投信純増と規制
本日の日経紙には、個人投資家の人気を集めてきたブラジル関連の投資信託の販売に急ブレーキがかかっている旨が載っていた。同国通貨の急落で基準価格の平均月間下落率は9月に15%、11月も7%に達したという。
思えば今から約一年前には当欄でこのブラジル関連投信について、「新興国モノでは投資家への情報伝達など一部乏しいだけに一般は常にこの辺に注意をはらう必要があろう。」としていたが、運用悪化と共に流出も増加しこれをコメントした時の純資産残高は前年同月比3倍近くにも膨らんでいたものだが、11月末のそれは13ヶ月ぶりの低水準になっているという。
また金融庁は昨日こうした高金利通貨で運用する投信の販売規制を発表しているが、この高金利新興国モノについても昨年、「〜これら多額の設定を見越し投機筋の買いが膨らむ行為も目立ち、欧州始め信用不安波及がどの程度になるか不透明な中、高リスク資産への投資資金の安全性は如何ほどだろうか。」と警鐘を鳴らしておいたが毎度の事ながら対応の遅さは否めない。
本来であれば投信など乗り換えを頻繁に勧める事例が増えているのが問題になり、証券取引等監視委員会が証券会社による投信の販売状況について立ち入り検査を通じ重点的に点検する方針を決めた段階と前後して、こうしたことも講じられるべきであったと思うが当の販売側も最後には割りを食うことになるワケでこの辺は何ともという感じだ。