大手運用会社よりゲーム会社

さて月初の日経紙には、過去1年以内に上場した銘柄騰落率を単純平均して算出する「IPOインデックス」が日経平均が直近高値を付けた10/28から11/30まで10%下落、その下落率が日経ジャスダック平均株価や東証マザーズ指数を上回る軟調さが書かれていたが、やはりというか今月に上場を予定していた企業で取り消しや延期がポツポツと出ている。

先に19日の上場予定であった「キューアンドエー」が上場を取り消し、先週末にも運用大手の「日興アセットマネジメント」が、15日に予定していた株式の新規上場を延期する旨が報じられていた。運用大手の上場ということで話題性はあったが、主幹事証券が国内外の機関投資家にヒアリング実施したところ1株840円と想定した売り出し価格が高いとの声も出て、価格を引き下げようにも見込売却益の兼ね合いもあり上場を待つことにしたという。

ところでその日興アセットの上場予定日前日に上場を予定している企業に「ネクソン」があるが、こちらは本日公開価格が仮条件の中値にあたる1,300円に決定、先に日経紙でも派手な全面広告が目に付いたがこちらは幹事側から機関投資家の引き合いが強いことをかねてより指摘されており、その調達予定額も日興アセットの約2倍というからなんとも今の市場を象徴している人気の明暗ともいえようか。

長期に亘る準備その他を考慮すればこうした取り消しや延期は其れなりの決断だったろうが、こればかりは何とも言えない。業界でも取引員が一時期公開ブームであったが、その後の環境を思えば公開を取り止めにした幾つかの取引員は結果オーライだったともいえる。各社思惑はさまざまだが、こうした取止め・延期の傾向もまた市場のバロメーターともいえそうした動向は全般を測る上で指標にもなろうか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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