悲願のコメ
先月末あたりから農相などが「認可しない考え方に立つのは難しい」とほぼその方向が固まってきたコメ先物の試験上場であったが、周知の通り月替わり1日には、農水省が東穀取と関西商取に対してこの試験上場を認可することとなった。6/20付け当欄では「どちらのバンザイか?」としたが、東穀取と関西商取側が認可取り付けで一先ずは万歳となった格好だ。
株式市場でも一連の報道に絡んで先月末からコメ関連でやはりお約束のヤマタネなどが賑わっていたが、05年の申請で一度退けられたこのコメ先物も1939年以来、実に約72年ぶりの実現が見えてきた。それでは早速と商取系にありがちな遣っ付け作業も懸念されたがとりあえずは9月下旬が予定されているようでこの辺の調整も成功の鍵となるので重要か。
しかし新商品上場で毎度の事ながら意見が分かれるのは当然で、一部大手紙では投機資金の流入がコメ価格の乱高下をもたらす等と懸念するところも見られるが、TPPもしばしば論点に上る中を市場開放と自由化は政策の課題。何れ避けて通れない問題ならその一歩としてもこうした価格変動リスクを回避する手段を提供する市場の意味はやはり大きく、そういったことも懸かっているだけに軌道に乗せられるかどうかその責任もまた重い。