、生産や流通関係者の参入不振の末にこれもまた今年の3月には立会い休止となっている。笛吹けど原資産にリンクしてこないのは、マーケティングに起因しているのかはたまたデリバティブが風土に根付かないのか?
何れにしてもこの鶏卵先物を上場していた中部大阪商品取引所も来月には解散という道を辿り、野菜先物を上場していた東京穀物商品取引所もまた実質的に解体への足音がヒタヒタと迫っている。こうした取引所淘汰の一方で「総合取引所」構想も重い腰を上げつつあるように見えるものの、監督機関についての調整は年内つかず両論併記となった。さて来年はこの辺がどう決着するのか思いを巡らせつつ今年はこれで失礼したい。
皆様、一年間のご愛読まことにありがとうございました。
どなた様も良いお年をお迎えください。