変わらぬその体質
さて、毎年1/3日付けの日経紙には「経営者40人に聞く」として株式や為替の見通しを聞いた特集が組まれている。大体において相場に縁のない経営者が大半な上に相場の年間予想を立てること自体が愚行だが、大発会前の暇潰しがてら面白いので馬鹿馬鹿しいと思いつつも検証してしまう。
というワケで昨年の各予想の結果はどうだっただろう? 先ず円相場は年平均で87.75円に上昇、1973年の変動相場制移行後で初めて80円台となった訳だが、6月末と12月末の相場という質問に対して20人が回答、うち2名の予想が当りであったが1名は幅を持たせているので微妙。もう一人の某メガバンクの社長は6月末、12月末共に数十銭の誤差でほぼピタリとこれはお見事。流石本業と思ったが、他のメガバンク社長は大台自体が相違しておりこれは外れ、某信託の社長なんぞは6月末、12月末共に100円台の予想とそのハズシ具合が一際目立つ。他の18人は年末の方が円安予想としており殆どがこれではずれた。
株価の方は、20人のうち年間の高値安値をほぼ当てたのが某総合電機大手の社長1名。但し値段はほぼ当てたものの、その時期予想は年間高値を取った4月を安値予想とするなどこれは大はずれ、ただこの高値安値時期を当てた者は皆無。有望銘柄ランキングなんぞはそこそこ利食えたのは10銘柄挙げてうち1銘柄程度だろうか。こちらは為替の銀行よろしく大手証券社長の挙げるものは他より辛めにチェックしたくなるが、やはり5銘柄挙げさせて年後半に来てようやく薄利が乗ったのがわずか1銘柄とお粗末。他はカラ売りの方が大正解であった。
毎年注目してもらいたいのだが、国内証券会社は年中強気のシナリオでモノを売る体質なので、こうした年間高安予想を聞いても判で押したように、年初安に年末高を言ってくる。売買してくれればよしでそこに相場観など存在しないのである。昨年も20人中でここ数年見た事もないような年末に14,000円などという最高値を予想していたのは某国内大手証券の社長だった。例えば今年はカラ売り有利などと本音を記す輩が現れる時が体質変化の時と見ているが、今年も国内大手証券会社はこのパターン。
まあ、多分来年もまた国内大手証券会社の社長連中は、必ず年初安に年末高の予想を挙げてくるはずなのでもしそうだったら笑って欲しい。