人為的需給創造
本日の日経紙マーケット面では、信用買い残の多い銘柄の下落が目立っている旨が主な銘柄名と共に載っていたが、ザッと眺めてみると業績も良く其れなりにテーマ性があり且つ幾つかは低PBRといかにも個人投資家が食い付きそうなモノばかりが並んでいた。まあ、マル信をやらない向きでも需給バランスが崩れているものを掴むとなかなか報われないよい例だろうか。
ところでこれと似たような悪需給を人為的に作り出しそうなのが、昨今の投機的なマーケットを鑑みて先に欧州などが打ち出した「空売り規制」か。ザッと対象になったのはAMF(仏金融市場庁)ではソシエテ・ジェネラル、BNPパリバ、クレディ・アグリコル、ナティクシス等、CNMV(スペイン証券取引委員会)ではサンタンデール、BBVA、サバデル、バンキンテル、ポプラル、バンカ・シビカ、バンコ・デ・バレンンシア、バネスト、パストール、バンキア、カイシャバンク等々であるが、どれも直近で暴落していた金融系が目立つ。
アジアでも韓国などは同様に期間限定で空売り規制を導入、これによってサムスン電子などハイテクの空売りが出来なくなった為に代わりに日本のハイテク株を空売りする動きが出ていると日経紙には載っていたが、パリバはハイテクポストの「韓国買い・日本売り」を推奨という。
こうした動きなのかどうなのか一部主力系には外資の執拗な売りが継続されているが、現在のところ国内では規制強化をさらに上乗せするかどうかはコメントを控えると郵政・金融担当相は先週述べている。その場しのぎにはなっても過去この手は後の相場がやはりもと来た道というパターンが通常であるし、臭いものには取り敢えず蓋ばかりではなんでもアリになってしまう。リクイディティ確保の為にもこの辺は熟考すべきだろう。